条件は、仕事場から徒歩10分。
まさか探し始めてすぐに出会えるとは！

もともと6〜7年前にマンションの購入を検討していて、オープンハウスの営業の方と知り合い、渋谷のショールームに行ったのがきっかけです。都内の物件がたくさんあって、どれも相場より低価格だったのが印象的でした。そのときはご縁がなく、逗子に家を購入しました。でも、テーブルコーディネートやお花の教室を開きたいという思いがあり、都心に事務所を兼ねた自宅を持ちたいなと。たまたまオープンハウスの物件が目にとまり、改めて相談しました。

私が経営するバーから徒歩10分圏内を条件に探してもらったところ、タイムリーにこの土地を提案してもらえて！　港区で、条件に合う物件がすぐに出るとは思っていなかったので、びっくりしました。マンションと違って戸建てなら花材などの搬入・搬出もしやすい。将来的にライフスタイルが変わっても、土地付きの戸建てなら売却もしやすいとも思い、購入を決めました。

飾ることで狭さを感じさせない空間に。
「16坪には見えない」とよく言われます。

どんな家にするかと考えたときに思い出したのが、私が敬愛する建築家、ジェフリー・バワのスリランカにある自邸。光を採り入れた回廊を巡りながら、屋上へ向かう設計が素敵で。その家の玄関に置かれていたコロニアル調ソファと似たものを私が持っていたこともあり、コンセプトはコロニアル*に！　ソファが入るスペースをリビングに確保し、雰囲気の合う黒っぽい壁紙を合わせて。壁紙はもちろん低価格のラインからセレクト（笑）。家の中に目が向くようにグリーンをコーディネートして、気持ちのいいリビングにしたかったんです。

*17世紀初頭から18世紀末頃の植民地時代の建築様式。その土地の風土と母国の建築様式がミックスされた独特の様式。

パリの小さなホテルには、狭くてもセンスよくデコレーションされたすてきな空間がたくさんあるように、狭い方がデコレーションの雰囲気が凝縮され、濃密な空間を演出できると思うんです。ゲストをお招きすると「狭小住宅には見えない」とよく言っていただけますね。階段に絵を飾ってギャラリーのようにすることも、設計段階から考えていました。屋上もあるので、階段は全部で3カ所。それぞれテーマを変えて、絵を選んだり、シャンパンのコルクを飾ったり。屋上への階段だけはカラフルにしたくて、蹴上げにモロッコのタイルのような壁紙を自分で貼りました。今はインターネットで検索すると低コストでもセンスのいいアイテムが見つかるので便利ですよね。

自分のイメージを固めておくと、
打ち合わせもスムーズに。

注文住宅を建てるときは、決められた回数の打ち合わせの中で、しっかりと意図を伝えることが大事。自分のイメージやゆずれないポイントを固めておいて、打ち合わせのときに伝えるとスムーズですね。あとは、ライフスタイルに合わせて間取りを考えること。この家のモデルケースは1階がベッドルーム＆バスルーム、2階がLDK、3階が居室（子ども部屋）でしたが、ガラッと変えています。私の場合は、お花を搬入・搬出するので、1階にワークスペースを作り、夜遅く帰宅したときに3階まで上がらなくてすむように、ベッドルームとバスルームは2階に。トイレがベッドルームと同じフロアだと安心ですよね。3階はLDK。さらに、私はテラスなどの外で食事をするのが好きなので、屋上は必須でした。きっと気持ちのいい時間が過ごせると思って。

オープンハウスの家は、コストカットを徹底しているところがとても魅力的。他社にも建築費のお見積もりを出してもらったんですが、やはりオープンハウスがベストでしたね。コストパフォーマンスのいい家にふさわしいように、インテリアもできるだけ予算をかけずに、狭さを逆手にとり、空間をすてきに演出する工夫をしました。プチプラアイテムを使って、キッチンの窓をデコレーションしたり、お風呂のスイッチ盤を隠したり。これから家を建てられる方はもちろん、すでに購入された方にも、参考にしていただけるとうれしいですね。

『予算をかけずに部屋をおしゃれに！
小さな家を素敵に変えるアイディア』（講談社）

今回ご紹介した家の間取りから、各部屋のBefore＆After実例、デコレーションやDIYのコツまで。狭い空間を素敵に飾って演出するアイディアとテクニックが満載。

写真提供：講談社