
通勤時間の平均はどれくらいが理想的?長い・短いメリットも解説
公開日:2025年04月10日
この記事では、平均的な通勤時間について解説します。
家を探すときの基準の1つが、勤務地までにかかる通勤時間です。エリアや状況ごとの平均通勤時間を知っておけば、新居でストレスを感じにくい生活を送れるでしょう。
この記事では、エリアや勤務状況ごとに通勤時間の平均目安を解説します。通勤時間が長い場合と短い場合のそれぞれでメリット・デメリットもお伝えするので、家探しを検討している人は、ぜひ参考にしてください。
【この記事でわかること】
- 【エリア別】通勤時間の平均目安
- 【状況別】通勤時間の平均目安
- 通勤時間が長いメリット・デメリット
- 通勤時間が短いメリット・デメリット
- 通勤時間が苦にならない住まい選びのポイント
【エリア別】通勤時間の平均目安
以上の全国平均を踏まえて、エリア別の通勤時間を見ていきましょう。
- 首都圏の通勤時間
- その他エリアの通勤時間の平均目安
参考:
令和3年社会生活基本調査 生活時間及び生活行動に関する結果丨総務省統計局
首都圏の通勤時間
首都圏は、他のエリアに比べて通勤時間が長くなる傾向にあります。総務省の同調査では、首都圏の通勤時間は以下の結果となりました。| 都道府県 | 平均往復通勤時間 | 平均片道通勤時間 |
|---|---|---|
| 東京都 | 1時間35分 | 47.5分 |
| 神奈川県 | 1時間40分 | 50分 |
| 千葉県 | 1時間35分 | 47.5分 |
| 埼玉県 | 1時間34分 | 47分 |
参考:
令和3年社会生活基本調査 生活時間及び生活行動に関する結果丨総務省統計局
首都圏の4つの都道府県で、片道の通勤時間が全国平均より7~10分程度長い結果となりました。特に、神奈川県は1日あたり1時間40分の通勤時間が平均となっており、全国で最も長くなっています。
また、首都圏内でも郊外のエリアに居住している場合、さらに通勤時間がかかると予想されます。
その他エリアの通勤時間の平均目安
首都圏以外の地域では、通勤時間の平均が以下のようになりました。
| 地域区分 | 平均往復通勤時間 | 平均片道通勤時間 |
|---|---|---|
| 北海道・東北 | 約1時間3分 | 約31.5分 |
| 北関東 | 約1時間9分 | 約34.5分 |
| 東海・北陸 | 約1時間8分 | 約34分 |
| 近畿 | 約1時間20分 | 約40分 |
| 中国・四国 | 約1時間4分 | 約32分 |
| 九州・沖縄 | 約1時間5分 | 約32.5分 |
参考:
社会生活基本調査から分かる47都道府県ランキング丨総務省統計局
地域は内閣府の地域区分Aに基づく
近畿地方を除き、ほとんどの地域で往復の通勤時間は1時間程度となっています。
そのため、勤務先から30分ほどで移動できる距離に家を購入している人が多いと考えられます。
車や電車、バスなどの通勤方法も考慮しながら、通勤時間30分を目安に家探しをすることが1つの目安です。
【状況別】通勤時間の平均目安
ここでは、以下2点の状況別に通勤時間の平均目安を解説します。
- 男女別の通勤時間
- 正規雇用・非正規雇用の通勤時間
男女別の通勤時間
男性と女性では、通勤時間に大きな差がありました。それぞれ、以下の結果となっています。
| 性別 | 平均往復通勤時間 | 平均片道通勤時間 |
|---|---|---|
| 男性 | 1時間24分 | 42分 |
| 女性 | 1時間11分 | 35.5分 |
参考:
令和3年社会生活基本調査 生活時間及び生活行動に関する結果丨総務省統計局
男性と女性では、1日あたりの通勤時間に13分も違いがありました。
男性の通勤時間は全国平均よりも長く、女性の通勤時間は平均より短くなっています。
正規雇用・非正規雇用の通勤時間
| 就職形態 | 平均往復通勤時間 | 平均片道通勤時間 |
|---|---|---|
| 正規雇用 | 1時間25分 | 42.5分 |
| 非正規雇用 | 1時間20分 | 40分 |
参考:
令和3年社会生活基本調査 生活時間及び生活行動に関する結果丨総務省統計局
正規雇用と非正規雇用では、通勤時間に大きな差はありませんでした。
ただし、非正規雇用の場合は家から通いやすい場所で働く傾向があり、正規雇用の場合は通いやすいように家を引っ越しする人が多い傾向にあります。
どちらの場合でも、家と勤務先の距離感を意識しているといえます。
通勤時間が長いメリット・デメリット
ここでは、通勤時間が長い場合のメリットとデメリットを見ていきましょう。
メリット
通勤時間が長い場合のメリットは以下のとおりです。
- 移動時間に読書や音楽を楽しめる
- 学習や自己啓発の時間として活用できる
- 移動中に家と仕事の切り替えができる
- 時事ニュースをチェックできる
移動時間が長いと、その時間を読書や音楽などに有効活用できます。近年、本を自動音読するアプリや聞くだけで英語学習ができるアプリも登場しており、手元が塞がっている通勤中も学習や自己啓発に取り組めます。
また、通勤時間が長い人は通勤中に最新の時事ニュースをチェックすることも可能です。自家用車で通勤している人はラジオを聞いたり、電車で通勤している人は車内テレビを見たりすることで最新情報を把握できるでしょう。
デメリット
一方で、長い通勤時間には以下のようなデメリットもあります。
- 自由な時間を確保しにくい
- 家を早めに出る必要がある
- 満員電車でストレスを受ける
- 体力的な負担が増える
通勤時間が短い人と比べて、早めに準備を済ませて家を出る必要もあります。
また、満員電車の場合、毎日の通勤で大きなストレスを感じやすくなります。着席できれば体力的な負担や精神的なストレスは軽減されますが、利用者が多い路線など席が空いていない場合、長時間混雑した空間で立っていなければいけません。
通勤時間が短いメリット・デメリット
ここでは、通勤時間が短いメリットとデメリットを見ていきましょう。
メリット
通勤時間が短い場合のメリットとして、以下が挙げられます。
- 仕事の前後に自由に使える時間が増える
- 仕事前の準備に余裕を持てる
- 通勤時のストレスを受けにくい
- 想定外の出来事にも柔軟に対応しやすい
通勤時間が短いと、空いた時間を自分の自由時間として活用できます。
趣味を楽しんだり家族や友人と団らんしたりできるため、プライベートの時間も大切にできる生活になるでしょう。また、通勤時間が短く勤務先と生活拠点が近いと、突然の出来事にも応じやすくなります。家族が体調を崩した場合や仕事でトラブルが起きた場合にもすぐ対応できるため、移動の手間を感じにくいでしょう。
デメリット
一方、通勤時間が短いと以下の点をデメリットとして感じるでしょう。
- 勤務先と家が近く勤務時間が長くなりやすい
- 職場の人間関係が濃くなりやすい
- 家と仕事の切り替えをしにくい
勤務先と家が近いと、勤務時間が長くなる場合があります。背景として、突然の事情で休日出勤をしたり、家が遠い同僚の代わりに業務をこなしたりするケースが考えられるためです。
また、終電や勤務時間を理由に職場の飲み会などを断りにくく、プライベートの時間を確保できないこともあるでしょう。家と仕事場が近いため、切り替えしにくい点もデメリットとして挙げられます。
通勤時間が苦にならない住まい選びのポイント
ここでは、通勤時間が苦にならない住まい選びのポイントを解説します。
- 始発駅やその付近の駅かどうか
- 優等列車の停車駅かどうか
- 必要な乗り換え回数が少ないかどうか
- 通勤路線が混雑していないか
始発駅やその付近の駅かどうか
路線の始発駅やその周辺の駅を利用すると、空いている座席が多く電車内で立っている時間が短くなります。
また、始発駅は混雑しにくい傾向にあり、毎日駅を利用する際のストレスも軽減できるでしょう。ただし、路線によっては勤務先の最寄り駅から始発駅までかなり時間がかかるケースもあるため、所要時間なども考慮して判断することが大切です。
優等列車の停車駅かどうか
優等列車とは快速電車や特急電車のことです。
普通電車よりも移動時間を短縮でき、余裕を持って通勤しやすくなります。ただし、優等列車の停車駅は混雑しやすく、その周辺は人気居住エリアとなる傾向があります。住まい選びの際には、駅の使いやすさや家賃相場を調べておきましょう。
必要な乗り換え回数が少ないかどうか
通勤時に考慮するべきポイントの1つが、乗り換えの回数です。特に、朝や夕方の通勤時間帯には乗り換え時の混雑が発生しやすく、その回数が多いとストレスを感じやすくなるでしょう。
住まい選びの際には、勤務先までの乗り換え回数を抑えられるエリアを選ぶことがポイントです。1回の乗り換えで移動できる路線を選べば、通勤がスムーズになります。
通勤路線が混雑していないか
通勤時には、利用する路線が混雑していないかチェックすることが大切です。利用者が多い路線は満員電車になりやすく、またトラブルなどが原因の遅延も発生しやすいといえます。
特に、首都圏は混雑する路線が多いため、その中でも快適に利用しやすい路線をチェックしておきましょう。
通勤時間に関するよくある質問
ここでは、通勤時間に関してよくある質問に回答します。
- 通勤時間に1時間半かかるのは許容範囲といえる?
- テレワークではどれくらい通勤時間が短くなる?
上記2つの質問を順に見ていきましょう。
通勤時間に1時間半かかるのは許容範囲といえる?
前述のとおり、平均的な片道の通勤時間は40分程度です。通勤時間が片道1時間半かかる場合、体力的・精神的な負担を感じやすいといえます。
読書や音楽などの趣味を楽しんだり、なるべく座席に座って体力的負担を軽減したりするなど、通勤時間を苦に感じないための工夫が必要です。通勤中にストレスを感じてしまう場合は、通勤時間を短縮できる場所への引っ越しを検討することをおすすめします。
テレワークではどれくらい通勤時間が短くなる?
前述のとおり、全国の平均通勤時間は1日あたり1時間19分です。
テレワークを導入すると仕事場が自宅になるため、平均的に通勤時間が1時間20分ほど短縮されます。仕事の前後で40分の時間が生まれ、不足している睡眠時間にあてたり家族と夕食の準備をしたりするなど、自由に活用できます。通勤時間が長い人はより多くの時間を自由に使えるため、よりプライベートを重視できるでしょう。
通勤時間の許容範囲を見極めるには住まい探しが重要
この記事では、平均的な通勤時間について解説しました。
日本人の平均的な通勤時間は往復で1時間19分であり、首都圏では平均より20分ほど長い結果になっています。
通勤時間が短い場合と長い場合のそれぞれにメリットとデメリットがあるため、どちらが自分に合っているか判断することが大切です。また、住まい選びをする際には通勤時間以外にも、乗り換えの回数や駅の使いやすさなどを考慮する必要があります。居住エリアを決める前に一度検討している地域を見学して、実際に確認することをおすすめします。
記事監修
小軽米 篤史
宅地建物取引士/日商簿記2級/ビジネス会計検定2級
中野営業センターのオープニングスタッフとして3年間、営業職として活躍。その後、経営企画部門、経理部門にて株式上場、企業M&A、決算業務、業績開示等に従事。
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