海外旅行に行くと、海外の主要都市に比べて、東京都の無料Wi-Fi事情がずいぶんと遅れていることに気がつきます。海外では、街中のいたるところに、無料Wi-Fiをうたう薬局やスーパー、飲食店があり、都市によっては、ホテルや街中、公園などでも気軽に無料Wi-Fiの利用が可能です。
観光庁が、2012年10月に外国人観光案内所を訪問した外国人旅行者に実施した調査によると、「旅行中困ったこと」の第1位は無料Wi-Fi-環境で、36.7%に上りました。日本では、ほとんどの人がキャリアの契約をしている、また、無料Wi-Fi接続の際のセキュリティが重視されているといった事情から、外国人旅行者が気軽に使える無料Wi-Fiは、まだまだ整っていないのが現状です。
東京都が2014年に調査した外国人旅行者の無料Wi-Fi利用環境に関する満足度は76.7%でした。東京都が「世界一の都市・東京」を目指し2015年に策定した「東京都長期ビジョン」によると、東京都は、2020年にはこの満足度を90%以上に向上させることを目標にしています。
新宿・大久保、銀座、浅草、渋谷、東京駅周辺・丸の内・日本橋、秋葉原、上野、原宿・表参道・青山、お台場及び六本木・赤坂と2020年の東京五輪・パラリンピックの会場周辺を重点整備エリアに位置付け、都が主体となり、区市町村や民間事業者等とも連携して取り組んでいく予定です。
2015年6月には、無線LAN環境の整備に取り組む宿泊施設に対し、1ヶ所あたり15,000円以内、1施設あたり最大50か所、補助対象経費の2分の1以内、75万円を限度とした補助を発表しています。また、2015年4月には、臨海副都心の商業施設などでの外国人旅行者向けの多言語表示や無料Wi-Fiの整備に対して、1件あたり建築、改修費など経費の2分の1を上限として、最大1億円の助成をする発表をしています。
「ドン・キホーテ」「MEGA ドン・キホーテ」全店舗では、2015年2月より、来店者が利用可能な無料Wi-Fiサービスの提供を開始しました。その他、外国人観光客向けに、アプリをダウンロードすると全国20万か所以上のWi-Fiスポットへの無償接続が可能なサービスを提供しています。
マツモトキヨシでも、2014年12月より、来店客を対象に、登録なしで使える無料Wi-Fiサービスの提供を開始しました。現在は、東京都、京都府、大阪府の一部の店舗でのみの実施ですが、順次拡大予定としています。
その他、従来よりサービスを提供していた各種コンビニ、PRONTO、スターバックス、東京ミッドタウン、六本木ヒルズなどに加えて、イオン、atre、ビッグカメラ、ヨドバシカメラ、タリーズコーヒー、ステーキのどんなどでも、続々とサービスの提供が始まっています。
豊島区では、2015年5月から新庁舎の全フロア及び池袋駅周辺で手軽に無料Wi-FIを利用することができる「TOSHIMA Free Wi-Fi」の提供を開始しました。日本語・英語・中国語(繁体)・中国語(簡体)・韓国語の5ヶ国語に対応し、所定のページからメールアドレスを登録するだけで、簡単にサービスを利用することができるようになっています。
今後は池袋駅周辺を中心に豊島区全域に無料Wi-Fiを拡大すべく、豊島区とNTT東日本とが協働し、事業所や店舗を対象に「TOSHIMA Free Wi-Fi」への参加を呼びかけ、官民の連携により便利で快適なおもてなし環境の拡充を推進していく予定です。
観光名所東京スカイツリーがある墨田区では、2014年より外国人観光客等にモバイルWi-Fiルーターの無料貸し出しを始めました。貸出対象は外国人観光客等のみとなっており、自身のSNS等に墨田区に関連する情報を投稿することが条件となっていますが、区内3ヶ所の観光案内所どこででも返却ができ、最長3日間利用可能です。
その他、新宿区、中野区、大田区などでも、2015年から新規に無料Wi-Fi整備のための予算を設けるなど、各自治体で、無料Wi-Fi整備に向けた取り組みが始まっています。
上野の商店街エリアでは、2015年4月より、上野の商店街エリア約30箇所で「Ueno Free Wi-Fi」の提供を開始しました。接続は、1日60分、4回までで、今後は、上野エリア全域へ無料Wi-Fiの拡大を推進していく予定です。
銀座通りでは、2012年9月より、銀座1丁目から8丁目までの銀座通り沿いで「G Free(銀座フリーWi-Fi)」のサービスを始めました。G Freeは一つの通りに面して設置された日本最長のフリーWi-Fiで、日本語と英語の2カ国に対応、銀座通り沿いをアンテナで網羅するともに、すべてのアクセスポイントのSSIDを統一、パスワードが不要という仕様にすることによって、移動しながらでも途切れない環境を実現しました。2013年にはエリアを晴海通りにも拡大し、今後は銀座地区全域への展開を目指しています。
お台場エリアでは、2013年11月より、お台場海浜公園、パレットタウン他、主要施設15か所以上で利用可能なサービス「東京お台場FreeWiFi」が利用可能になりました。日本語と英語の2ヶ国語対応で、ポータルサイトからは、周辺の店舗や施設の情報も取得できます。
自由が丘で街をあげて取り組んでいるのが、「光Wi-Fi(光ステーション)」です。このサービスでは光ファイバーの回線を使っているので、高速・大容量のデータをやり取りすることができ、スマートフォン以外に、通信会社と契約のないパソコンやゲーム機でも、1日最大15分を2回まで、無料でインターネットが楽しめます。光Wi-Fiでは、自由が丘周辺のお店の最新情報やお得な情報も入手できます。
東京都交通局及び東京メトロは、2014年12月より、東京都内の地下鉄駅のうち多くの訪日外国人の利用が見込まれる143駅で、無料Wi-Fi サービスを開始しました。
JR東日本でも、2012年より随時無料Wi-Fi接続サービスを始めました。当初は5箇所のJR東日本訪日旅行センターと東京都、千葉県の13駅のみが対象でしたが、現在では山手線全駅をはじめとした41駅と、東北新幹線車内の一部でも利用可能になっています。
都営バスの全車両1,452両では、2013年より、メールアドレスを登録するだけで1回180分まで、1日何回でも無料でWi-Fiが利用できるようになりました。日本語の他、英語、中国語、韓国語が選択可能です。NTTドコモの「docomo Wi-Fi」の契約をされている方は、docomo Wi-Fiもあわせて利用可能となっています。※一部のコミュニティバス等はサービス対象外です。
その他、2014年には小田急電鉄、西部電鉄、京王電鉄、2015年にはゆりかもめ、京成電鉄、東武鉄道、京浜急行電鉄も相次いで無料Wi-Fiサービスの提供を発表しています。
最後に、暗号化されていない無料Wi-Fiを使用する場合は、悪意のある第三者にデータを盗聴されたり、ウィルス感染の可能性があるので、注意が必要です。IDやパスワードを使ってログインするサイトにはログインしない、重要な情報のやりとりは控える、などの点に注意する他、セキュリティ対策用のアプリのインストールをおすすめします。
リビング内に階段を設けるメリットとデメリットを紹介します。
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