マイホームを購入するにあたり、新築一戸建てと中古一戸建てのどちらにするか、悩む人もいるかもしれません。それぞれのメリット、デメリットを見てみましょう。
国土交通省が発表した「中古住宅流通の現状」によると、平成20年度に新規に住宅を取得した人のうち、中古一戸建てを選んだ人は13.5%となっていて、多くの人が新築一戸建てを選択していることが伺えます。
中古一戸建てを購入するメリットは、何といっても、物件価格の安さにあります。
実際、中古住宅を購入した人の74.2%は、購入を決めた理由として、「価格が適切だったから」と回答しています。
物件価格の安さに加えて、多くの中古一戸建てでは、消費税は不要です。消費税は、事業者が提供する商品やサービスに対して課税されるので、個人が売主である場合には、消費税は課税されません。市場に出ている多くの中古一戸建ては、売主である個人が不動産仲介会社に仲介を依頼して売却をすすめているケースがほとんどで、不動産仲介会社が仲介に入る場合でも、売主が個人であった場合、中古一戸建ての売買価格に消費税は課税されません。
物件の購入にかかる費用を抑えられる分、新築一戸建てでは住めなかった憧れのエリアに住んだり、浴室やキッチン周りなど、気になる箇所のみリフォームする費用に回したりすることが可能になります。
ただし、色あせや臭い、傷など、中古一戸建てならではの「使用感」や、設備・間取りの古さなどが気になる場合には、中古の一戸建てはおすすめできません。
また、中古一戸建てでは、建物の管理状態や広さ・設備などを実際に確認してから入居できるというメリットもあります。窓からの眺め、日当たり、風通しの良さなどもしっかりチェックできます。
中古一戸建ての場合、売主の瑕疵担保責任が免除、もしくは1~3ヶ月に設定されている場合が多く、その場合、入居後に床下の土台がシロアリ被害にあっている、建物が傾く、壁に亀裂が入る、雨漏りがする、などの瑕疵が発見されたとしても、原則として、売主に瑕疵担保責任を問うことはできません。
これは、中古一戸建ての場合、築年数がある程度経過しているので、瑕疵があることもある程度予想される、というとされるからです。中古一戸建てを購入する場合は、購入前に物件をよく調べておく必要があります。
一方、新築住宅を購入したのが新築を選んだ理由については、「新築住宅だから」と答えた人の割合が63.2%と、半数以上となっています。
最新の間取りと、最新の設備、誰にも使われていない浴室やキッチン、新築ならではの香りがするマイホームは、多くの人にとって、憧れのようです。
住宅ローンを利用して中古一戸建てを購入する場合、住宅ローン控除については注意が必要です。2014年4月の改正によって、住宅ローン控除の控除額は年間最大400万円にまで引き上げられましたが、引き上げ後の住宅ローン控除が適用されるのは、住宅取得時に消費税率8%、または10%が適用された住宅に対してのみです。
2014年4月以前に住宅を購入した場合や、消費税が課税されない個人が売主の中古一戸建ての場合は、改正前の住宅ローン控除が適用されるので、注意が必要です。
また、同じく2014年4月に導入されたすまい給付金は、一度不動産会社が買い取りをした中古一戸建てを仲介会社が販売する場合など、売主が宅地建物取引業者であった場合のみ給付対象となり、消費税が課税されない個人が売主の場合は、給付の対象外となります。
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