
「戸建てはやめとけ」と言われる理由は?後悔しないための判断ポイントを紹介
公開日:2025年01月15日
この記事では、「戸建てはやめとけ」といわれる理由や、戸建てを選ぶうえで押さえておきたい判断ポイントについて解説します。
戸建ては、管理やメンテナンスの手間、将来の資産価値、住み替え時の柔軟性などに不安を感じる声もあります。一方で、自由な間取り設計や騒音ストレスの少なさ、維持費の抑えやすさといったメリットも多く、暮らし方によっては非常に魅力的な住まいです。
この記事では、戸建てならではのメリットについても詳しく紹介します。戸建ての購入を検討している方はぜひ参考にしてください。
「戸建てはやめとけ」といわれる理由は?
ここでは、多くの人が不安に感じやすい4つの点について紹介します。
- 住宅ローンに対する漠然とした不安
- 将来のライフスタイルの変化に対応しづらい
- 管理やメンテナンスをすべて自分で担う必要がある
- 立地や周辺環境は住宅の資産価値に影響を与えやすい
住宅ローンに対する漠然とした不安
不動産を購入される方の大半は住宅ローンを組みます。
返済額が高額になり、かつ返済期間も長期にわたるので「本当に返済できるのか?」など、漠然とした不安を感じてしまうことがあります。
資金計画を立てておくことも重要ですが、団信なども活用して、不安を軽減しておくこともポイントです。
将来のライフスタイルの変化に対応しづらい
家族構成や働き方が変わっても、建てた家は簡単に動かせるものではありません。
特に2階建てや3階建ての戸建ては、年齢を重ねたときの階段の昇り降りが負担になることもあります。
今の生活には合っていても、10年、20年先を考えたときに「この間取りで大丈夫だろうか」と不安に感じる人もいるようです。管理やメンテナンスをすべて自分で担う必要がある
集合住宅では、修繕積立金や管理費という名目で毎月出費がある代わりに、外壁やベランダ、ホールといった共用部分の修繕はそこから賄われます。ただし居住スペースのメンテナンスは実は自分たちでやる必要があり盲点になりがちです。
一方の戸建ては集合住宅とは異なって外壁部分などもすべてが自己所有となるため、すべて自分で管理・対処していく必要があります。
集合住宅のように修繕積立金や管理費がかからないとはいえ、メンテナンス用の貯金をしなくてもよいということにはなりませんので、資金計画を立てる際はこういった出費も見越して計画を立ててみてください。
立地や周辺環境は住宅の資産価値に影響を与えやすい
戸建て住宅も集合住宅も、その種別に関わらず、不動産というものは、立地の影響を受けやすい傾向があります。駅から遠いエリアや郊外の住宅地では、生活の利便性が低くなりがちで、資産価値も下がりやすいとされます。
また、時間の経過とともに周辺環境が変化し、かつては住みやすかった場所が空き家の増加や地域の高齢化で雰囲気が一変することもあります。こうした点から、「長く住みづらい」「売却しにくい」といった声が出やすく、戸建てはやめた方がいいと感じる人もいます。
「やめとけ」といわれる戸建てにもメリットはある
戸建てには「やめとけ」といわれる理由がある一方で、暮らしやすさや自由度の高さなど、独自の利点も数多く存在します。
ここでは、戸建て住宅ならではのメリットを4つ取り上げて紹介します。- 上下階の音を気にせず暮らせる
- 庭や駐車場など空間を自由に使える
- 建物や内装を将来的に変更しやすい
- 月々の管理費がかからない
上下階の音を気にせず暮らせる
マンションやアパートなどの集合住宅では、上下階や隣室からの生活音が気になることも少なくありません。
小さな足音や掃除機の音、ドアの開閉音といった日常的な音でも、時間帯や相手によってはトラブルに発展するケースがあります。
その点、戸建ては壁を挟んだ隣人がいないため、音のストレスを感じにくいのが大きな利点です。子どもが家の中を走り回ったり、ペットが動き回ったりしても、周囲に過度な気遣いをする必要はありません。
庭や駐車場など空間を自由に使える
戸建て住宅のもう一つの魅力は、敷地内にある庭や駐車スペースといった「屋外の余白」を自由に活用できることです。
ガーデニングや家庭菜園、ウッドデッキでのバーベキュー、子ども用プールの設置など、楽しみ方は多岐にわたります。
また、屋根付きの駐車スペースや自転車置き場を設けることで、生活の利便性も向上します。
マンションのように共用スペースのルールに縛られることがないため、ライフスタイルに合わせて空間を柔軟に使える点は、戸建てならではの大きなメリットです。建物や内装を将来的に変更しやすい
戸建て住宅は、マンションと違って管理規約に縛られず、間取りや設備の変更が比較的自由に行えます。たとえば、壁を取り払って部屋を広くしたり、水回りの位置を移動させたりといった大規模なリフォームにも対応しやすいのが特徴です。
ライフスタイルの変化に合わせて手を加えられるため、長く快適に住み続けやすい住まいといえます。
月々の管理費がかからない
マンションでは管理費や修繕積立金が毎月発生しますが、戸建ての場合、そうした固定費はかかりません。
自分でメンテナンス費を見積もり、計画的に備える必要はありますが、毎月の出費をコントロールしやすい点はメリットといえるでしょう。また、駐車場代がかからない物件も多く、マイカーを持つ家庭にとっては大きな節約につながります。
こんな戸建てなら「やめとけ」は気にしなくていい
ここでは、「やめとけ」は気にしなくていいといえる戸建ての特徴を3つ紹介します。
- 将来売却しやすい立地に立っている
- 住宅性能が明記された新しい建物
- 生活スタイルに合った間取りと広さがある
将来売却しやすい立地に立っている
戸建てであっても、駅からの距離や生活施設の充実度など、立地に優位性がある物件は売却時にも需要が見込めます。住宅の価値は建物よりも土地の条件に左右されることが多く、交通アクセスや周辺環境が整っているエリアであれば、将来の選択肢を狭めずに済みます。
「将来売るかもしれない」という視点は、購入時から意識しておくと安心です。
住宅性能が明記された新しい建物
省エネ性能や耐震性、断熱性といった性能が数値で示されている住宅は、目に見えない部分の安心感があります。住宅性能評価書が付いていたり、長期優良住宅として認定されている物件であれば、一定の基準を満たしている証拠となります。
設備や建材が新しく、しばらく大きな修繕が必要ない点も、暮らしやすさにつながります。
生活スタイルに合った間取りと広さがある
間取りや部屋数は、住んでからの満足度を大きく左右します。
たとえば、子育て世帯ならリビングとキッチンの動線、将来親と暮らす予定があるなら1階に個室があるなど、日々の動きに合った設計がされているかが大切です。
住宅の広さは「余裕」につながりますが、広すぎても持て余すこともあるため、自分たちの暮らし方とバランスの取れた間取りを見極めましょう。戸建ての購入で後悔しないためのポイント7つ
戸建ての購入は人生でも大きな選択のひとつです。後悔しないためには、さまざまな視点での確認が欠かせません。
ここでは、戸建て購入時に意識しておきたい7つのポイントを紹介します。
- モデルハウスや完成物件を内覧する
- 購入価格だけでなく維持費や修繕費も考慮する
- 施工会社や売主の信頼性を確認する
- 周辺環境や生活インフラを事前に調べる
- 老後・転勤など将来の変化に対応できるか考える
- 住宅ローンは無理のない範囲で組む
- 売却や賃貸の可能性も視野に入れておく
モデルハウスや完成物件を内覧する
図面や写真だけでは分かりづらい部分こそ、実際に見て感じることが大切です。
モデルハウスや完成物件の内覧では、間取りの使い勝手や生活動線、建材の質感などを具体的にイメージできます。
また、家具の配置や採光の具合、音の響き方など、暮らしに直結する要素を事前に体感できるのも大きなメリット。
将来の生活を想像しながら見学することで、「ここに住みたい」と思える家かどうかを確かめやすくなります。購入価格だけでなく維持費や修繕費も考慮する
住宅購入では物件価格に目がいきがちですが、住み始めてからの費用にも目を向けておく必要があります。
固定資産税や火災保険、外壁や屋根の定期的なメンテナンス費用などは、長く住むほど無視できない支出になります。
たとえば、外壁塗装や給湯器の交換といった大きな修繕は、10〜15年ごとにまとまった金額が必要になることもあります。
家計の中でゆとりを持ち続けるためにも、初期費用だけでなく、住んでからかかるお金を含めて計画を立てておくと安心です。施工会社や売主の信頼性を確認する
どれだけ魅力的な物件でも、建てた会社の実績や対応が不十分だと、購入後に不安が残るものです。
SNSや口コミサイトで評判をチェックしたり、過去の施工事例を確認したりして、信頼できるかどうかを見極めましょう。販売会社と施工会社が異なる場合は、施工会社の対応力やアフターサポート体制についても調べておくと安心です。
周辺環境や生活インフラを事前に調べる
物件の魅力に気を取られて周辺環境の確認を後回しにすると、住み始めてから不便を感じることもあります。
買い物施設や病院、通勤・通学のルートなど、普段の生活に直結するインフラは、現地で実際に歩いて確認するのが理想的です。
昼と夜で街の雰囲気が変わるエリアもあるため、時間帯をずらして訪れるのもおすすめです。老後・転勤など将来の変化に対応できるか考える
今は暮らしやすくても、ライフスタイルは年齢や家族構成の変化とともに変わっていきます。
たとえば、転勤で引っ越しが必要になることや、子どもの独立・親との同居・老後の生活など、将来の可能性を視野に入れておくことが大切です。
また、階段の上り下りが負担になる年齢を迎える前に、バリアフリーに対応できるか、リフォームの余地があるかなども確認しておくと安心です。
今だけでなく、10年後、20年後の暮らしにも無理がないか、長い目で住まいを選ぶことが後悔のない選択につながります。住宅ローンは無理のない範囲で組む
物件の価格だけに目を向けるのではなく、返済が家計にどれくらい影響するかを冷静に考えることが大切です。
ローン返済額が家計を圧迫すると、暮らしのゆとりがなくなり、将来的な教育費や予期せぬ出費への備えが難しくなることもあります。
月々の返済額だけでなく、ボーナス払いの有無や固定・変動金利の違いも確認しながら、長期的に安定して返していけるかを基準に組み立てましょう。売却や賃貸の可能性も視野に入れておく
今は「ずっと住み続けるつもり」でも、将来の転勤や家族構成の変化、ライフプランの見直しによって、住み替えが現実になることもあります。
そのため購入時点から「この物件は将来、売りやすいか」「貸し出すとしたら需要はあるか」といった視点を持っておくことが大切です。駅までのアクセスや生活利便施設の有無、間取りの汎用性などは、第三者から見た魅力にもつながります。長く住む家だからこそ、「手放す選択肢」が必要になったときにも困らないよう、資産価値の視点をあらかじめ意識しておくと安心です。
戸建ての購入でよくある質問
戸建ての購入を検討する中で、多くの方が共通して抱える不安や疑問があります。
ここでは、資産価値や費用面、将来の暮らしやすさに関する代表的な質問について、分かりやすく解説します。
- 戸建ては資産価値が下がりやすいって本当?
- 戸建ての購入時はローン以外にどんな費用がかかる?
- 戸建ては老後に不便になるって本当?
戸建ては資産価値が下がりやすいって本当?
一般的に、都市部での戸建て住宅では土地そのものに注目することが肝要です。
駅近や再開発エリアなどの好立地に建つ戸建ては、築年数が経っても一定の価値を保ちやすいとされています。
もし資産価値が下がりやすいと言われる場合は、主にその建物を指すことが多いです。特に木造住宅の場合は、建物の評価が築年数により下がりやすい傾向にあります。将来の売却を考えている場合は、土地の価値に注目するのがポイントです。
戸建ての購入時はローン以外にどんな費用がかかる?
物件価格のほかに、登記費用や火災保険料、仲介手数料、印紙税などの諸費用が必要になります。
さらに、入居後は固定資産税や維持管理費、将来の修繕費用も見越しておくと安心です。
ローンの返済だけで予算を組んでしまうと、後から想定外の出費に戸惑う可能性があるため、購入前に総額を把握しておくことが大切です。戸建ては老後に不便になるって本当?
戸建ては階段の上り下りや広い間取りが負担に感じられる場面が出てくるため、老後に不便という声もあります。
ただし、バリアフリー対応の間取りや将来的に1階だけで生活が完結する設計を選べば、長く快適に住み続けることも可能です。
あるいは、もし都市部で戸建てを持っている場合は。戸建て自体は売却して、フラットな集合住宅へと移り住むことを検討しても良いかもしれません。
特に立地選びをきちんと行い、ある程度の資産価値を維持できれば、都市部の戸建てであれば一定の水準で売却できる可能性があります。
売却益をもとにして、新しくマンションを購入したり、あるいは老人ホームへの入居費用に充てたりすることもできます。
重要なのは、将来売却を考えたうえで物件を選定することです。将来の変化を見据えて柔軟に対応できる設計を選ぶことが、老後の住み心地を左右します。リスクとメリットを理解して理想の戸建てを購入しよう
戸建ての購入には、メンテナンスの手間や資産価値の下落リスク、将来的な住み替えの難しさなど、慎重に検討すべき点がいくつかあります。
一方で、戸建てならではのメリットも多く、間取りの自由度や騒音への配慮が不要な点、専用の庭や駐車場など、暮らしの快適さを高める要素が揃っています。
また、将来的な売却や賃貸といった選択肢を見据え、立地や住宅性能に注目して選ぶことで、資産性を確保することも可能です。
デメリットだけに目を向けず、戸建ての魅力も正しく理解したうえで、自分たちに合った住まいをじっくり見極めていくことが、後悔のない住まい選びの第一歩となります。戸建てを検討されている方は、まずはオープンハウスの会員登録から始めてみませんか?会員になると、通常は掲載されていない限定物件の情報や、最新の販売状況をいち早くご覧いただけます。登録は最短30秒ほどで完了し、もちろん無料です。気になる物件を逃さないためにも、早めのご登録がおすすめです。
記事監修
加藤 健吾
宅地建物取引士/公認不動産コンサルティングマスター
首都圏10センター以上でのセンター長の他、マーケティング長・総務部長としての経歴も有する。複雑な不動産の資産価値に関し、幅広い知識と経験をもとにアドバイスを提供。
- 2025年1月時点の内容です。














