2014年3月25日
株式会社オープンハウス
2014年消費税増税直前緊急調査~消費税増税騒動・・・結局どうだったの?~
住宅購入意向者 「住宅を購入した」 約4割
購入者の5割以上が「増税前のほうがオトクだから」
既に始まっている10%消費税増税へ向けた購入意識
今回の非購入者「消費税10%への増税前には購入したい」7割以上
株式会社オープンハウスは、4月1日の消費税増税を直前に控えた3月に、現在、1都3県(東京都、埼玉県、千葉県、神奈川県)に在住していて、直近1年間に住宅購入を検討した30~40代既婚者500名(以下「住宅購入意向者」という)を対象に、「2014年消費税増税に伴う住宅購入意向者の動向調査」を実施いたしました。
本調査では、住宅購入意向者の約4割(36.8%)が直近1年以内に住宅を購入、そのうち半数以上(51.1%)が、購入の決め手を「消費税増税前に住宅を購入したほうがオトクだから」と回答。また、今回の調査で、住宅を購入しなかった方(非購入者)の7割以上(73.4%)は、2015年10月に予定される「10%への消費税増税前には住宅を購入したい」意向があることもわかりました。人生最大の買物と言われる"住宅"にも、今回の消費税増税が、一定の影響を及ぼしたようです。
その他、本調査でのポイントは、以下の通りです。
今回の調査では、住宅購入意向者の約4割が、この1年間で住宅を購入し、その半数以上が消費税増税を主な理由として挙げていました。また、住宅購入意向者の約4割が、「消費税増税決定を機に、住宅購入の検討を早めた」と回答していることからも、この4月からの消費税増税が、住宅購入意向者の動向に一定の影響を及ぼしたと言えそうです。
また、住宅購入意向者の半数以上が「減税措置やすまい給付金について十分に理解できなかった」と回答。さらに、住宅購入意向者の約6割が「住宅購入の検討に十分な時間を費やせなかった」と回答し、非購入者も7割以上が購入しなかった理由に「もっとじっくり検討したかったから」を挙げています。人生最大の買物だからこそ、より慎重に検討したいという思いが強く働いたことは当然推察できますが、一方で、減税措置やすまい給付金などの制度への理解が十分浸透していない現状も浮き彫りになりました。
そして、2015年10月には10%への消費税増税が予定されています。今回の非購入者の7割以上が「10%の消費税増税までには住宅を購入したい」と回答していることから、駆け込み需要も十分予想されます。しかし、その一方で、購入しなかった決め手として見受けられた「漠然とした不安」が、その購入意向に影響を及ぼすことも考えられるかもしれません。
男性 | 女性 | |
---|---|---|
東京都23区内在住 | 50名 | 50名 |
東京都23区外在住 | 50名 | 50名 |
埼玉県在住 | 50名 | 50名 |
千葉県在住 | 50名 | 50名 |
神奈川県在住 | 50名 | 50名 |
合計 | 250名 | 250名 |
【消費税増税による住宅購入に関する動向】
住宅購入意向者の動向に対して、一定の影響を及ぼした消費税増税
住宅購入意向者に、「直近1年(2013年4月~2014年3月)以内に、実際に住宅を購入(引渡し完了)しましたか?」とたずねたところ、約4割(36.8%)が「購入した」と回答。住宅購入意向者の実に3人にひとり以上が、直近1年以内で住宅を購入していたことがわかりました。【図1】
そして購入者に、住宅購入の決め手についてたずねると、「8%への消費税増税時よりも前に購入したほうがオトクだと思ったから」と、半数以上(51.1%)が答えました。【図2】
住宅購入のタイミングとしては、出産や子どもの就学などライフイベントがありますが、昨今のアベノミクスによる景況感や金利の先高観に加え、消費税増税が購入を後押ししたことが、今回の調査結果からもうかがえそうです。
今回、住宅を購入しなかった人(非購入者)に、「2015年10月には消費税が8%から10%へと増税が予定されています。それまでには住宅を購入したいと思いますか?」とたずねたところ、7割以上(73.4%)が「購入したい」と回答。【図3】
10%への消費税増税を見据え、今回の非購入者も、依然、住宅購入意識を高く持っているようで、今後の住宅購入動向が注目されます。
【消費税増税による住宅購入意向の変化】
消費税増税によって、住宅購入意識が生まれた、検討が早まった人が一定数見受けられた
住宅購入意向者に、「8%への消費税増税決定を機に、住宅を購入する検討を早めましたか?」とたずねたところ、4割以上(44.6%)が「早めた」と回答しました。【図4】
住宅購入意向者に、住宅購入意向を持った時期をたずねたところ、約6人にひとり(15.8%)が「消費税増税閣議決定以後から、住宅を購入したいと思っていた」と回答。【図5】
消費税増税が決まったことで、新たに住宅購入を検討した人も一定数いたようです。
実際に住宅を購入した割合を比較すると、「消費税増税閣議決定以前から、住宅を購入したいと思っていた」と回答した人は35.9%に対して、「消費税増税閣議決定以後から、住宅を購入したいと思っていた」と回答した人は41.8%でした。【図6】
【消費税増税による住宅購入の検討実態】
「減税措置や給付金について、十分に理解ができなかった」、「検討時間が足りなかった」が多数
住宅購入意向者に、「減税措置やすまい給付金などについて、十分に理解できましたか?」とたずねたところ、半数以上(56.6%)が「理解できなかった」と回答しました。【図7】
住宅購入意向者に、「住宅購入を検討するのに、十分に時間を費やすことができましたか?」とたずねたところ、約6割(57.0%)が「できなかった」と回答しました。【図8】
今回の非購入者に、住宅を購入しなかった決め手をたずねると、7割以上(72.2%)が「もっとじっくり検討したかったから」と回答しました。
また、「ローンなど返済額を見て不安になったから」(19.0%)、「なんとなく尻込みしてしまったから」(18.0%)、「8%への消費税増税時よりも後に購入したほうがオトクだと思ったから」(15.5%)と続き、計画的に購入を見送ったというより、漠然とした不安から購入を見送った人も多かったようです。こうした漠然とした不安をどう払拭するかという点も、住宅購入を決める際には重要なポイントとなるかもしれません。【図9】
【30~40代既婚者の住宅購入事情】
住宅購入に際して、親からの資金援助を期待する30~40代既婚者
30~40代既婚の住宅購入意向者に、「住宅購入を検討するにあたり、両親から資金援助(頭金など)を期待しましたか?」とたずねたところ、3人にひとり以上(35.0%)が「期待した」と回答しました。【図10】
今回の購入者に、「実際に住宅購入する際、両親から資金援助(頭金など)を受けましたか?」とたずねたところ、約5割(48.4%)が「受けた」と回答しました。【図11】
「資金援助を受けた」と回答した購入者に、その援助額をたずねたところ、「100万円以上500万円未満」が最も多く(34.8%)、次いで、「500万円以上1,000万円未満」(28.1%)、「1,000万円以上1,500万円未満」(18.0%)でした。【図12】
1000万円以上の高額な資金援助を受けている人も比較的多く、親のサポートを必要とする30-40代既婚者の台所事情が伺えます。
【30~40代既婚者の住宅購入事情】
住みたいのは住み慣れた「現在の居住地」、次いで「東京都23区」
住宅購入意向者に、「住宅購入を検討するにあたり、最も住みたいと思った地域は何処ですか?」とたずねたところ、東京都23区在住者、東京都23区外在住者、埼玉県在住者、千葉県在住者、神奈川県在住者とも、「現在の居住地」を回答しました。
また、1都3県全体でみると、「現在の居住地」に次いで、「東京都23区」に住みたいと思ったという回答が多く、他の地域に比べ、「東京都23区」への居住意向が高いこともわかりました。【図13】
住宅購入意向者に、「住宅購入を検討するにあたり、住みたいと思った地域を選んだ理由」をたずねたところ、62.6%が「住み慣れた地域だから」と回答。【図14】
また、「東京都23区」では、「職場までのアクセスが良いから」や「資産性が高いから」という理由も他県より多く見受けられたのが特長的でした。
住宅購入意向者が、この1年以内に実際に購入した地域は、「東京都23区」27.0%、「東京都23区外」40.0%、「埼玉県」36.0%、「千葉県」40.0%、「神奈川県」41.0%。【図15】
東京オリンピック開催の決定などで、昨今、注目されている都内23区の住宅市場ですが、4月の消費税増税にあたり、他の地域と比べると動向が少なかったのが現状のようです。
以上