
買ってはいけない中古住宅の特徴は?土地・建物の見極め方も解説
公開日:2025年04月11日
この記事では、買ってはいけない中古住宅の特徴について解説します。
中古住宅の購入を検討している人の中には、価格やデザイン性を最も重視したい人も少なくありません。しかし、中古住宅を購入する際にはさまざまな要素を考慮する必要があり、中には購入の判断を見直した方が良い中古住宅もあります。
この記事では、土地と建物の観点に分けて、中古住宅の見極め方も解説します。中古住宅の購入を検討している人は、ぜひ参考にしてください。
【この記事でわかること】
- 【土地】買ってはいけない中古住宅の特徴
- 【建物】買ってはいけない中古住宅の特徴
- 買ってはいけない中古住宅の見極め方
【土地】買ってはいけない中古住宅の特徴
この記事では、土地の観点から購入を避けるべき中古住宅の特徴を解説します。
- 災害リスクが高い傾向にある
- 再建築不可の土地である
- 地盤が軟弱である
- 周辺の治安が著しく悪い
- 利便性が著しく悪い
- 周辺に空き家が多い傾向にある
- 境界線が明確ではない
- 崖や擁壁に隣接している
災害リスクが高い傾向にある
洪水や土砂災害、津波などの災害が起こった際に被害リスクが高い土地は、購入するかどうかを見直す必要があります。
災害発生時にせっかく買った家を失うおそれだけでなく、家族も危険に晒されるおそれがあります。自治体が提供しているハザードマップを確認して、物件の立地が安全か事前に調べておきましょう。
また、国土交通省のハザードマップポータルサイトからも確認可能です。再建築不可の土地である
再建築不可の土地とは法律上、新しく建物を建築できない土地のことです。将来的な建て替えや増改築が制限されるため、バリアフリー化や三世帯住宅化の際に工事を進められないおそれがあります。
土地を購入する前に、再建築の可否を確認しましょう。
地盤が軟弱である
地盤が軟弱な土地は、地震が発生した際に揺れが大きくなったり、家が沈下するリスクが高くなったりします。土地を購入する際には、地盤調査の結果を確認して地盤が強固であるかチェックしておきましょう。
調査の結果、地盤が弱い土地であった場合、地盤改良工事が必要です。改良工事の費用は工法によって異なりますが、最も高いもので150〜200万円程度かかるため、工事が必要ない土地を購入することがおすすめです。
周辺の治安が著しく悪い
周辺環境の治安が著しく悪い地域は、安心して生活できなくなるリスクがあるでしょう。
特に、小さな子どもがいる世帯や仕事で帰宅が遅い世帯は、公園などの遊び場や夜間の治安をチェックしておく必要があります。各都道府県の警察などが発表している犯罪発生情報を調査して、安全に生活できる環境か確認することが重要です。
利便性が著しく悪い
生活するうえでの利便性が低い土地は、長期間に渡って快適に暮らすことが難しいといえます。たとえば、駅やバス停からの徒歩分数が長い場所や、近隣にスーパーマーケットやコンビニエンスストアがない場所などが挙げられます。
その他、子どものいる世帯は学校が通いやすい場所にあるか、高齢の家族がいる世帯は夜間でも利用できる病院が近くにあるかなども確認しましょう。
周辺に空き家が多い傾向にある
周辺に空き家が多く見られる地域は、不動産価値が低下しているおそれがあります。将来的な資産価値が低くなったり、治安が悪化しやすくなったりするため、地域の状況や住民の年齢層などを確認しましょう。
賑いがあり、資産価値の上昇も見込めるエリアに住みたい人は、市町村のホームページで都市開発計画を確認し、今後開発が進められる予定の地域を選ぶことがおすすめです。
境界線が明確ではない
隣地との境界線が不明確な土地は、将来的な近隣トラブルの原因となることがあります。
土地を購入した後に境界線を越えて建物を建築してしまった場合、隣地の所有者に工事を停止されたり、裁判を起こされたりするおそれも考えられます。購入前に隣地の所有者や法務局に相談し、土地の境界線を明確にしておきましょう。
崖や擁壁に隣接している
崖や擁壁に隣り合っている土地は、土砂崩れや地すべりが発生した際に被害に合うリスクが高いといえます。特に、大雨が降ったときや地震が起きたときには危険性が高まるでしょう。どうしてもその土地にこだわる場合は、専門家にアドバイスを受けて家の建築や改修などを行いましょう。
【建物】買ってはいけない中古住宅の特徴
ここでは、建物の観点から購入を控えるべき中古住宅の特徴を見ていきましょう。
- 建築基準法を満たしていない
- 旧耐震基準の建物で耐震補強ができない
- 建物に亀裂や傾きが見受けられる
- 雨漏り・シロアリ被害の痕跡がある
建築基準法を満たしていない
現行の建築基準法を満たしていない住宅は安全性が低く、将来的な資産価値もかなり低下していると推測できます。また、そのような住宅を購入する際に住宅ローンを利用しようとしても、金融機関の審査に通らないことがあります。
なぜなら、金融機関は原則として建築基準法を遵守している建物に対してのみ融資を行うため、現行の基準を満たさない住宅では、マイホームの取得自体が困難になる可能性が高いでしょう。
旧耐震基準の建物で耐震補強ができない
1981年5月以前に建てられた建物は、現行の耐震基準を満たしていない場合があります。耐震補強を実施して現行の耐震基準を満たせば問題ありませんが、構造上の問題から補強できない住宅が少なくありません。
地震が発生した際の倒壊リスクが高いため、補強できない場合は購入を控えるべきといえます。
建物に亀裂や傾きが見受けられる
壁や基礎部分に亀裂があったり、建物が傾いていたりする場合、構造上の問題が発生していると考えられます。地盤の問題や建物の老朽化が原因の可能性があり、専門家による調査が必要な状態です。建て替えや改築が必要になる場合があり、費用負担が大きくなるでしょう。
雨漏り・シロアリ被害の痕跡がある
雨漏りやシロアリ被害の痕跡がある場合、建物の劣化が進んでいるおそれがあります。天井や壁のシミは雨漏りの痕跡であるケースがあり、構造の木材部分に穴や食害の跡があるとシロアリ被害の痕跡である場合があります。
購入前に修繕の必要性や費用負担を検討したうえで、購入を考えましょう。
買ってはいけない中古住宅の見極め方
ここでは、以下5点から購入を控えるべき中古住宅の見極め方を見ていきましょう。
- スケジュールに余裕をもたせる
- 自分でもある程度の知識を身に着けておく
- 事前にチェックリストを作成しておく
- ホームインスペクションを検討する
- 信頼できる施工会社を選ぶ
スケジュールに余裕をもたせる
物件を探し始めてから購入に至るまでには、相応の期間を要します。
中古住宅の場合、住みたいエリアの選定や住宅に求める条件の優先順位付け、内見や契約まで一般的に半年から1年程度の期間が見込まれます。新居に引っ越ししなければいけない時期が決まっている場合は、スケジュールに余裕を持って早めに家探しを始めましょう。
自分でもある程度の知識を身に着けておく
中古住宅を購入する際、住宅に関する基礎的な知識があると、判断しやすくなります。
たとえば、建物の構造や劣化のサイン、建築基準法のポイントなどを理解しておくと、快適に暮らせる家を選びやすくなるでしょう。また、気になる箇所やどうしても自分で分からない点があれば、不動産の担当者に気軽に相談してみましょう。
事前にチェックリストを作成しておく
物件を内見しに行く際には、事前にチェックリストを作っておくことがおすすめです。
中古住宅の内見時には、この記事で解説したような土地や建物に関するポイントをまとめたリストを作成し、購入を控えるべき物件を選ばないよう注意しましょう。
また、その他に自分や家族がこだわりたいポイントがあれば、優先順位の高いものからリスト化しておくと、生活しやすい家を選びやすくなります。ホームインスペクションを検討する
中古住宅を購入する前に、ホームインスペクションを依頼することがおすすめです。
ホームインスペクションとは専門家による住宅診断で、内部構造の問題や雨漏りなどのトラブルなど、目に見えない問題点や気付きにくいポイントを指摘してくれます。特に、築年数が経過している物件では、一度ホームインスペクションを検討することがおすすめです。
信頼できる施工会社を選ぶ
購入した中古住宅をリフォームしたり修繕したりする場合、信頼できる施工会社を選ぶことが重要です。
価格のみを重視して選んでしまうと、トラブルが起こった際のアフターサービスが悪かったり、思い通りの施工にならなかったりするなどのリスクがあります。
施工会社を選ぶ際には、過去の実績や利用者の口コミをチェックしてから依頼しましょう。買ってはいけない中古住宅に関するよくある質問
ここでは、購入を避けるべき中古住宅に関してよくある質問に回答します。
- 安すぎる中古住宅にはどんなリスクがある?
- 住宅ローンが組めない中古住宅があるって本当?
- 中古住宅における築年数の狙い目は?
安すぎる中古住宅にはどんなリスクがある?
価格が極端に安い中古住宅の中には、建物が老朽化して基礎部分や屋根、外壁などの腐食が進んでいるケースがあります。安心して生活できる環境とは言い難く、修繕や建て替えが必要になるでしょう。
また、現行の耐震基準を満たしていない住宅も、価格が極端に安い場合があります。旧耐震基準で建てられた家は地震に対する強度が低いため、倒壊のリスクが高く、建て替えや耐震補強が必要です。
住宅ローンが組めない中古住宅があるって本当?
中古住宅の中には、以下のとおり購入時に住宅ローンを利用できないものがあります。| 住宅ローンを利用できない住宅 | 理由 |
|---|---|
| 再建築不可の物件 | 将来的な資産価値が低く評価されるため |
| 耐震基準を満たしていない住宅 | 地震発生時の倒壊リスクが高いと見なされるため |
| 建築基準法を遵守していない住宅 | 資産価値が低く、債権を回収できる可能性が低いため |
購入する中古住宅でローンを利用できるか不安な場合は、一度金融機関の担当者に相談してみましょう。
中古住宅における築年数の狙い目は?
中古住宅では、一般的に築10〜20年程度の住宅が狙い目とされています。価格は新築時よりも抑えられていますが、基盤などの構造は安定しており、安心して生活できる住宅だといえます。
ただし、中古住宅を購入する際には、築年数だけでなく耐震性やメンテナンス状況も考慮しましょう。必要に応じて、インスペクションを依頼することがおすすめです。
買ってはいけない中古住宅で後悔・大失敗しないためには
この記事では、購入を避けるべき中古住宅の特徴を解説しました。
中古住宅の中には、将来的な資産価値が著しく低いだろうと推測される物件があります。また、築年数が古い家は基盤部分が腐食していたり耐震基準を満たしていなかったりすることがあり、生活するうえでのリスクが高い住宅だといえます。
購入時には築年数や価格ばかりを重視せず、家の状態やメンテナンス状況なども踏まえて判断しましょう。
記事監修
新井 友隆
宅地建物取引士/2級ファイナンシャル・プランニング技能士
東京・神奈川の複数センターでセンター長を歴任後、営業推進部長や埼玉・名古屋エリアの立ち上げにも寄与。2022年からは契約管理部門にて、オープンハウス全国の契約書作成や引き渡し業務を統括中。
- 2025年3月時点の内容です。














