建売住宅でも地鎮祭は必要？必要かどうかの判断基準・地鎮祭以外の儀式も解説

建売住宅では、一般的に地鎮祭が行われることはほとんどありません。

地鎮祭は、工事が始まる前にその土地を清め、工事の安全と建物の無事を祈る儀式です。しかし、建売住宅はすでに完成した状態で販売されることが多いため、購入者が地鎮祭を行う機会はありません。

また、地鎮祭は注文住宅の場合、施主（建築主）が主導して行うケースが多いですが、建売住宅では施工会社が建築前に地鎮祭を実施している場合と、そもそも地鎮祭を行わずに工事を進める場合があります。

ただし、分譲地全体を開発する際に、施工会社が一括で地鎮祭を行うケースもあります。こうした場合、土地全体の安全祈願がすでに済んでいるため、個別の住宅ごとに改めて地鎮祭を行う必要はありません。

そのため、建売住宅の購入者が気になる場合は、施工会社に地鎮祭の実施有無を確認してみるとよいでしょう。

また、地鎮祭を行えないからといって、不安を感じる必要はありません。日本には、家を建てたり入居したりする際に行われる儀式がいくつかあります。

たとえば、入居前に簡単な「お清め」を行うことで、土地や建物を清めることができます。こうした代替儀式についても、後述で詳しく紹介します。

まず、以下でそもそも地鎮祭とはなにかを解説します。

• 地鎮祭の流れ
• 地鎮祭にかかる費用

地鎮祭の流れ

地鎮祭は、一般的に神職（神主）が主導して執り行う神道の儀式で、一定の流れがあります。以下は、標準的な地鎮祭の流れです。

地鎮祭にかかる費用

地鎮祭を行う際には、いくつかの費用がかかります。一般的な費用の目安は以下のとおりです。

また、施工会社が地鎮祭を行う場合、その費用は工事費に含まれることもあります。しかし、施工会社によってはコスト削減のために地鎮祭を行わないケースも増えています。

そのため、建売住宅の購入者が追加で祭礼を行おうとすると、個別に神社へ依頼しなければなりません。

ただし、先述の通り、建売住宅はすでに完成しているため、地鎮祭を行うタイミングがないことがほとんどです。

その代わりに、入居前に簡単な「お清め」や「竣工祭」を行うことで、気持ちを落ち着けることができます。これらの代替儀式については、後述します。

地鎮祭は、工事が始まる前に土地を清め、安全を祈願するための儀式ですが、建売住宅では施工が完了しているため、購入者が関与することはほとんどできません。

祭礼を行うべきかどうかは、個人の考え方や状況によって異なるため、以下で具体的な判断基準を解説します。

• 祭礼を行ったほうがよいケース
• 祭礼を行わなくてもよいケース

祭礼を行ったほうがよいケース

地鎮祭は行えませんが、竣工祭やお清めを行うことで新居の安全や家族の健康を願うことができます。以下のような場合には、何らかの祭礼を検討するとよいでしょう。

• 新居での生活を清々しい気持ちで始めたい場合
• 家族や親族の意向で何らかの儀式が必要な場合
• 地域の風習として入居前に儀式を行う習慣がある場合
• 心理的な不安を解消したい場合

竣工祭（新宅祭）は、神主を招いて新居を清め、家内安全を祈願する儀式で、建売住宅でも実施可能です。神社に依頼する場合、初穂料として2万円〜5万円程度かかるのが一般的です。

お清めは、塩や酒を玄関や家の四隅にまいて土地や建物を清める方法で、自分たちで手軽に行えます。

祭礼を行わなくてもよいケース

地鎮祭の代わりに竣工祭やお清めを行うことは可能ですが、必ずしも必要ではありません。

以下のようなケースでは、特に儀式を行わなくても問題はないでしょう。

• 施工会社がすでに地鎮祭や竣工祭を行っている場合
• 特に信仰や儀式にこだわりがない場合
• 追加の費用や手間をかけたくない場合

建売住宅は、すでに工事が完了しており、安全基準に基づいて建てられています。そのため、特別な儀式を行わなくても新居の安全性に問題はありません。

以下では、建売住宅でも行える地鎮祭以外の儀式について解説します。

• お清め
• 竣工祭

お清め

塩や酒を使って新居を清めることで、土地や家に宿る穢れを払い、安心して新生活を迎えることができます。

以下が具体的なお清めの方法です。

• 玄関や家の四隅に塩をまく（粗塩を使用するのが一般的）
• 日本酒を少量まいて清める
• 線香を焚いて場を清める
• 簡単に掃除をして「気」を整える

上記のお清めには、特に決まった形式はなく、気持ちを込めて行うことが大切です。

家族全員で新居に感謝の気持ちを込めて行うことで、より良い住環境を作ることができます。

竣工祭

竣工祭（新宅祭）は、建物が完成した後に行う神道の儀式で、家の安全と家族の繁栄を祈願するものです。地鎮祭の代わりに行うケースもあり、建売住宅でも実施することができます。

竣工祭の流れは以下のとおりです。

• 神主が祝詞（のりと）を奏上し、新居を清める
• 家の四隅を祓い、穢れを取り除く
• 玉串拝礼（たまぐしはいれい）を行い、家内安全を祈る
• 神様に感謝し、お供え物を下げる
竣工祭を行う場合は、地元の神社に依頼するのが一般的で、初穂料として2万円〜5万円程度が必要になります。

お清めに比べると正式な儀式となり、費用がかかりますが、神主にお願いすることで、より丁寧に家を清め、安心して新生活を迎えることができます。

建売住宅では、基本的に地鎮祭を行うことはありません。しかし、新居での生活を安心して迎えたい場合は、竣工祭（新宅祭）やお清めなどの代替儀式を検討することができます。

祭礼を行うかどうかは、個人の考え方や状況次第です。

心理的な安心を得たい場合や、地域の風習に従いたい場合には、竣工祭を神社に依頼したり、自分たちでお清めを実施するとよいでしょう。

一方で、施工会社がすでに地鎮祭を行っている場合や、儀式にこだわりがない場合は、特に何もしなくても問題はありません。

• 2025年3月時点の内容です。