
初めての内覧会で失敗しないために!チェックポイントと注意点を徹底解説
公開日:2021年05月28日
内覧会は建物が完成してから引渡しまでに行われる検査を指します。「完成した家を見る意味はあるの?」と感じてしまう方もいるでしょうが、内覧会は家づくりの最終イベントとも言えるものです。建物の仕上がり具合を確認することで、要望どおりのマイホームを手に入れられます。この記事では、内覧会に参加するメリットやポイントを解説します。
内覧会に参加するメリットと流れ
内覧会は住宅の引渡し前に行われる重要な工程の1つです。では、実際にどのような目的や意味を持っているのでしょうか。ここでは、内覧会に参加するメリットと、具体的な流れについて見ていきましょう。
内覧会とは?参加をするメリット
内覧会とは、建物が出来上がってから最初に完成した状態を確かめられる重要な機会です。「竣工検査」や「顧客検査」と呼ばれることもある通り、工事の責任者とともに建物内を見て回り、実際の状態を細かくチェックしていく工程を指しています。
ただ、内覧会の目的は、単に完成した様子を見て回るだけではありません。物件を最終チェックしたうえで、設備や建材などに問題がないかを確かめ、不具合があれば直してもらうといったトラブル予防の意味合いがあるのです。
また、引渡しの前に室内の様子を確認・採寸して、家具や家電の置き場所に問題がないかどうかを確かめることもできます。
内覧会の流れと持ち物
内覧日当日は、現場の担当者と現地で待ち合わせをし、内覧の進め方や住宅の状態、設備機器の取り扱いなどについて先に説明を受けるのが一般的です。その後に、担当者立ち会いのもとで完成検査を行い、施工ミスなどがないかを細かくチェックしていきます。
そのうえで、気になるポイントがあれば担当者にその場で伝え、補修などの必要性を話し合います。そして、実際に補修箇所があれば、施工会社に直してもらったうえで、再確認日のスケジュールを調整するのが主な流れです。
このように、内覧会では細かなチェックを行う必要があるため、事前に以下の持ち物を用意しておけると安心です。
- チェックシートやメモ帳
- デジタルカメラ、スマホ
- 水平器
- 懐中電灯
- メジャー
- スリッパ
チェックシートやメモ帳は、確認事項を確かめたり、気になるポイントを記録したりするために用意しておきたいアイテムです。文字だけでなく画像や映像で記録するために、デジタルカメラやスマートフォンも用意しておきましょう。
水平器は家の傾きを確認するアイテムの1つであり、ホームセンターなどで数千円から購入できます。床下や天井裏なども確かめる必要があるため、懐中電灯も用意しておくと良いでしょう。
また、内覧会では家の状態をチェックするとともに、家具配置などを確認することも重要な目的です。採寸用に一定以上の長さのメジャーを用意して、図面に部屋や収納サイズを書き込めるようにしましょう。
内覧会でチェックすべき4つのポイント
内覧によって不具合が見つかれば、補修をしてもらった後に最終確認をして引渡しとなるので、スケジュールに問題がないか確認しておきましょう。ただ、実際に完成した住宅を前にすると、どうしても冷静に状態を確かめるのが難しい面もあります。
ここでは、効率よく内覧を進めるために、事前に押さえるべきチェックポイントを見ていきましょう。
①図面との違いがないか
図面は状態を確認するうえで、重要な指標となります。間取りや寸法、材質・色合いなどについて、図面と実際の仕上がりに違いがないかをチェックしましょう。
また、オプションで購入した設備などがきちんと備わっているかを確認することも大切です。事前に打ち合わせをしていた仕様と異なる部分があれば、あまり遠慮をせずに理由を確かめましょう。
②開閉部分の動作チェック
部屋のドアや扉、窓など、開閉できる箇所は必ず実際に開け閉めをして、細かく動作確認することが大切です。「開け閉めがしにくい」「気になる音がする」といった場合には、内覧の段階で不安な点を解消しておく必要があります。
また、玄関ドアや窓は「すきま風などが入ってこないか」「鍵の動作に違和感はないか」といった点もチェックポイントとなります。
③キズがないかをチェックする
室内全体を通して見ておきたいのが、キズや汚れ、破損の有無です。仮にキズなどがあったとしても、引渡し後であれば家具の運び入れなどで発生したケースと見分けがつかないため、内覧の段階で見落としがないように心がける必要があります。
キズや汚れのチェックには時間がかかってしまうため、可能であれば複数人で行ったほうが安心です。そのうえで、もし不具合が見つかれば、その場で指摘をして改善してもらいましょう。
④外装のチェックも大事
内覧においては、内装だけでなく外装も確認することが大切です。主なチェックポイントとしては、壁のひび割れ、タイルの浮き、近隣との境界線などがあげられます。
また、ベランダを設ける場合は、室内からだけでなく外側からも状態を確認しておきましょう。床面の裏側にキズやひび割れなどが発生していないかチェックしておくと安心です。
物件の引渡しまでに取り組むべきこと
内覧会が無事に終了してからは、晴れて物件の引渡しとなります。最後に、引渡し前に準備しておくべきことを確認しておきましょう。
残金決済の準備
引渡し当日には、すでに手付金や中間金として支払った分を除き、建築費の残金を精算する必要があります。そのため、住宅ローンを利用している場合は、決済日の処理についてあらかじめ金融機関に確認しておくことが大切です。
また、引渡しの際には、司法書士の立ち会いのもと、登記の手続きも同時に行うのが一般的です。登記費用や不動産会社に支払う費用なども確認して、漏れのないように準備しておきましょう。
引越しの手配・近隣への挨拶
引渡しの日が近づいてきたら、ゆとりを持って引越しの手配も済ませておくことが大切です。なお、引越しの費用には定価がなく、タイミングや荷物量によって料金にバラつきがあります。
そのため、事前に複数の会社に見積りを依頼しながら、最適な会社を見つけておきましょう。また、荷物の搬入などで近隣に迷惑をかけてしまう恐れがあるので、引越し日の前までに挨拶をしておくことも大切です。
住みやすい環境を整えるためにも、事前の準備をていねいに進めましょう。
これが結論!
内覧会には「完成した住宅の状態チェック」、「不具合の発見・補修依頼」、「採寸」といった重要な目的がある
見落としがないように、あらかじめ具体的なチェックポイントを押さえることが大切
内覧会後は、引渡しに備えて残金決済の準備、引越しの手配・挨拶回りを済ませる

記事監修
染矢 真紀
宅地建物取引士/2級ファイナンシャル・プランニング技能士
最新のトレンドや法改正を踏まえ、円滑な住宅売買に向けた仕組み作りと前線でのサポートを実践する。「ちんたいグランプリ(旧・不動産甲子園)」 2020年度・2022年度特別賞。
- 2021年5月時点の内容です。














