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家と暮らしのコラム
最近話題の「民泊」って?条例制定の背景と問題点

最近話題の「民泊」って?条例制定の背景と問題点

2015年11月10日(火)

家さがしの知識

大阪府に続き、大田区でも制定予定!「民泊」条例制定の背景

東京都大田区が、全国で初めて民泊を認める条例を制定する方針を発表し、その後10月末には、大阪府で、大田区に先駆けて全国初の民泊を認める条例が可決されました。

通常、旅館業を営むには許可が必要で、宿泊施設は防火設備や建物構造、衛生基準などが一定の基準を満たしている必要があるため、例えば、農業体験という名目で、旅館業の許可を得ていない民家に人を泊めて対価を得ることは、違法にあたります。

しかし、最近の外国人観光客の増加や2020年の東京オリンピックを受けて、都心部での宿泊施設の不足が深刻になっており、この問題を解消するために、基準を満たさない個人宅の空き部屋やマンションの空き室でも特定の条件を満たせば、宿泊所として利用できるようにしようというのが、この条例です。

民泊が認められるのは「国家戦略特区」だけ!民泊が認められる条件は?

この条例の制定ができるのは、東京都や神奈川県の他、「国家戦略特区」に指定された一部の区域のみです。「国家戦略特区」とは、地域振興と国際競争力向上を目的に設けられた経済特区のことで、民泊が認められる条件は、下記の通りです。

  1. 当該事業の用に供する施設であって賃貸借契約及びこれに付随する契約に基づき使用させるもの(以下この条において単に「施設」という。)の所在地が国家戦略特別区域にあること。
  2. 施設を使用させる期間が七日から十日までの範囲内において施設の所在地を管轄する都道府県(その所在地が保健所を設置する市又は特別区の区域にある場合にあっては、当該保健所を設置する市又は特別区)の条例で定める期間以上であること。
  3. 施設の各居室は、次のいずれにも該当するものであること。
    • イ 一居室の床面積は、二十五平方メートル以上であること。ただし、施設の所在地を管轄する都道府県知事(その所在地が保健所を設置する市又は特別区の区域にある場合にあっては、当該保健所を設置する市の市長又は特別区の区長)が、外国人旅客の快適な滞在に支障がないと認めた場合においては、この限りでない。
    • ロ 出入口及び窓は、鍵をかけることができるものであること。
    • ハ 出入口及び窓を除き、居室と他の居室、廊下等との境は、壁造りであること。
    • ニ 適当な換気、採光、照明、防湿、排水、暖房及び冷房の設備を有すること。
    • ホ 台所、浴室、便所及び洗面設備を有すること。
    • ヘ 寝具、テーブル、椅子、収納家具、調理のために必要な器具又は設備及び清掃のために必要な器具を有すること。
  4. 施設の使用の開始時に清潔な居室を提供すること。
  5. 施設の使用方法に関する外国語を用いた案内、緊急時における外国語を用いた情報提供その他の外国人旅客の滞在に必要な役務を提供すること。
  6. 当該事業の一部が旅館業法 (昭和二十三年法律第百三十八号)第二条第一項 に規定する旅館業に該当するものであること。

大阪府では、最低滞在期間を6泊7以上とし、さらに対面や映像による本人確認の実施、各部屋へのトイレ・浴室・台所の設置、大阪府による立ち入り調査の実施権限などを条例に盛り込んでいます。

民泊の問題点と懸念点

使用していない個人宅を有効活用して宿泊施設不足を解消することを目的とした条例ですが、「1部屋の床面積が25㎡以上」必要なことや「緊急時における外国語を用いた情報提供」など、一般の方がこの制度を利用するには、敷居が高い内容になっています。

また、大田区の条例案では、民泊が可能になるのは、商業地域など、ホテルなどの建設が可能な地域のみで、住宅が多く集まる低層住居専用地域は、対象エリア外です。

さらに、賃貸マンションの1室などは、契約で転貸は禁止されていることがほとんどですので、実質的にこの制度を利用できるのは、投資用マンションの所有者や事業者など、今のところ、一部の方に限られそうです。

  

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