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ホームインスペクション(住宅診断)とは?メリットや費用相場を解説

公開日:2025年04月16日

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この記事では、ホームインスペクション(住宅診断)について解説します。

ホームインスペクション(住宅診断)とは、専門のホームインスペクターが住宅の劣化状況や欠陥をチェックし、建物の安全性や修繕の必要性を評価する調査のことです。

住宅購入や売却を控えている場合、スムーズかつトラブルなく取引を進めるためにも、ホームインスペクションを検討している人は少なくありません。

この記事では、ホームインスペクション(住宅診断)について、メリットや費用相場も詳しく解説するので、ぜひ参考にしてください。


【この記事でわかること】

  • ホームインスペクション(住宅診断)を依頼するメリット
  • ホームインスペクション(住宅診断)を依頼するデメリット
  • ホームインスペクション(住宅診断)にかかる費用相場
  • ホームインスペクション(住宅診断)を依頼する一般的な流れ

ホームインスペクション(住宅診断)とは?

ホームインスペクション(住宅診断)とは、専門のホームインスペクターが住宅の劣化状況や欠陥をチェックし、建物の安全性や修繕の必要性を評価する調査のことです。

中古住宅の購入前や売却前に実施されることが多く、基礎・外壁・屋根・設備など幅広い範囲を対象とします。

ホームインスペクションを行うことで、隠れた不具合を把握し、修繕費用の見積もりや購入の判断材料を得ることができるでしょう。

  • 建物状況調査との違い
  • ホームインスペクションが必要なケース
  • ホームインスペクションの主な調査内容

ここからは、ホームインスペクションについて上記の観点を解説します。

建物状況調査との違い

ホームインスペクションと建物状況調査は混同されやすいですが、以下のとおりそれぞれ目的や内容が異なります。

項目建物状況調査ホームインスペクション
目的既存住宅の売買時の不具合を確認し、取引の透明性を向上させる住宅の劣化状況を把握し、修繕の必要性を判断する
調査対象基礎・外壁・屋根・小屋裏・床下など構造部分が主な対象基礎・外壁・屋根・小屋裏・床下だけでなく、設備・内装など幅広い範囲が対象
実施タイミング不動産売買時に任意で実施される中古住宅の購入前・売却前、新築住宅の施工不良チェック時など
実施者建築士などの資格を持つ専門家ホームインスペクター(建築士や専門業者)
法的義務宅建業法に基づき、不動産会社が説明義務を負うが、調査自体は任意法的な義務はないが、取引を安心して行うために推奨される

建物状況調査は、国土交通省のガイドラインに基づき、既存住宅の取引時に行われる法的な調査です。主に基礎・外壁・屋根・小屋裏・床下などの構造部分や、雨漏りの有無などを確認します。

一方、ホームインスペクションはより詳細に住宅の劣化状況を診断し、設備や内装の状態までチェックできるのが特徴です。

ホームインスペクションが必要なケース

ホームインスペクションが必要とされるケースの1つとして、中古住宅の購入前が挙げられます。

購入後に見つかる修繕費用が高額になる可能性があるため、事前に診断を行い、リスクを減らすことが可能です。

また、中古住宅の売却時にもホームインスペクションは役立ちます。物件の状態を把握し、必要な修繕を事前に行うことで、スムーズな取引に繋がるでしょう。

ホームインスペクションの主な調査内容

ホームインスペクション調査内容は、主に以下のとおりです。

  • 建物の構造的な安全性の確認
  • 外壁や屋根の劣化状況の点検
  • 床下・小屋裏のチェック
  • 給排水設備の点検
  • 電気設備の確認
  • ガス設備の点検
  • 室内・内装の状況調査

ホームインスペクションは、建物の状況を包括的に調べてくれます。それにより、購入や売却時のリスク回避、適切なメンテナンス計画の策定に役立ちます。

ホームインスペクション(住宅診断)を依頼するメリット

ここからは、ホームインスペクションを依頼するメリットについて解説します。

  • 買主から見たメリット
  • 売主から見たメリット

買主から見たメリット

買主にとってホームインスペクションを依頼するメリットは、住宅購入のリスクを最小限に抑えられることです。

中古住宅は築年数の経過に伴い、基礎や構造部分の劣化、シロアリ被害、雨漏り、配管の老朽化などの問題が発生するおそれがあります。

専門家が住宅の状態を詳細に診断することで、購入後の修繕リスクを事前に把握し、適切な判断を下せます。

また、ホームインスペクションの結果をもとに、売主と修繕費用の交渉を行ったり、購入を見送る決断をしたりすることにも繋がるでしょう。

売主から見たメリット

売主にとってホームインスペクションを実施するメリットは、住宅の価値を適切に評価し、円滑な売却を実現できることです。

事前に住宅の状態を把握し、必要な修繕を行うことで、買主に対して透明性の高い取引が可能になります。

ホームインスペクションの結果を提示することで、買主の不安を軽減し、価格交渉を有利に進められるでしょう。

また、売却後のトラブルを防ぐ効果もあり、契約成立後に発覚する欠陥による損害賠償請求のリスクを減らせます。

築年数が経過した中古住宅の場合、買主が抱く不安を払拭し、スムーズな売却を実現できるため、ホームインスペクションを活用することは非常に有益といえます。

ホームインスペクション(住宅診断)を依頼するデメリット

ホームインスペクションには、メリットがある一方でいくつかのデメリットも存在します。

  • 買主から見たメリット
  • 売主から見たメリット

買主から見たデメリット

買主がホームインスペクションを依頼する際のデメリットは、費用負担が発生することです。

住宅の広さや調査内容などによって異なりますが、一般的なホームインスペクションの費用は数万円から十数万円程度かかります。

また、調査の結果、大きな修繕が必要と判明した場合に購入を再検討する必要が生じるため、希望していた物件の購入が難しくなることもあるでしょう。

特に、人気のある物件では、ホームインスペクションを実施している間に他の買主に先を越されるリスクもあります。

売主から見たデメリット

売主にとってホームインスペクションを実施するデメリットは、住宅の不具合が明らかになることで、価格交渉や売却の難航につながるおそれがあるところです。

特に、築年数の経過した中古住宅では、見た目には問題がなくても基礎部分や設備の老朽化が発覚し、買主が価格の値下げ交渉をしてくることがあるでしょう。

また、買主がホームインスペクションの結果をもとに修繕を求めるケースもあり、追加のコストが発生するケースもあります。

ホームインスペクション(住宅診断)にかかる費用相場

ホームインスペクションにかかる費用相場は以下のとおりです。

建物相場
マンション4万~6万円
戸建て5万~7万円
  • マンションの費用相場
  • 一戸建ての費用相場

ここからは、それぞれの物件種別ごとの費用相場や詳細を解説します。

マンションの費用相場

マンションのホームインスペクションは、専有部分を中心に調査が行われます。

調査範囲が限定的であるため、費用は一戸建てよりも低めに設定されることが一般的です。

一般的な相場は4万~6万円程度とされています。

一戸建ての費用相場

一戸建てのホームインスペクションでは、建物全体の構造や設備、外装、内装など広範囲にわたる調査が行われます。そのため、費用はマンションよりも高くなる傾向があります。

一般的な相場は5万~7万円程度とされています。

ホームインスペクション(住宅診断)を依頼する一般的な流れ

ここでは、ホームインスペクションを依頼する一般的な流れを解説します。

  • STEP1.業者の選定・依頼
  • STEP2.現地調査の日程調整・準備
  • STEP3.建物の調査
  • STEP4.調査結果の報告

STEP1.業者の選定・依頼

ホームインスペクションを依頼する際は、まず適切な業者を選定することが重要です。

信頼できるホームインスペクターを見つけるために、過去の実績や口コミ、資格の有無を確認しましょう。

建築士資格を持つ専門家や、第三者機関に所属するホームインスペクターに依頼することで、公正な診断を受けることができます。

また、調査内容や費用を比較するために複数の業者から見積もりを取得し、自分のニーズに合った業者を選ぶことが重要です。

STEP2.現地調査の日程調整・準備

業者が決まったら、ホームインスペクションを実施する日程を調整します。

物件の所有者や不動産会社と連携し、現地調査がスムーズに行えるよう手続きを進めます。特に中古住宅を購入予定の買主の場合、売主の協力を得ることが重要です。

調査当日は、建物の内部・外部を詳しく診断するため、家具の移動や床下点検口・天井点検口へのアクセス確保など、事前準備が必要になることがあります。

STEP3.建物の調査

ホームインスペクション当日は、専門のインスペクターが建物の外観・内装・設備・構造部分などを詳しくチェックします。

具体的には、基礎や外壁のひび割れ、屋根の損傷、床下の湿気やシロアリ被害、配管や電気設備の異常などを確認します。

調査方法は、目視・計測器を用いた測定・簡易的な動作確認が主流ですが、オプションとしてより詳細な診断を追加できる場合もあります。

調査時間は建物の規模によりますが、一般的には2~4時間が目安です。

STEP4.調査結果の報告

ホームインスペクションの調査が完了すると、業者から報告書が提供されます。

報告書には、建物の現状、確認された不具合や劣化箇所、修繕が必要な部分、将来的に注意すべきポイントなどが詳細に記載されています。

重要なのは、指摘された問題がどの程度の影響を及ぼすのかを理解し、適切な対策を講じるということです。

買主であれば、報告書の内容をもとに価格交渉や修繕計画を検討し、売主であれば、指摘された問題を修繕することで物件価値を高めることができます。

ホームインスペクション(住宅診断)を依頼するときの注意点

ここでは、ホームインスペクションを依頼するときの注意点について解説します。

  • インスペクターの資格と実績を確認する
  • 事前に調査範囲と内容をしっかり確認する
  • なるべく契約前のタイミングに依頼する
  • 調査当日は必ず立ち会う
  • 細かすぎる指摘は避ける

インスペクターの資格と実績を確認する

ホームインスペクションを依頼する際には、インスペクターの資格や実績をしっかり確認することが重要です。インスペクターには、建築士や公認ホームインスペクター(住宅診断士)の資格を持つ専門家が多くいますが、資格だけでなく過去の実績や口コミも参考にしましょう。

経験豊富なインスペクターは、建物の劣化状況や修繕の必要性を正確に判断できるため、より信頼性の高い診断が期待できます。

また、不動産業者と独立した第三者機関に依頼することで、公平な視点で住宅の状態を評価してもらえるでしょう。

事前に調査範囲と内容をしっかり確認する

ホームインスペクションの調査範囲や内容は、業者によって異なるため、事前にしっかり確認しておくことが重要です。

基本的な調査項目には、基礎や外壁、屋根、床下、設備の動作確認などが含まれますが、詳細な診断が必要な場合は追加費用が発生することもあります。

赤外線カメラを用いた断熱性能の確認や、シロアリ被害の検査などはオプション対応となるケースが少なくないため、どこまで調査するかを事前に決めておくことが重要です。

なるべく契約前のタイミングに依頼する

ホームインスペクションの調査範囲や内容は、業者によって異なるため、事前にしっかり確認しておくことが重要です。

基本的な調査項目には、基礎や外壁、屋根、床下、設備の動作確認などが含まれますが、詳細な診断が必要な場合は追加費用が発生することもあります。

赤外線カメラを用いた断熱性能の確認や、シロアリ被害の検査などはオプション対応となるケースが少なくないため、どこまで調査するかを事前に決めておくことが重要です。

なるべく契約前のタイミングに依頼する

ホームインスペクションは、住宅の購入契約を結ぶ前のタイミングで依頼することが理想的です。

契約後に重大な欠陥が発覚すると、修繕費用の負担や契約解除のトラブルにつながるおそれがあります。

契約前に診断を受けておけば、建物の状態を確認した上で、購入の可否や価格交渉の材料として活用できるでしょう。

また、売主側としても売却前にホームインスペクションを実施することで、物件の信頼性を高められ、スムーズな取引に繋がります。

調査当日は必ず立ち会う

ホームインスペクションの調査当日は、可能な限り立ち会うことをおすすめします。

実際にインスペクターの説明を聞くことで、建物の状態をより正確に把握でき、気になる点についてその場で質問できます。

また、報告書では伝わりにくい細かな部分や、写真では分かりにくい現場の状況を確認することができるため、立ち会うことで得られる情報量が格段に増えます。

中古住宅を購入する場合は、どの部分に注意が必要かを把握し、将来的な修繕計画を立てるためにも、現場での確認が重要です。

細かすぎる指摘は避ける

ホームインスペクションの結果を受け取った際、すべての指摘事項に過敏に反応しすぎないことも重要です。

どのような住宅でも経年劣化による軽微な問題は発生するので、全ての修繕を求めると取引が難航してしまうリスクがあります。

中古住宅の場合はある程度の劣化が前提となるため、修繕の必要性が高い箇所と、今すぐ対応しなくてもよい箇所を冷静に判断することが重要です。

また、売主との交渉においても必要・不必要な修繕を明確に区別し、適切な交渉を行うことが円滑な取引につながります。

ホームインスペクション(住宅診断)に関するよくある質問

最後に、ホームインスペクションに関するよくある質問を紹介します。

  • ホームインスペクションを依頼して後悔した失敗事例は?
  • ホームインスペクションの費用は誰が払う?
  • ホームインスペクションが必要ないケースは?

ホームインスペクションを依頼して後悔した失敗事例は?

ホームインスペクションを依頼して後悔した失敗事例として、以下が挙げられます。

  • 調査範囲を事前に確認せず、後から点検していない箇所に気づいた
  • 資格や実績を確認せず、経験の浅いインスペクターに依頼してしまった
  • インスペクションの結果を過信しすぎて契約後に別の問題が発覚した
これらの失敗を防ぐためには、事前に業者の実績を確認し、調査範囲や診断内容を細かくチェックすることが重要です。

ホームインスペクションの費用は誰が払う?

ホームインスペクションの費用は、基本的に依頼した側が費用を負担するのが一般的です。

たとえば、買主が物件の状態を確認するために依頼する場合は買主が支払います。

一方、売主が物件の信頼性を高めてスムーズな売却を実現する目的で、事前に診断を行うケースでは売主が負担します。

ホームインスペクションが必要ないケースは?

ホームインスペクションは住宅の状態を把握し、購入や売却時のリスクを減らすために有効ですが、必ずしも必要とは限りません。

新築住宅で施工管理が徹底され、第三者機関のチェックを受けている場合は、追加でホームインスペクションを行わなくても問題ないことがあります。

また、築年数が浅く、売主が定期的にメンテナンスを行っていた場合も、診断の必要性が低い場合があるでしょう。

他にも、リノベーションやリフォームが完了したばかりの住宅では、主要な部分がすでに点検・修繕されているため、ホームインスペクションを省略するケースもあります。

ホームインスペクション(住宅診断)を依頼して不動産取引の不安を解消しよう

この記事では、ホームインスペクションの概要やメリット・デメリットなどについて解説しました。

ホームインスペクションとは、専門のホームインスペクターが住宅の劣化状況や欠陥をチェックし、建物の安全性や修繕の必要性を評価する調査です。

ホームインスペクションは買主・売主の双方にとってメリットがありますが、一定の費用がかかるので必要有無を判断することが大切です。

記事監修

染矢 真紀

宅地建物取引士/整理収納アドバイザー1級/フードスペシャリスト/一級衣料管理士

ディスプレイ器具リースの前職を経て、整理収納アドバイザーとして独立。多くの住まいの整理・お片付けをコンサルティングした後オープンハウスに入社。契約後のお客様の引き渡しまでのサポート業務に従事し、2021年度社内賞(顧客満足賞)受賞。お客様の生活スタイルをお伺いした上での的確な提案を得意とする、衣食住のスペシャリスト。

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