
建売住宅の見学・購入・引き渡し前に必ず確認しよう!チェックポイント16選
公開日:2025年04月16日
この記事では、建売住宅の購入や引き渡しの前に確認するべきポイントを解説します。
建売住宅は、既に完成している、もしくは完成予定の住宅を土地と合わせて購入する住宅です。注文住宅と比べて入居までの期間や費用を抑えやすいという特徴がありますが、購入前にチェックしておくべきポイントがあります。
この記事では、建売住宅を購入する前に確認しておくべき16のポイントを、物件とそれ以外に分けて解説します。建売住宅の購入を検討している人は、ぜひこの記事を参考にしてください。
【この記事でわかること】
- 物件の9つのチェックポイント
- 物件以外の7つのチェックポイント
- 建売住宅のチェックポイントに関するよくある質問
建売住宅の購入前に確認しよう「物件の9つのチェックポイント」
ここでは、建売住宅の購入前に確認したい物件のポイントを見ていきましょう。
- 施工の仕上がりに問題はないか
- 間取りや生活動線がスムーズか
- 収納スペースは十分に確保されているか
- コンセントの配置と数は適切か
- 水回りの設備に不具合はないか
- 電気設備の配置や機能性は十分か
- 窓やドアの開閉に問題はないか
- 日当たりや風通しは快適か
- 駐車場や庭の使い勝手は良いか
上記9点から解説します。
①施工の仕上がりに問題はないか
内覧のタイミングで、施工の仕上がりに問題がないか確認しましょう。壁や床に傷・汚れがないかなど、細かなポイントまでチェックすることが大切です。目視では確認できない内部構造に不安を感じる場合は、住宅診断(ホームインスペクション)の結果を聞いたり、外部の専門家に診断を依頼したりすることが方法として挙げられます。
②間取りや生活動線がスムーズか
家族のライフスタイルに合った間取りであるか確認しましょう。キッチンからダイニング、リビングへの距離や、洗面所からランドリールームへの移動のしやすさなど、家事動線を中心に確認することがおすすめです。確認する際には、実際の生活を具体的にイメージすると、より生活しやすい家を見つけられます。
③収納スペースは十分に確保されているか
内覧の際には、各間取りに十分な収納スペースが備わっているかチェックすることが重要です。十分な収納がないと、部屋にモノが溢れて乱雑な空間になってしまいます。スペースの大きさだけでなく設置場所も確認し、日常的に使用するモノや季節用品を整理整頓できるか判断しましょう。
④コンセントの配置と数は適切か
リビングやキッチン、個人の居室などでは、多くの電化製品を使用します。十分な数のコンセントが使いやすい位置に配置されているか、チェックしておきましょう。コンセントは入居後に増設することもできますが、工事やそれに伴う費用が必要になるため、十分なコンセントが備わった家を選ぶことがおすすめです。
⑤水回りの設備に不具合はないか
キッチンや浴室、トイレや洗面所などの水回り設備は、普段の生活で頻繁に使用します。使い勝手が良いか、可能であれば実際に水を出すなどして確認することがおすすめです。
また、水回りの設備は老朽化しやすい箇所であるため、設備交換の頻度や費用も合わせてチェックしておきましょう。⑥電気設備の配置や機能性は十分か
照明の数やスイッチの場所など、電気設備の配置や機能性も重要なチェックポイントの1つです。
特に、夜間の街灯が少ないエリアに居住する場合や帰宅時間が遅い生活になる場合は、屋内だけでなく外構の照明が十分かチェックしておきましょう。玄関や門に照明があれば、夜も安心して帰宅できます。⑦窓やドアの開閉に問題はないか
窓やドアがスムーズに開閉できるか確認しましょう。窓やドアが適切に閉まらないと、風が入り込んで断熱性が下がるだけでなく、防犯性にも不安が生じます。
隙間なくしっかりと閉まるか、実際に触ってチェックすることが大切です。⑧日当たりや風通しは快適か
日中に十分な日差しが室内に入り込む家は、湿気が少なく過ごしやすい家になります。また、風通しが良ければ、外の風を取り入れて必要な換気をしやすくなります。
住心地に大きく影響する要素であるため、窓の位置と大きさ、家の向きなどから日当たりと風通しが良好かチェックしましょう。 ⑨駐車場や庭の使い勝手は良いか
十分な広さがある駐車場なら、車を買い足したときも出し入れしやすいだけでなく、道と家の間にスペースを作ってプライバシーを確保しやすくなります。また、外構部分の形状も合わせて確認し、使い勝手が良いか判断しましょう。
日常生活での利便性を考慮することがポイントです。建売住宅の購入前に確認しよう「物件以外の7つのチェックポイント」
ここでは、物件以外にチェックするべきポイントを以下7点から解説します。
- 周辺に生活施設は揃っているか
- 災害リスクは許容範囲か
- 将来的な開発や規制に問題はないか
- 騒音や治安に不安はないか
- 家の価格は相場と比べて適正か
- 販売会社の実績や評判は問題ないか
- 保証やアフターサポートは十分か
1つずつ見ていきましょう。
①周辺に生活施設は揃っているか
周辺を散策して、近隣に必要な施設が揃っているか確認しましょう。スーパーマーケットやコンビニエンスストアをはじめ、子育て世代であれば、保育園や公園、学校などが近くにあるかチェックしておくことがおすすめです。高齢の人や持病がある人が生活する予定なら、夜間も対応してくれる病院が周辺にあるかチェックしておくと安心でしょう。
②災害リスクは許容範囲か
新居での生活で家族の安全を守るために、居住エリアの災害リスクは必ず確認しておきましょう。万が一、災害リスクが非常に高いエリアを選択した場合、災害時の安全を確保できないだけでなく、金融機関が住宅ローンを融資してくれないおそれがあります。自治体や国土交通省などが公開しているハザードマップを活用して、洪水や地震、土砂災害などのリスクを事前に把握しておきましょう。③将来的な開発や規制に問題はないか
購入予定の物件周辺で、今後大規模な開発計画や規制が予定されていないか確認しましょう。ショッピングモールの開業などが計画されている場合、将来的な資産価値が高まることは期待できますが、交通量が多くなり生活を不便に感じることがあります。自治体のホームページなどを確認して、開発計画がないかチェックしましょう。
④騒音や治安に不安はないか
近くに幹線道路や線路がある場合、騒音が気になることがあります。また、犯罪件数が多いエリアの場合、夜間に帰宅する際や子どもを外で遊ばせる際に不安を感じやすいでしょう。
可能であれば、昼夜と平日・休日など、異なる時間帯に周辺地域を訪れて騒音や治安をチェックすることがおすすめです。また、都道府県警察が公開している犯罪発生マップなどを活用することも方法として挙げられます。⑤家の価格は相場と比べて適正か
将来的な資産価値を考慮するために、物件価格がエリア相場と比較して適正であるか確認しましょう。周辺地域の物件価格は、国土交通省の不動産情報ライブラリでチェックできます。周辺の物件相場と検討している物件の価格が乖離している場合は、その理由を聞いたうえで購入を判断しましょう。
⑥販売会社の実績や評判は問題ないか
インターネットなどを活用して、物件を提供している販売会社の実績や評判をチェックしましょう。
過去の施工実績や顧客からの評価、トラブルの有無などを調べることで、信頼できる会社であるかを判断できます。購入後のトラブル防止にも繋がり、安心して家を購入できます。⑦保証やアフターサポートは十分か
住宅は長期的に渡って使用するため、購入後の保証内容やアフターサポートが充実しているか確認することが大切です。通常、販売会社には建物の基礎的構造部分に対する10年間の保証が義務付けられていますが、それ以外の保証が提供されていれば10年を超えても快適に使用できるでしょう。また、無料の点検や割引価格でのメンテナンスなど、アフターサポートが豊富に用意されているかも、購入前に確認しておきたいポイントです。
建売住宅のチェックポイントに関するよくある質問
ここでは、建売住宅のチェックポイントに関してよくある以下5つの質問に回答します。
- 内覧会の持ち物は何が必要?
- どの時間帯に内覧するのがベスト?
- 内覧会の所要時間はどのくらい?
- 施工不良を見つけたらどうすればいい?
- 標準仕様とオプションの違いは何?
質問とその答えを順に見ていきましょう。
内覧会の持ち物は何が必要?
内覧会におすすめな持ち物は以下の通りです。
| 持ち物 | 用途 |
|---|---|
| 筆記用具・メモ帳 | 気になる箇所や質問事項を記録するため |
| 間取り図 | 実際の部屋の配置や広さを確認するため |
| メジャー | 部屋の広さや扉の高さを測るため |
| 懐中電灯 | 床下や天井裏などの暗い場所を確認するため |
| 方位磁石 | 家や部屋の向きを確認するため、 |
| カメラ(カメラ付きの携帯電話) | 写真を記録して確認しながら検討するため、 |
どの時間帯に内覧するのがベスト?
内覧は、できるだけ明るい時間帯に行うことが理想的です。9〜13時頃など、午前中から午後の早い時間帯であれば、自然光の下で部屋の明るさや日当たりを確認できます。ただし、1日を通した日当たりや周辺環境の治安を確認したい場合には、日程や時間帯を変えて複数回内覧することがおすすめです。
内覧会の所要時間はどのくらい?
内覧会の所要時間は物件の規模によって異なりますが、一般的には1〜2時間程度が目安とされています。ただし、詳細までしっかりと確認する場合には、3時間ほどを要することもあるでしょう。余裕のあるスケジュールを立てておくと安心です。
施工不良を見つけたらどうすればいい?
購入を検討している住宅の内覧会で施工不良や不具合を発見した場合、その場で担当者に指摘して修正を依頼することがおすすめです。指摘事項は書面にまとめ、双方で確認できる状態にしておくとチェックしやすくなります。することが重要です。修正の完了時期や方法についても確認しておきましょう。
標準仕様とオプションの違いは何?
標準仕様とは、追加費用なしで提供される物件の基本的な設備や仕様のことです。一方、オプションは標準仕様には含まれない追加の設備や仕様のことで、購入者の希望に応じて追加費用を払うと設置されます。
建売住宅の場合、カーテンレールやカーテンボックスなどがオプションとなる場合があるため、事前に標準仕様の内容を確認しておきましょう。建売住宅の購入前にチェックポイントで確認しよう
この記事では、建売住宅の購入前に確認しておくべきチェックポイントを解説しました。
建売住宅は既に完成した状態で販売されているため、工事中の様子を確認できません。生活後の後悔やトラブルを防止するためにも、内覧のときに細部までチェックし、必要な情報はインターネットを活用して収集することがおすすめです。
さまざまな点を確認したうえで、自分たちの生活に合った建売住宅を選択しましょう。
記事監修
山口 靖博
宅地建物取引士/2級ファイナンシャル・プランニング技能士
最新のトレンドや法改正を踏まえ、円滑な住宅売買に向けた仕組み作りと前線でのサポートを実践する。「ちんたいグランプリ(旧・不動産甲子園)」 2020年度・2022年度特別賞。
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