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家と暮らしのコラム
「もしもに備える、防災の知恵」第3回 日々の備え・水害編

「もしもに備える、防災の知恵」第3回 日々の備え・水害編

2020年4月10日(金)

家さがしの知識

目次

第3回は近年、異常気象の影響で多発する水害対策についてご紹介します。水害の原因は台風やヒートアイランド現象によって引き起こされる集中豪雨など。台風は事前に進路や雨量がある程度わかるので準備できますが、集中豪雨は急に発生することも多く、日頃からの備えが重要です。

水害の種類

近年の台風は、複雑な動きをしたり、勢力が小さくても雨量が多かったりと予測が難しいケースも。また、狭い範囲に集中的に雨が降る集中豪雨(いわゆるゲリラ豪雨も含む)では、中小河川の氾濫や土砂災害による被害が想定されます。また雨量が河川や下水の排水処理能力を超えることによって短時間で起こる都市型水害も油断できません。

水害の種類のイメージ

水害の3つのタイプ

  • 外水氾濫...堤防決壊や越水によるいわゆる洪水。

  • 内水氾濫...川の水位上昇で街の雨水を排出できずに周辺が浸水すること。

  • 都市型水害...大雨が街の排水処理能力を超えたときに発生。河川の流域だけでなく、街中の低地や地下街が浸水すること。

水害の対策

水害の被害を軽減するために、最も大切なのは事前の情報収集です。台風シーズンや大雨予報のときは、気象庁のホームページやニュースサイトなどを小まめにチェックし、大雨が降る前に、家の内外の備えを確認しましょう。

家の中の︎対策

  • 懐中電灯やラジオ(乾電池タイプ)、救急用品、非常用食品などの確認

  • 断水に備えて飲み水や生活用水を確保

  • 避難や断水を警戒して早めに食事をする

  • 家具や電化製品を2階などに移動させる

  • 洗濯、風呂を控え、なるべく排水をしない

  • 排水口を水のうなどでふさいで逆流を防ぐ

  • 低い位置にある換気口やダクトをふさぐ

家の外の︎対策

  • 側溝や排水溝を掃除して水はけをよくしておく

  • 玄関を土のう、止水板、シートなどでふさぐ

状況を把握するために情報収集し、避難勧告が出ていなくても早めに避難することが最大のポイント。特に内水氾濫は静かに迫ってくるため、気づけば冠水していることも。「水がきてからの避難では遅い!」と覚えておきましょう。

家の外の︎対策

土のうの代わりになるアイテムとは?

簡易水のう

45Lのゴミ袋を2〜3重にして、半分ほどの水を入れて口をしっかり絞ります。段ボール箱に入れれば数個を連結したり、重ねることもできます。

プランターとビニールシート

土の入ったプランターをビニールシートで巻き込んで連結します。

土のうに変わるアイテム

土のうに変わるアイテム

これが結論!

ポイント1

いざというときに対応できるように、日頃から土のうや非常用のグッズなどを用意しておく。

ポイント2

避難勧告が出ていなくても、状況を見て早めの避難を心がけましょう。

  • 2020年4月時点の内容です。
国崎信江さん

記事監修

国崎 信江(くにざき のぶえ)さん

危機管理教育研究所代表 危機管理アドバイザー

横浜市生まれ。女性や生活者の視点で家庭、地域、企業の防災・防犯・事故防止対策を提唱している。講演、執筆、リスクマネジメントコンサルなどの他、文部科学省「地震調査研究推進本部政策委員」、東京都「震災復興検討会議」委員などを務める。現在はNHKラジオ マイあさ!の「暮らしの危機管理」のコーナーやテレビ、新聞などで情報提供を行っている。著書に『地震の準備帖―時間軸でわかる心得と知恵』(NHK出版)『サバイバルブック―大地震発生その時どうする? 』(日本経済新聞出版社)『マンション・地震に備えた暮らし方』(エイ出版社)『これ1冊でできる!わが家の防災マニュアル』(明治書院)などがある。
https://www.kunizakinobue.com/

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