
家づくりを始める前に!間取りのチェックポイントと家事動線の考え方を解説
公開日:2021年06月25日
家を建てると決めたら、まずはモデルハウスや完成している戸建てを見学することが大事です。なぜなら、間取りを実際にチェックできるからです。あらかじめ生活したときのイメージを持つことで、「何が本当に必要か」を判断しやすくなります。土地から家を建てて後悔しないためにも、見学をして家づくりの参考にしてみましょう。この記事では、間取りで気をつけておきたいポイントや見学時のチェックポイントを紹介します。
見学して間取りをチェックする重要性
モデルハウスなどの見学会は、実際に室内の様子を確かめられる貴重な機会です。ここでは、注文住宅を建てるうえで、事前に間取りのチェックをしたほうが良い理由について詳しく見ていきましょう。
間取りチェックの2つの理由
間取りチェックを行ったほうが良い理由としては、大きく分けて「図面だけでは実際に住んだときのイメージを持ちづらい」「良い間取りは人によって感じ方が異なる」といった点があげられます。
注文住宅を建てる際には、基本的に図面を通して施工会社との打ち合わせを進めていきますが、どうしてもイメージを共有するのが難しい面もあります。
購入者自身がきちんと要望を伝えられるようになっておくことで、打ち合わせを有意義に進めやすくなるのです。また、間取りの良しあしは、個人や家族の価値観に大きく左右されるポイントでもあります。
そのため、事前にモデルケースを把握しながら、自分なりの条件を明確にしておくことが大切なのです。
家事動線を考えてプランニングしよう
家事動線とは、実際に生活する際に通るルートのことです。間取りを考えるときには、効率の良い家事動線を意識しておくと、より利便性の高いつくりを実現させることができるのです。
家事動線について意識しておきたいポイントとしては、以下のような項目があげられます。
- 洗濯機と洗濯物を干す場所は離れすぎていないか
- キッチン周りは動きやすいか
- 寝室とトイレが近すぎないか、遠すぎないか
- 騒がしくなってしまう部屋と静かに過ごしたい部屋が隣接していないか
- インターホンや電話の設置場所
- プライベートな空間(寝室など)が来客時に見えてしまわないか
- 子どもと顔を合わせる間取りになっているか(リビングに階段がある)
- 廊下を歩いていて、いきなり開いたドアにぶつからないか
特に、毎日使う水回りの配置は、家事のしやすさを決める重要なポイントでもあります。そのため、モデルハウスなどを見学する際には、特に意識してチェックしておくと良いでしょう。
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必ず確認しよう!見学時にチェックすべき3つのポイント
物件を見学するときには、あらかじめ具体的なポイントを絞っておくと、効率よく見て回ることができます。ここでは、特に見落としてしまいがちなチェックポイントを具体的にご紹介します。
①水回りとコンセント
水回りの配置は、ある程度まとまっていたほうが良いと考えられることが多いです。特に「洗濯機置き場からベランダまでの距離」「キッチンとダイニングまでの動線」を意識すると、効率の良い家事動線を確保することができます。
ただ、2階建て住宅にする場合、どちらかの階に水回りをまとめてしまうと、一方の階での生活が不便に感じられてしまうこともあります。
たとえば、「1階部分にもトイレや洗面所は設けるべきだった」「高齢になったときのことを考えて1階部分に水回りを配置すれば良かった」といったケースです。
そのため、ある程度将来的な家族構成の変化も考慮しながら、最適な配置を検討する必要があります。また、意外と見落としてしまいがちなのが「コンセントの配置」です。
特にキッチン回りは家電が集中するため、あらかじめ家電・家具の配置を考えながらコンセントの位置をチェックしましょう。
②部屋の広さと窓の位置
間取りで確認しておきたいポイントの1つに、「部屋の広さ」があげられます。何帖くらいがちょうど良いと感じるのか、家具を配置したときの様子をイメージしながら見学することが大切です。
部屋の広さは居室の個数と密接に関わるポイントであり、バランス調整が難しい面もあります。家族構成や子どもの成長などを考慮して、どのくらいの広さと個数が必要となるのか、じっくりと検討しましょう。
また、「窓の位置」は日当たりに影響を与える重要なポイントであり、建物の方角と密接に関わっています。
たとえば、「日当たりに恵まれない北側の部屋は採光性を高める」「夏の西日を考慮して西側の部屋は遮光性を高める」といった観点から見学すると、より有益な情報をキャッチできるようになるのです。
③収納スペース
収納スペースについては、主に「サイズ」「配置」「扉の種類と開閉方向」の3点をチェックすることが大切です。サイズについては、しまいたいものを十分に収納できる広さ・高さがあるかどうかを確認しましょう。
配置については、「収納したいものの使用場所に近いかどうか」が1つのポイントとなります。特にトイレ用品や掃除用具など、頻繁に出し入れするものの収納場所に注意することが大切です。
また、効率よく間取りを配置するために、「階段下のスペースを有効活用する」「キッチンに床下収納を取り入れる」といった工夫が凝らされていることもあります。
収納スペースの確保について、どのような方法があるのか、具体的な仕組みとともに確認できる点も住宅見学のメリットです。
さらに、収納に関して、見学時に見落としてしまいがちなのが「扉の種類と開閉方向」です。扉には大きく分けて「引き戸」「開き戸」「折れ戸」の3種類があり、それぞれ特徴が異なるのです。
種類や開閉方向によって、必要なスペースや収納のしやすさが変わるため、見学のタインミグでチェックしておきたいところです。
これが結論!
実際にモデルハウスなどを見学することで、住まいの要望を具体的に描けるようになる
家事動線を意識しながら見学すると、効率的な配置を学びやすくなる
水回りやコンセント、部屋の広さ、収納スペースなどが具体的なチェックポイント

記事監修
染矢 真紀
宅地建物取引士/2級ファイナンシャル・プランニング技能士
最新のトレンドや法改正を踏まえ、円滑な住宅売買に向けた仕組み作りと前線でのサポートを実践する。「ちんたいグランプリ(旧・不動産甲子園)」 2020年度・2022年度特別賞。
- 2021年6月時点の内容です。














