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家と暮らしのコラム
2016年4月から電力の全面自由化が開始!

2016年4月から電力の全面自由化が開始!

2015年7月09日(木)

お金のあれこれ 家さがしの知識

電力の全面自由化とは?東日本大震災をきっかけに法改正が一気に加速!

戦後、日本の電力の販売は、国が定める一般電気事業者10社が独占してきました。現在、東京都・神奈川県を含む首都圏1都7県(群馬県、栃木県、茨城県、埼玉県、東京都、千葉県、神奈川県、山梨県)、および静岡県の一部にお住まいの方が普段ご家庭で使う電力は、東京電力が独占的に販売しています。

2000年以降、事業者向けには、段階的に新規参入事業者の参入が認められてきましたが、2011年の東日本大震災をきっかけとした電力不足、電気料金の値上がりを受け、現体制への疑問を唱える声が急速に高まり、電力システム改革の一環として、2016年4月より、一般家庭も含めた電力全面自由化が開始されることが決定しました。

全面自由化では、既存の電気事業者以外の参入が認められることで、事業者間の価格競争により、国際的にも高いと言われる電気料金が下がることが期待されており、消費者は、よりメリットの高い事業者を自由に選べるようになります。

使用電力の見える化でコストダウン!環境に配慮したエネルギーを選べるメリットも!

東京電力は、2020年までに、全ての家庭へのスマートメーターの設置を発表しています。スマートメーターが設置されれば、これまで1ヶ月の総使用量しか把握できなかった電気の使用量が30分毎に計測され、インターネットやHRMS(家庭用エネルギー管理システム)などで確認できるようになります。現在でも、各電気事業者が提供する夜得プランなどがありますが、どの時間帯にどのくらいの電気を使用しているのかが分かれば、これまで以上に、それぞれのご家庭にあったプランが選択できるようになります。

また、電力には、太陽光や風力などの自然エネルギー発電、原子力発電、火力発電など、様々な発電方法がありますが、全面自由化によって、価格だけでなく、環境への影響も考慮してご自身の好みに合った電力会社を選べるようになります。

新規参入事業者は約700社!新規参入業者の取り組みを一部ご紹介!

全面自由化により新規参入する事業者はPPS(特定規模電気事業者)と呼ばれていますが、2015年7月末現在で、既に約700社の電力会社が登録されており、その業種は、総合商社、電気メーカー、ハウスメーカー、不動産会社、家電量販店など多岐に渡ります。

既に企業用に電力を販売している東京ガスでは、家庭向けにも電力の供給を始めることを発表しています。家庭で最も使われるガスと電力をセット販売することで、消費者にとっては、価格面でのメリットが期待できそうです。

ENEOSブランドのJX日鉱日石エネルギーでは、2016年4月より、原油・天然ガス・石炭・太陽光などの一次エネルギーを利用した家庭用電気の供給と、ガソリンのセット販売を始めることを発表しています。

パナソニックでは、太陽光発電による電力供給のための新会社を設立し、電力供給への参入に先駆けて、各家庭から余剰電力の買い取りや蓄電池のレンタルなどを開始しました。

既存の電力会社も、新サービスの提供やエリア拡大に力を注いでいます。例えば、東京電力では、2016年1月より、使用した電力に応じたポイントをTポイント、もしくはPontaのいずれかのサービスを選択して貯められるサービスを始める他、ソフトバンクやUSENとの業務提携の検討に入ったことを発表しています。

新規参入業者に乗り換えた場合の停電・倒産リスクは?

新規事業者のサービスに乗り換えるにあたり、心配なのが、停電や事業者の倒産です。新規事業者が撤退したり、太陽光などの自然エネルギーが不足したりした場合、どうなるのでしょうか。

また、現在は、電気料金は政府の認可なしには値上げできないなどの規制がありますが、自由化によって、原材料の高騰が直接料金に影響を及ぼす懸念もあります。

このような事態を避けるために、政府は、複数のセーフティーネットを準備しています。まずは、2015年4月に発足した、「広域的運営推進機関(以下広域機関)」。すべての電気事業社は広域機関への加入が義務付けられており、電力不足の際は、広域機関が各事業者への発電や各電力エリア間での電力融通を指示することにより、電力の安定供給を目指します。

次に、ライセンス制の導入です。2000年以降、PPSは届出制でしたが、2016年4月から、経済産業大臣の登録を受けた事業者のみが、電力を販売できるようになります。事業者には、供給力確保、契約締結前の説明、契約締結時の書面交付、苦情処理などが義務づけられ、所定の要件を満たした事業者のみが新規参入を許可されます。

さらに、全面自由化後も送電の仕組みは従来と同じで、どの事業者から電力を購入しても、ご利用の電力は、これまで同様、一般電気事業者(関東にお住まいの方であれば東京電力)が管理・所有する送電線を通して送られてくることになります。

一般電気事業者は、PPSが供給する電気も含め、地域内全ての消費者への電気の安定供給が可能となるように、送電線ネットワークを運用しています。電気の品質(電圧、周波数等)はネットワーク内で一定に保たれているため、PPSが供給する電気の品質は、一般電気事業者の電力会社と均一なものになります。

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