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家と暮らしのコラム
"生産緑地2022年問題"で、土地が値下がり!?

"生産緑地2022年問題"で、土地が値下がり!?

2020年2月10日(月)

家さがしの知識

マイホーム購入を検討中の方にとって、不動産価格がこの先どう変動するかは気になるもの。2022年に不動産の価格に影響を与えると言われている、"生産緑地2022年問題"をご存知でしょうか。2022年にどんなことが起こるのか、その影響や家さがしのベストタイミングを考えましょう。

目次

生産緑地と2022年問題

都市部の住宅街にある農地に「生産緑地」の看板が掲げられているのを見たことはありませんか。

「生産緑地」とは?

「生産緑地」は、市街化区域内の農地のうち、一定の条件を満たすことで指定を受けた農地のことです。

市街化区域とは、すでに市街地を形成している区域、おおむね10年以内に優先的かつ計画的に市街化を図るべき区域のこと。都市化が進む市街地の中に「生産緑地」を設けることで、緑地の持つ防災機能や緑地と調和する都市環境を守るというのが主な目的です。

国土交通省のデータによると、全国には12,972.5ヘクタール、東京ドーム約2,760個分の「生産緑地」があります(平成29年 都市計画実況調査より)。さらに、その約1/4にあたる3,164.0ヘクタール(全体の約24%)が東京都の「生産緑地」で、神奈川県は1,336.0ヘクタール(全体の約10%)、埼玉県は1,746.9ヘクタール(全体の約13%)となっています。

「生産緑地」の指定を受けると、土地の所有者は農業を経営する義務が生じるとともに、市街化区域内の他の農地に比べて、固定資産税が大幅に軽減されるという利点があります。

農地に対する固定資産税の課税について

  • ※1 既に農地として利用している場合は、軽減措置で宅地の評価額の1/3。
  • ※2一般農地と同様の負担調整措置がとられ、課税額の上昇が低く抑えられている。

"生産緑地2022年問題"とは?

現在の「生産緑地」の指定は、1991年の生産緑地法の改正を受けて1992年にスタート。当時、多くの土地所有者が「生産緑地」の指定を受けました。通常「生産緑地」は、指定から30年後に、自治体へ買い取りを申し出ることができます。

2022年に、面積ベースで約8割にあたる「生産緑地」が指定から30年が経過し、一斉に自治体に向けて買い取り請求をすると予想されており、緑地の減少や土地の供給過多などの問題が起きると言われています。これが "生産緑地2022年問題"です。

特に注目を集めているのが、「都市部の不動産が値下がりする」という予想。「生産緑地」が自治体に買い取られなかった場合、宅地向けに転用・売却される可能性が高く、宅地が増えることで周辺の土地や不動産の価格が下がるのではないかと言われています。

2022年問題は不動産価格に影響する?

2022年に多くの「生産緑地」の買い取り申し出が行われると、不動産価格にどのように影響するのでしょう。さらに、その対策として、2017年に行われた法改正についても、ご紹介します。

宅地が増えて不動産価格が下落?生産緑地法の改正当時、30年後に自治体に時価で買い取りされる想定でしたが、実際には予算が足りず、買い取りされないケースが多いのが実情です。

「生産緑地」の指定から外れた農地は、これまでより高額な固定資産税を払う必要があり、土地を手放す所有者も多く出てくるでしょう。

土地が民間に売りに出され、宅地として利用されるケースが増えれば、住宅やマンションなどの不動産の供給過多が起こり、周辺の不動産価格の急激な下落が起こるかもしれないと予想されています。はたして、そうなのでしょうか。

対策として生産緑地法が改正

2022年問題を懸念して、2017年に生産緑地法が以下のように改正されました。

2017年の生産緑地法の改正の概要

この法改正により、「生産緑地」に指定されている土地が2022年に一斉に売りに出されるリスクは減ったと予想されています。

マイホームの買い時を見極めるには?

法改正が行われたとはいえ、"生産緑地2022年問題"が不動産にどの程度、影響を及ぼすのか予測することは難しいと言えるでしょう。

マイホームの購入を検討中の方は、まず住みたいエリアの「生産緑地」の面積を調べることが、買い時を知る1つの目安になります。

住みたいエリアの生産緑地をチェック

国土交通省の「都市計画区域、市街化区域、地域地区の決定状況」を見ると、各自治体の「生産緑地」の面積をチェックできます。東京都内で「生産緑地」の多い自治体と少ない自治体のベスト3をピックアップしてみました。

  • (平成29年3月31現在)

横浜市の場合は、行政地図情報提供システムで、地図上の気になるエリアをクリックして表示した後、左メニューの「地区計画その他地域地区等」をチェックすると「生産緑地」が地図上に表示されます。

生産緑地2022問題"の捉え方として、「生産緑地」の少ない都市部でマイホームの購入を検討する場合は、比較的その影響は少ないと言えるでしょう。

待つことによる、リスクもチェック

マイホームの買い時を見極めるには、不動産価格の動向をうかがうことも大切ですが、購入を待つことの損失も知っておくことが大事です。

1)購入を延ばした間の家賃は? 例えば、毎月12万円の家賃を払っているご家族が、2年間購入を延ばした場合を考えてみましょう。単純に計算しても、12万円×12ヵ月×2年=288万円の家賃を払うことになります。

2)住宅ローンが借りにくくなる? 購入時期を延ばすと住宅ローンをスタートする年齢も上がり、定年までの年数も短くなることに。そうなると住宅ローンの審査に通りにくい、借入額自体が少なくなる、などのリスクが出てきます。

これが結論!

ポイント1

都市部では、"生産緑地2022問題"による不動産の値下がりは限定的という見方も。気になるなら、住みたいエリアの「生産緑地」状況をチェック!

ポイント2

2022年まで待つことのリスクを正しく理解。年齢や子育てプランなど、ライフスタイルに合わせて、マイホームの購入を検討しましょう。

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