
一戸建てと一軒家の違いは?集合住宅との違い・一戸建ての種類も紹介
公開日:2025年04月16日
この記事では一戸建てと一軒家の違いについて解説します。
結論からいうと一戸建てと一軒家にはほとんど違いはありません。ただ、「一戸建て」は、集合住宅ではなく1棟単独の住宅を指し、「一軒家」は近隣に他の住宅がなく独立した住宅のこと、として区別される場合もあります。
この記事では、一戸建てと一軒家の違いとともに、集合住宅との違いについても解説します。
住宅の購入を検討している人は是非参考にしてください。
【この記事でわかること】
- 一戸建てと一軒家にほとんど違いはない
- 一戸建て・一軒家の種類
- 一戸建てのメリット・デメリット
- 集合住宅のメリット・デメリット
一戸建てと一軒家にほとんど違いはない
以下で一戸建てと一軒家について解説します。
- 一戸建てと一軒家の違い
- 一戸建て・一軒家と集合住宅の違い
一戸建てと一軒家の違い
日常会話や不動産市場では、「一戸建て」と「一軒家」に明確な違いはなく、ほとんど同じ意味で使われるのが一般的です。しかし、一戸建てと一軒家を区別する場合もあり、その際は以下のように使いわけられます。| 一戸建て | 一軒家 |
|---|---|
| 集合住宅ではなく、1棟単独で建てられた住宅のこと。一般的には1つの世帯が住む住宅を指す。 | 周囲に他の家がなく、独立して建てられた住宅を指す言葉。 辞書的には「近隣にほかの住宅がない家」とされるが、実際には一戸建てと同じ意味で使われることが多い。 |
ただし、この区別は厳密なものではなく、多くの場合「一戸建て」と「一軒家」は同じ意味として扱われています。
一戸建て・一軒家と集合住宅の違い
「一戸建て・一軒家」と「集合住宅」は、住むための家という点では同じですが、建物のつくりや住み方に違いがあります。
一戸建て・一軒家は、1つの建物を1つの世帯が使う住宅です。他の家と壁や天井を共有せず、建物が独立しているのが特徴です。
また、敷地内に庭や駐車場を持てることも多く、周囲の環境に合わせて自由に家を使えます。
集合住宅は、1つの建物の中に複数の家(住戸)がある住宅です。マンションやアパート、長屋などが含まれます。同じ建物内に多くの人が住んでおり、玄関やエントランス、廊下、エレベーターなどを共用するのが特徴です。
また、一戸建て・一軒家では、家の管理をすべて自分で行うのに対し、集合住宅では、共用部分の管理を管理会社や住民同士の組合が行うことが一般的です。
このように、どちらの住宅にも特徴があり、暮らし方や管理の仕組みに違いがあります。
一戸建て・一軒家の種類
一戸建て・一軒家には、以下の3つの種類があります。それぞれに特徴があり、家を建てる際の自由度や価格、入居までのスケジュールが異なります。
- 注文住宅
- 規格住宅
- 建売分譲住宅
注文住宅
注文住宅は、建築主が間取りやデザイン、設備仕様などを自由に決められるオーダーメイドの住宅です。建築する土地を確保したうえで、設計や施工を住宅メーカーや工務店に依頼します。家族のライフスタイルや将来の計画に合わせた家づくりが実現できる点が大きな特徴です。
また、注文住宅では建築の過程を確認しながら進めることができ、施工の品質を把握しやすいメリットがあります。
ただし、設計や仕様の決定には時間がかかり、完成までの期間が長くなる傾向があります。また、自由度が高い分、コスト管理が非常に重要となるため、予算を明確にしながら進めることが大切です。
規格住宅
規格住宅は、住宅メーカーが用意した標準プランの中から選んで建てる住宅です。設計士が住みやすさを考慮して設計したプランが多数用意されており、その中から間取りやデザイン、設備などを選択して建築を進めます。
規格住宅は注文住宅に比べて設計の手間が省けるため、打ち合わせに時間をかけずに家を建てられるのが特徴です。
また、工場生産などによりコストが抑えられるため、比較的低価格で建築できる傾向にあります。
一方で、間取りやデザインの自由度は注文住宅ほど高くなく、個別の細かい要望に対応できない場合もあります。
建売分譲住宅
建売分譲住宅は、土地と建物がセットになった状態で販売される住宅です。すでに建築済みの住宅を購入するため、実際の建物を確認してから購入できるのが大きな特徴です。完成済みの物件であれば、契約後すぐに入居できるため、早く新居に住みたい人に適した選択肢です。
また、建売住宅は価格が明確で、資金計画が立てやすい点もメリットです。しかし、間取りやデザイン、設備を自由に選ぶことができないため、個別の要望に対応することは難しくなります。
住宅メーカーによって仕様や性能に違いがあるため、購入前に住宅の構造や設備をしっかり確認することが重要です。
一戸建てのメリット・デメリット
一戸建ては、独立した建物に一世帯が住む住宅のことを指します。周囲の住戸と壁や天井を共有しないため、プライバシーを確保しやすく、自由度が高いのが特徴です。
しかし、その一方で、維持管理やコスト面などの注意点もあります。
以下で一戸建てのメリット・デメリットを解説します。
- 一戸建てのメリット
- 一戸建てのデメリット
一戸建てのメリット
一戸建て住宅のメリットは、自由度の高さです。マンションのような管理規約がないため、ペットの飼育、庭の利用、リフォームや増築などを制限なく行うことができます。また、周囲の騒音を気にせずに生活できるのも大きなメリットです。
集合住宅では隣接する部屋からの騒音や、生活音に気を使う場面が多いですが、一戸建てならその心配が少なく、快適な生活空間を確保しやすいです。
さらに、駐車場を確保しやすいのも特徴です。敷地内に駐車スペースを設けることができるため、マンションのように毎月の駐車場代を支払う必要がなく、車を持つ家庭には経済的なメリットもあります。
一戸建てのデメリット
一戸建て住宅のデメリットとして、維持管理の負担が大きいことが挙げられます。マンションのように管理会社が修繕を行ってくれるわけではなく、屋根や外壁のメンテナンス、庭の手入れなどをすべて自分で行う必要があります。定期的なメンテナンスを怠ると、修繕費用が高額になる可能性もあります。
また、防犯対策が必要という点もデメリットです。マンションにはオートロックや防犯カメラが設置されていることが多いですが、一戸建てでは自分でセキュリティ対策を講じる必要があります。
特に、人通りが少ないエリアでは、防犯対策を怠ると空き巣のリスクが高まる可能性があります。
さらに、光熱費が高くなりやすいという点も考慮すべき点です。集合住宅では断熱性能が高く、隣戸の熱を利用できる場合がありますが、一戸建ては外気の影響を受けやすく、冷暖房のコストがかかることがあります。
集合住宅のメリット・デメリット
集合住宅とは、複数の世帯が同じ建物内に住む住宅のことを指します。
マンションやアパートが代表的な例で、共用設備が整っていることが多く、利便性やセキュリティ面で高い、などの特徴がある一方で、プライバシーの制限などの注意点もあります。
以下で集合住宅のメリット・デメリットを解説します。
- 集合住宅のメリット
- 集合住宅のデメリット
集合住宅のメリット
集合住宅のメリットは、管理が行き届いていることです。共用部分の清掃や建物のメンテナンスは管理会社が行うため、自分で維持管理をする手間が少なく、特に忙しい人や高齢者にとっては住みやすい環境が整っています。
また、防犯性が高いのも魅力です。オートロックや監視カメラ、管理人が常駐している物件も多く、一戸建てに比べて不審者が侵入しにくい環境が整っているため、セキュリティを重視する人に向いています。
さらに、光熱費が抑えられるというメリットもあります。隣の住戸と壁を共有することで、外気の影響を受けにくく、冷暖房の効率が良いため、一戸建てに比べて光熱費を節約できるケースが多いです。
集合住宅のデメリット
集合住宅のデメリットとして、生活音の問題が挙げられます。壁や天井を通じて上下左右の部屋の音が伝わりやすく、特に子どもがいる家庭や、楽器を演奏する人にとっては不便に感じられることがあるかもしれません。また、逆に自分の生活音が隣人に迷惑をかける可能性もあるため、騒音対策に気を使う必要があります。
また、管理規約があるため自由にリフォームできないこともデメリットです。ペットの飼育やDIY、バルコニーの使用制限など、マンションごとに規則が定められており、自由度は一戸建てに比べて低くなります。
さらに、駐車場の確保が難しい場合があるのもデメリットの一つです。敷地内に駐車場があるとは限らず、別途契約する必要があることもあり、人気エリアでは駐車場料金が高くなることもあります。
一戸建て・一軒家と集合住宅の違いを理解して理想の住宅購入を実現しよう
一方、集合住宅(マンション・アパート)は、複数の世帯が同じ建物内に住み、共用部分を持つ住宅です。
防犯性や管理の手間を軽減できるメリットがある一方で、生活音の問題や管理規約による制約があります。
住宅を選ぶ際は、プライバシーの確保や自由度を重視するなら一戸建て・一軒家、防犯性や利便性を優先するなら集合住宅といった視点で検討するとよいでしょう。
自分や家族のライフスタイルに合った住まいを選び、快適な暮らしを実現しましょう。
記事監修
加藤 健吾
宅地建物取引士/公認不動産コンサルティングマスター
首都圏10センター以上でのセンター長の他、マーケティング長・総務部長としての経歴も有する。複雑な不動産の資産価値に関し、幅広い知識と経験をもとにアドバイスを提供。
- 2025年3月時点の内容です。














