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持ち家の維持費は年間いくら?戸建て・マンションの維持費をシミュレーション

公開日:2025年04月16日

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この記事では持ち家の維持費は年間いくらかかるのかを解説します。

結論からいうと、持ち家の維持費は年間で約40万〜80万円が一般的です。ただし、この金額は住宅の種類や築年数、居住地域によって変動します。戸建てとマンションでは維持費の内訳が異なり、それぞれ特有の費用が発生するため、事前に把握しておくことで適切な資金計画を立てられます。

この記事では、戸建てとマンションの維持費のシミュレーションを行い、内訳を詳しく解説します。また、維持費を安く抑える方法についても紹介します。これから住宅を購入する人や、現在の住まいの維持費が気になっている人はぜひ参考にしてください。


【この記事でわかること】

  • 持ち家の維持費は年間40万円〜80万円
  • 【戸建て・マンションを比較】持ち家の維持費を一覧で紹介
  • 【戸建て・マンション】持ち家の維持費をシミュレーション
  • 持ち家の維持費を安く抑える方法
  • 持ち家と賃貸はどちらがお得?

持ち家の維持費は年間40万円〜80万円

持ち家を維持するためには、さまざまな費用がかかります。一般的に、年間40万〜80万円程度が相場とされていますが、住んでいる地域や住宅の種類、築年数によっても異なります。

特に、一戸建てとマンションでは維持費の内訳が異なります。一戸建ては修繕費や自治会費がかかる一方、マンションは管理費や修繕積立金が必要になるため、どちらの住宅を選ぶかで年間維持費の負担の仕方が変わります。

また、維持費は一度に支払うものではなく、定期的に発生するため、計画的に管理することが重要です。

以下で、持ち家の維持費の具体的な内訳について詳しく解説します。

持ち家の維持費内訳

持ち家の維持費の内訳は主に以下の4つに分けられます。

  • 固定資産税・都市計画税
  • 火災保険料・地震保険料
  • 修繕費・リフォーム費
  • 管理費・自治会費

持ち家には、毎年支払う必要がある税金や保険料に加え、住宅の老朽化に伴う修繕費やリフォーム費がかかります。

特に、大規模なリフォームや設備交換はまとまった費用が必要になるため、計画的な積み立てが必要です。

また、マンションでは管理費や修繕積立金が必要になり、一戸建てでも地域によって自治会費やゴミ処理費などの維持費が発生する場合があります。

【戸建て・マンションを比較】持ち家の維持費を一覧で紹介

戸建てとマンションでは、税金や保険料、修繕費、管理費などの内訳や負担額が変わります。

以下で、持ち家の維持費を紹介します。

  • 固定資産税・都市計画税
  • 火災保険料・地震保険料
  • 修繕費・リフォーム費
  • 管理費・自治会費・駐車場代

固定資産税・都市計画税

固定資産税は、土地や建物の所有者が毎年支払う税金で、自治体が設定する固定資産税評価額をもとに計算されます。

一般的な税率は1.4%ですが、評価額や減税措置によって実際の負担額は異なります。

都市計画税は、市街化区域内の物件に課せられる税金で、最大0.3%の税率が適用されます。これは、都市のインフラ整備や公共サービスの提供を目的とした税金であり、すべての持ち家に課されるわけではありません。

また、マンションと戸建てでは、固定資産税の負担額が変わる点に注意が必要です。

マンションは共用部分の評価額が個々の住戸に按分されるため、一戸建てより高額になるケースもあります。

戸建ては土地の広さによって税額が変わるため、敷地面積が広いと負担が増える可能性があります。

火災保険料・地震保険料

火災保険は、建物や家財を火災や自然災害から守るための保険です。住宅ローンを利用する場合は加入が義務付けられることが一般的です。補償内容によって保険料は異なりますが、年間2〜3万円程度が目安とされています。

地震保険は、地震による住宅の損害を補償するための任意加入の保険で、地域によって保険料が異なります。耐震性能の高い建物ほど保険料は低くなりますが、年間1〜2万円程度の負担が発生するケースが多いです。

マンションは耐火性や耐震性が高いため、戸建てより火災・地震保険料が安くなる傾向があります。一方で、木造戸建て住宅は火災や地震によるリスクが高いため、保険料が高くなるケースもあります。

修繕費・リフォーム費

持ち家を維持するためには、定期的な修繕やリフォームが必要になります。

築年数が経過するごとに劣化が進み、屋根や外壁のメンテナンス、設備の交換などが必要になるため、計画的な貯蓄が重要です。

以下は戸建ての修繕費・リフォーム費の相場目安です。

修繕項目必要時期費用目安
屋根外壁の塗装10年〜15年ごと80万円〜120万円
水回り15年〜20年ごと100万円〜200万円
給湯器の交換10年〜15年ごと15万円〜30万円
床・壁紙の張替え10年〜20年ごと50万円〜100万円

戸建ては自分で修繕費を積み立て、必要な時期に適切なメンテナンスを実施する必要があります。

対して、マンションでは、建物全体のメンテナンスのために修繕積立金を毎月支払います。一般的な金額は月額1〜1.5万円(年間12〜18万円)が目安で、築年数が経過すると増額されることもあります。

戸建ては計画的な貯蓄が必要なのに対し、マンションは定額で負担する仕組みが整っている点が大きな違いです。

管理費・自治会費・駐車場代

マンションには、共用部分の維持管理を目的とした管理費が毎月発生します。

一方、戸建てにはマンションのような管理費や修繕積立金はありませんが、地域によっては自治会費や共用設備の維持費が発生することがあります。

以下は管理費・自治会費の相場目安です。

項目戸建てマンション
管理費なし月額1~2万円(年間12~24万円)
自治会費月額500円〜2,000円(年間6,000円~2万4,000円程度)なし

上記の自治会費の額は地域によって異なり、ゴミ処理や防犯活動、地域行事の運営費として活用されます。

マンションの管理費は、エレベーターの点検、共用廊下やエントランスの清掃、防犯対策などに充てられ、長期的な建物の維持に役立つ費用です。

さらに、マンションで駐車場を利用する場合は、修繕費積立金や管理費とは別に駐車場代がかかる場合もあります。

【戸建て・マンション】持ち家の維持費をシミュレーション

持ち家の維持費は、戸建てとマンションで大きく異なります。マンションは管理費や修繕積立金が発生する一方で、戸建ては維持管理をすべて自己負担する必要があるため、どちらが総コストを抑えられるかはケースによって変わります。

ここでは、首都圏の平均的な物件を想定し、それぞれの維持費をシミュレーションしていきます。

  • マンションの維持費をシミュレーション
  • 戸建ての維持費をシミュレーション

マンションの維持費をシミュレーション

シミュレーションの条件は以下のとおりです。

物件価格4,500万円(専有面積70㎡)
築年数10年
立地東京23区内

上記のシミュレーション条件での年間維持費の目安は以下のとおりです。

項目1〜10年11〜20年21〜30年31〜40年
固定資産税・都市計画税約10万円約10万円約10万円約10万円
火災保険・地震保険約3万円約3万円約3万円約3万円
管理費約13万円約14.2万円約15.4万円約16.6万円
修繕積立金約13.5万円約17.1万円約20.7万円約24.3万円
駐車場代(必要に応じて加算)約18万円約18万円約18万円約18万円
合計約57.5万円約62.3万円約67.1万円約71.9万円
上記のシミュレーションの結果、40年間の維持費総額は約2,500万円〜2,700万円になることがわかります。

マンションの維持費は、築年数が経過するにつれて管理費や修繕積立金が上昇する傾向があります。

特に修繕積立金は、建物の劣化や大規模修繕の必要性に応じて段階的に増額されるため、購入時だけでなく将来的な負担も考慮した資金計画が必要です。

戸建ての維持費をシミュレーション

シミュレーションの条件は以下のとおりです。

物件価格4,500万円(専有面積70㎡)
築年数10年
立地東京23区内

上記のシミュレーション条件での年間維持費の目安は以下のとおりです。

項目1〜10年11〜20年21〜30年31〜40年
固定資産税・都市計画税約10万円約10万円約10万円約10万円
火災保険・地震保険約3万円約3万円約3万円約3万円
修繕費(積立)約20万円約25万円約30万円約35万円
自治会費約1万円約1万円約1万円約1万円
駐車場代0円(敷地内に駐車可)0円0円0円
合計約57.5万円約62.3万円約67.1万円約71.9万円
上記のシミュレーションの結果、40年間の維持費総額は約1,600万円〜1,800万円になることがわかります。

戸建ての維持費は、マンションと異なり管理費や修繕積立金が不要なため、月々の固定費は抑えられる傾向にあります。

しかし、修繕費はすべて自己負担となるため、築年数が経過するごとにメンテナンス費用が増加する点には注意が必要です。

持ち家の維持費を安く抑える方法

持ち家の維持費は、適切な対策を講じることで大幅に抑えることが可能です。ここでは、維持費を抑えるための具体的な方法を紹介します。

  • 固定資産税の軽減措置を活用する
  • 火災保険・地震保険を比較検討する
  • 定期的なメンテナンスを実施する
  • 簡単な修繕は自分で行う
  • アフターフォローが充実した業者を選ぶ

順番に解説します。

固定資産税の軽減措置を活用する

固定資産税には、一定の条件を満たすと軽減される制度があります。特に、新築住宅や一定のリフォームを行った住宅は税負担を減らせる可能性が高いため、事前に確認しておくことが重要です。

固定資産税には、一定の条件を満たすことで税額を軽減できる以下の措置が用意されています。

  • 新築住宅の軽減措置を利用すると、建物部分の固定資産税が一定期間1/2に軽減される。
  • 小規模住宅用地の特例を活用すると、200㎡以下の住宅用地の固定資産税評価額が1/6に減額される。
  • 耐震・省エネ・バリアフリー改修による減税を活用すると、一定のリフォームを行った場合に固定資産税が減額される。

適用される制度は自治体によって異なるため、家を購入・リフォームする際には、市役所や税務署で最新の情報を確認しましょう。

火災保険・地震保険を比較検討する

火災保険や地震保険は、補償内容や契約条件によって保険料が大きく変わります。無駄な補償を削減し、最適なプランを選ぶことで、年間数万円の節約につながることもあります。

具体的には、以下の方法で保険料を抑えられるケースがあります。

  • 一括見積もりサイトを活用し、複数の保険会社のプランを比較する。
  • 補償範囲を見直し、必要以上に手厚い補償を削減する。
  • 長期契約を活用し、契約年数が長いほど割引を受けられるプランを選ぶ。

マンションは耐火性が高いため、火災保険の保険料が戸建てよりも低い傾向があります。

地震保険は地域によって差があるため、自分が住むエリアのリスクを考慮して選ぶことが大切です。

定期的なメンテナンスを実施する

住宅は時間とともに劣化しますが、定期的な点検やメンテナンスを行うことで、将来的な修繕費を抑えられます。

特に、外壁や屋根は定期的にチェックし、早期に補修することで大規模な修繕を回避できます。

水回りの配管や給湯器も、劣化が進む前に交換することで、急なトラブルを防ぐことが可能です。

また、シロアリ対策を5〜10年ごとに行うことで、住宅の基礎部分への被害を防ぎ、修繕コストの増加を抑えられます。

築年数が経過するほどメンテナンスの必要性は高まるため、特に外壁や屋根の劣化には注意し、雨漏りや断熱性能の低下を防ぐためにも適切なタイミングで修繕を行うことが重要です。

簡単な修繕は自分で行う

住宅の修繕をすべて専門業者に依頼すると、コストがかさみやすくなります。

壁紙の貼り替えや床の補修は、DIYで対応することで、余計な支出を防げます。水回りでは、蛇口の交換や排水の詰まり解消など、基本的な修理を自分で行うことで、小規模なトラブルの度に業者へ依頼する必要がなくなります。

また、外壁の小さなひび割れや塗装の剥がれを早めに補修することで、大規模な修繕を先延ばしにすることも可能です。

ただし、電気工事や大規模なリフォームは専門知識が必要なため、安全面を考慮し、無理をせずに専門業者に依頼することが大切です。

アフターフォローが充実した業者を選ぶ

家を建てる際やリフォームを行う際には、アフターフォローが充実している業者を選ぶことが、将来的な維持費の削減につながります。

長期保証がある住宅メーカーを選べば、初期の修繕費を抑えられます。そして、定期点検を実施してくれる業者を選ぶことで、住宅の劣化を早期に発見し、必要最小限の補修で済ませることが可能になります。

さらに、リフォームや修繕に関する割引制度を提供している業者を活用することで、定期的な工事のコストも抑えられます。

特に大手のハウスメーカーでは、10年以上の保証が付帯されている場合も多く、屋根や外壁の修繕費を削減できる可能性があるため、契約前に保証内容をしっかり確認することが重要です。

持ち家の維持費を把握して賢く資金計画を立てよう

持ち家の維持費は、固定資産税や保険料、修繕費などさまざまな費用が定期的に発生するため、事前に把握し計画的に準備する必要があります。

戸建てとマンションでは維持費の内訳が異なり、それぞれ特有の費用がかかるため、購入前にしっかりと比較検討しましょう。

また、維持費を抑えるためには、固定資産税の軽減措置を活用したり、保険の見直しを行ったりすることが効果的です。

定期的なメンテナンスを実施し、修繕費を計画的に積み立てることで、将来的な大規模な修繕費用の負担を軽減できます。

無理のない資金計画を立て、賢く持ち家を維持していきましょう。

記事監修

加藤 健吾

宅地建物取引士/公認不動産コンサルティングマスター

首都圏10センター以上でのセンター長の他、マーケティング長・総務部長としての経歴も有する。複雑な不動産の資産価値に関し、幅広い知識と経験をもとにアドバイスを提供。

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