
中古住宅の内覧で聞くことリスト8選!チェックポイントやマナーも解説
公開日:2025年01月24日
この記事では、中古住宅の内覧で聞くことを紹介します。
中古住宅の購入を検討する際には、内覧をしてからどの物件にするか決めることが一般的です。内覧で聞くことやチェックするポイントを知っておけば、より有効的に進められるでしょう。
この記事では、中古住宅の内覧で売主と営業担当者に聞くことをそれぞれ解説します。内覧中のチェックポイントやマナーも紹介するので、内覧を控えている人はぜひ参考にしてください。
【この記事でわかること】
- 中古住宅の内覧で売主に聞くことリスト5選
- 中古住宅の内覧で営業担当者に聞くことリスト3選
- 中古住宅の内覧でのチェックポイント
- 中古住宅の内覧を成功させるためのマナー
中古住宅の内覧で売主に聞くことリスト5選
ここでは、中古住宅の内覧で売主に聞くことを紹介します。
- 売却に至った理由・経緯
- 周辺環境
- 交通の利便性
- 過去のリフォーム・リノベーションの状況
- 過去の災害による被害状況
上記5点を詳しく見ていきましょう。
売却に至った理由・経緯
「売主が家を売却する理由や経緯を知っておけば、家の住みやすさや問題を事前に把握できます。
たとえば、道路を広げるためや、新しい公共スペースを作るために土地の一部が利用されます。その代わりとして、事業後には整備されたインフラや環境の向上により、残された土地の価値が上がる場合があります。
たとえば、転勤や家族構成の変化などで家を手放す場合、家の不都合による売却ではないため、大きな問題はないといえます。ただし、住みにくさや生活の不便さが理由で売却する場合には、家に何かしらの課題があると推測できるでしょう。
家の不都合が理由で売却する場合には、具体的な理由を尋ねることをおすすめします。
周辺環境
静かで安心して過ごしやすいエリアであるか、夜間の治安状況に問題はないかなど、周辺環境についても詳しく確認しましょう。
物件自体に魅力があったとしても、周辺の治安が悪く騒音が気になるような環境であれば、生活に支障をきたすおそれがあります。
また、近隣の商業施設や夜間にも利用できる医療機関の有無を聞くことも重要です。子育て世帯の場合、近くの学校や保育所、公園についても聞いておくと安心です。
交通手段の選択肢や最寄り駅、バス停までの距離なども確認しましょう。
特に、交通機関の混雑状況は、実際に生活する前に把握することは難しいといえます。長期間生活した売主に尋ねることがおすすめです。
また、車を日常的に使用する場合には、近隣の駐車場の有無や渋滞の発生状況についても聞いておきましょう。
近隣住民との関係
新居での生活には、建物の良し悪しだけでなく近隣住民との関係も影響します。
近隣住民との付き合いや交流について売主に尋ね、困ったときにお互い頼れる環境か確認しましょう。
また、地域のコミュニティでイベントやセミナーなどを行っているか、自由に参加できる雰囲気かどうかなども聞いておくと、入居後の不安を少しでも払拭できます。
過去のリフォーム・リノベーションの状況
家がどれだけメンテナンスされているかを把握するために、過去のリフォームやリノベーションの状況を確認しておきましょう。
屋根や外壁を最後に修繕したタイミングや、水回りの設備をいつ交換したかなど、具体的な時期や施工内容まで把握できると安心です。
万が一、屋根や外壁の修繕や設備の交換が長期間行われていない状態で引渡しされると、入居してすぐに大きなメンテナンス費用が発生するおそれがあります。
過去の災害による被害状況
地震や台風、水害など、過去の自然災害による被害があったかも聞いておきましょう。
たとえば、地震による住宅破損や水害による浸水被害、地盤沈下などがあったか把握できれば、入居後にすぐ対策ができます。
また、周辺地域で被害があった住宅があるか、災害リスクに備えるための設備は用意されているかなども、合わせて確認しましょう。
中古住宅の内覧で営業担当者に聞くことリスト3選
ここでは、中古住宅の内覧で営業担当者に聞くことを見ていきましょう。
- 物件の引渡しを予定している時期
- 隣地との境界線
- 物件や設備の不具合
上記3点を詳しく解説します。
物件の引渡しを予定している時期
内覧中の物件を購入する場合、いつから入居が可能であるかを確認しましょう。
引っ越しのスケジュールを立てたり、現在の住まいの退去時期を決めたりする必要があり、内覧の段階で聞いておけば余裕を持って計画できます。
すぐに入居したい場合は、最短で引渡しできる時期や手続きに必要な期間を聞いておきましょう。
隣地との境界線
隣接する土地との境界線が曖昧な場合、その家での生活が始まったあとに近隣トラブルの原因となるおそれがあります。
境界標の設置有無や過去の不具合など、将来的に近隣住民ともめることがないように、把握しておくべき点を聞いておきましょう。
境界線が明確ではない場合には、測量の必要性や測量費用を誰が負担するかについて相談しておくと安心です。
物件や設備の不具合
中古住宅の場合、物件そのものや設備に経年劣化があるおそれがあります。
過去に指摘された不具合や現時点で現時点で修繕が必要な箇所について、営業担当者に確認すればより正確に教えてくれるでしょう。
また、修繕が必要だと担当者が判断した箇所については、保証が残っているかや修繕費用の目安も聞いておきましょう。
中古住宅の内覧でのチェックポイント
中古住宅の内覧では、売主や営業担当者に聞くことと合わせて、自分自身で家の間取りや状態を確認することが重要です。
主なチェックポイントを以下にまとめたので、見ていきましょう。
| 項目 | チェックポイント |
|---|---|
| 外観・構造 | ・外壁や屋根にひび割れ・色褪せがないか ・基礎部分に亀裂がないか ・雨どいや排水溝は問題なく使用できるか |
| 室内 | ・壁や床に汚れ・剥がれがないか ・ドアや窓はスムーズに開閉できるか ・トイレやお風呂、キッチンは問題なく使えるか |
| 日当たり・風通し | ・日中に十分な明るさを確保できるか ・窓の位置や大きさが適切か ・風通しが良く、湿気が溜まりにくい構造になっているか |
外壁や屋根に問題があると、見栄えが悪いだけでなく隙間から外の空気が入り込んで、家の断熱性が低下してしまいます。また、基礎部分に亀裂があると家の耐震性に影響することがあり、修繕費用は10万円ほどになるでしょう。
壁や床の汚れ・剥がれなどは、掃除して簡単に取れる場合はさほど気にする必要ははりません。ただし、汚れが落ちない場合や剥がれが直せない場合は、その箇所について売主や営業担当者に相談することをおすすめします。
また、日当たりや風通りの良さは生活スタイルによって異なります。日中や夜間の両方で確認したい場合には、売主に相談したうえで、時間帯を変えて複数回内覧することを検討しましょう。
中古住宅の内覧を成功させるためのマナー
ここでは、中古住宅の内覧を成功させるためのマナーを解説します。
- できるだけ少人数で訪問する
- 子供は預けてから行く
- 基本的に手土産を用意する必要はない
- 写真撮影の前に売主や担当者の許可をもらう
- 売主と直接の価格交渉は避ける
上記5点を詳しく見ていきましょう。
できるだけ少人数で訪問する
内覧は、必要最低限の人数で訪問することを推奨します。
家族全員で訪問してしまうと、スペースが狭く感じられたり、売主にプレッシャーを与えたりすることがあります。
複数回にわたって内覧する場合は、最初の内覧は夫婦や親子など代表者2名ほどで訪問し、その後ほかの家族も同行すると良いでしょう。
子供は預けてから行く
子供がいる場合は、家族や託児サービスなどに預けてから内覧することを推奨します。
なぜなら、子供が走り回ったり家具や物件を傷付けたりすると、家具の損壊や物件の価値低下に繋がるおそれがあるからです。
特に、内覧時も売主が居住している場合は大きなトラブルに発展しかねません。
基本的に手土産を用意する必要はない
中古住宅の内覧では、基本的に手土産を用意する必要はありません。
売主側も物件を案内することが目的であり、贈り物を重視していないことがほとんどです。
ただし、売主と個別に面会する場合や特別な対応を受けた場合には、感謝の気持ちとして簡単な贈り物を用意しても良いでしょう。
写真撮影の前に売主や担当者の許可をもらう
物件の外観や内装を撮影したい場合には、必ず売主や営業担当者の許可を得てから撮影しましょう。
プライバシーやセキュリティなどの理由から、撮影自体を嫌がる売主もいます。勝手に撮影することはせず、必ず許可を得てから写真撮影しましょう。
また、許可を得る際には、家族で共有するためなどの理由もあわせて伝えると安心してもらえます。
売主と直接の価格交渉は避ける
内覧中に売主が立ち会っている場合でも、直接価格を交渉することは避けましょう。
価格や条件の交渉は、営業担当者を介して行うことが一般的です。
直接交渉してしまうと、営業担当者や売主に不快な思いをさせてしまい、気に入った物件でも購入を断られるおそれがあります。
価格交渉を希望する場合は、担当者に相談して適切な方法で交渉を進めましょう。
中古住宅の内覧に関するよくある質問
ここでは、中古住宅の内覧に関するよくある質問を紹介します。
- 売主が居住中の住宅の内覧で特に注意すべきことは?
- 内覧後の返事はいつまでにすべき?
- 中古住宅の内覧はどのくらいの回数行う?
疑問の解消にお役立てください。
売主が居住中の住宅の内覧で特に注意すべきことは?
売主が居住中の住宅を内覧する場合、他者が生活している空間に訪問することになるため、より配慮が必要になります。
家具や収納スペースは現在も使用している可能性が高いので、勝手に触れたり開けたりすることは控え、中を確認したい場合は許可を得てからにしましょう。
また、寝室などのプライベートな部屋にはあまり入らず、ドア付近から中を除く程度が好ましいといえます。そのほか、服装や靴は清潔なものを心がけ、約束した時間を守るなど、一般的なマナーも心がけましょう。
内覧後の返事はいつまでにすべき?
内覧後は、できるだけ1週間以内に返事をしましょう。
売主や担当者は、ほかの購入希望者との交渉を行っている場合があります。返信が遅れると気に入った物件を他の希望者に先に購入されるおそれがあるでしょう。
回答に悩む場合、もう少し検討したい旨を正直に伝えておけば、返事をするタイミングを調整できることがあります。
中古住宅の内覧はどのくらいの回数行う?
中古住宅の内覧回数は、2回程度が目安といえます。
1回目に全体の印象を把握しながら気になる箇所をピックアップしておき、2回目に気になった場所を詳しく確認することがおすすめです。
3回目以降の内覧は、必要に応じて検討しましょう。リフォームや修繕を検討している場合には、施工業者と同行して修繕箇所をチェックしておくと安心です。
内覧の回数を増やす場合は、スケジュール調整や売主への配慮を忘れないようにしましょう。
中古住宅の内覧で聞くことは事前にリスト化しておこう
この記事では、中古住宅の内覧で聞くことを解説しました。
中古住宅の内覧では、売主に家での実際の生活について確認しておくことが大切です。周辺環境や過去のメンテナンス履歴など、売主にしか分からない情報があるので確認しておきましょう。
また、内覧の際にはマナーをしっかり守るようにしましょう。マナーを守らないと、相手に不快な思いをさせてしまい、スムーズに交渉できないおそれがあります。
中古住宅は、聞くことやチェックすることをリストにまとめるとスムーズに進められます。網羅的にリスト化したうえで、マナーを守って内覧に臨みましょう。

記事監修
新井 友隆
宅地建物取引士/2級ファイナンシャル・プランニング技能士
東京・神奈川の複数センターでセンター長を歴任後、営業推進部長や埼玉・名古屋エリアの立ち上げにも寄与。2022年からは契約管理部門にて、オープンハウス全国の契約書作成や引き渡し業務を統括中。
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