土地購入の注意点を9つ紹介します。また、土地探しや購入の流れも解説するのでぜひ参考にしてください。
この記事では、土地購入の注意点を9つ紹介します。
マイホームは長年にわたって住み続けるだけでなく、高額な買い物となるので、しっかりリサーチしてから購入することが非常に重要です。
また、土地購入に関する事前知識が備わっていないと後悔してしまうでしょう。この記事では、土地探しや購入の流れも解説するので、ぜひ参考にしてください。
【この記事でわかること】
土地購入の前に確認すべき注意点は以下の通りです。
順番に見ていきましょう。
土地の所有者が自由に建築できると、相性の悪い建物同士が隣接してしまうかもしれません。
都市計画に基づいて計画的に市街地を形成できるように、建築される建物の規模や用途を制限する「用途地域」という仕組みがあります。
用途地域は住居系、商業系、工業系に分類され、さらに以下13種類存在します。
用途地域は、種類によって建てられる高さや床面積などに制限があります。
たとえば、第一種低層住居専用地域であれば建てられる高さが10mや12mなどに制限されており、床面積50㎡以下の一戸建てやマンションなどが対象です。一方、工業専用地域は名前のとおり工場のみに限られ、住宅は建てられないなどの制限があります。
建築可能な建物の大きさや高さ、用途などの規制について、購入前に把握しておきましょう。
マイホームを建てるには、道路に接している土地でなければなりません。
建築基準法において「接道義務」として定められており、建築物の敷地は幅員4m以上の道路に対して、2m以上接している必要があります。
中には、特例で接道部分が2m未満でも建築可能な自治体もあるため、お住まいの自治体の条例を確認しておきましょう。
また、見た目は道路であっても、建築基準法で道路として認められていなければ、接道していないとみなされるので要注意です。
ここでは、土地購入の注意点として以下9点を解説します。
上記9つの注意点について詳しく解説するので、どのような注意点があるのかチェックしてみましょう。
土地の相場を把握しておけば、適正価格で土地を購入できます。相場より大幅に安い土地の場合、土地の価格が下がるような問題点を抱えているリスクもゼロではありません。
また、相場より高すぎる土地を購入せずに済むのも大きなメリットです。土地の相場を知りたければ、不動産会社のホームページや、公的機関が公表するサイトを活用すると良いでしょう。
土地の地盤が強固であるか、確認しておくことも重要です。
地盤が弱い場合、地震や浸水などによる建物倒壊のリスクが高まり、補強工事が必要になる場合があります。
事前に地盤調査を行い、自治体が提供するハザードマップや地質データなども参考にしましょう。不安な場合は、専門家の意見を聞くことも非常に重要です。
災害時の安全性を確認しておくことも、土地購入で非常に重要なポイントです。
土地を購入してマイホームを建てても、災害時に損壊・倒壊してしまえば住み続けることができません。日本は自然災害が多く、大地震や台風、豪雨などさまざまです。
自然災害に弱い土地は、さまざまな工事を取り入れて安全性を確保しなければなりません。たとえば、地震に備える場合、耐震構造や制震構造が必要不可欠です。
ただし、いくら倒壊を防いでも地盤が弱ければ、地盤沈下や液状化のリスクが高まります。そのため、地盤調査に基づいた地盤補強工事を行い、改良する必要があるでしょう。
土地に水道や電気、ガスなどのインフラが整備されているかを確認することも重要です。
インフラが未整備の場合、接続工事の費用や手続きが必要で、予算に影響するおそれがあります。さらに、インターネット環境など、生活の利便性に直結する設備も確認しましょう。
土地を購入しても、インフラが必ずしも整備されているとは限りません。このように、新たに設備を整えなければならない土地では一定のコストがかかるので、購入前にインフラの設備状況を確認することをおすすめします。
土地の高低差を確認しておくことも、土地購入において重要なポイントです。
高低差がある場合、造成工事や擁壁の設置が必要になり、追加費用が発生します。また、排水や隣地との境界に関するトラブルなども考慮しなければなりません。
このようなトラブルを防ぐためにも、実際に現地を訪れて地形を確認することが推奨されます。
土地は購入前に、3ブロック先まで周辺環境を確認しておくことも重要です。資料だけでは気付きにくいポイントもあるので、実際に歩いてみると分かりやすいでしょう。
チェックしたい周辺環境のポイントとして、以下が挙げられます。
駅までの距離は80mあたり徒歩1分として算出されますが、途中に信号や踏切があれば時間がかかることがあります。
また、周辺の空き地に、高層建築物や騒音の心配がある建築物の建築計画がないか、確認しておきましょう。
特に注意したいのは、隣地が空き地や駐車場の場合です。仮に住宅が建っても、日当たりやプライバシーを確保できるような間取りにすると良いでしょう。
将来的に妊娠・出産の予定がある家庭や、すでに子どものいる家庭では、保育園や幼稚園、学校などへの距離や安全性も重要な要素です。
隣地との境界線を確認しておくことも重要です。購入する土地の面積は、隣地との境界を明確にしなければなりません。
隣地との境界線上に塀がある場合、共有することになります。邪魔に感じたからといって勝手に破壊したり、修繕したりできないので注意が必要です。
抵当権とは、住宅ローンを組んで土地を購入する際、金融機関が不動産を担保とする権利です。
住宅ローンの支払いが滞ると、債権者に差し押さえられて不動産が競売にかけられるリスクがあります。契約通りにローンの支払いを続けていれば、抵当権を行使される心配はありません。
抵当権が設定されるのは、住宅ローンの借り入れや借り替えのタイミングです。
住宅ローンの中には抵当権が設定されていない「無担保ローン」という商品もありますが、一般的な住宅ローンより借入可能金額が少なく、返却期間も短い傾向にあります。
土地の購入でかかる費用は、土地代だけでなく諸費用も考慮する必要があります。土地代以外の諸費用として、主に以下が挙げられます。
上記以外にも、インフラ工事や補強・擁壁工事などの費用もかかります。そのため、土地代だけでなく他にもどのような費用が必要なのか、トータルコストを考えることが重要です。
ここでは、土地探し・土地購入で後悔しないためのポイントを解説します。
順番に見ていきましょう。
マイホームを建てるための土地を探す際、まずは優先順位を明確にすることが大切です。土地を購入する決め手となる要素には、以下が挙げられます。
通勤・通学時間 | ●最寄り駅までの距離が近い |
生活 | ●スーパー・コンビニエンスストアが近くにある |
周辺環境 | ●周辺に嫌悪施設がない |
土地の履歴 | ●浸水・洪水の履歴がない |
優先順位は各家庭において異なるうえ、家族内でもそれぞれ違った意見が出てきます。
マイホームは長年にわたって住み続けるため、家族内でしっかり話し合う場を設け、より住み心地の良い土地を選びましょう。
土地購入は、専門家である不動産会社に相談するのがおすすめです。不動産会社は豊富な知識と情報を保有しており、より条件に合った土地かどうかを判断してくれます。
また、優良な土地情報はインターネットに掲載せず、対面で相談に訪れた人にのみ紹介する不動産会社もあるので、積極的に相談しましょう。
土地を購入し、正式な所有者になるには、売主と買主の間で土地の所有権を移転するための合意を結ばなければなりません。
土地探し・土地購入の主な流れは以下の通りです。
土地探し・購入までの流れ | 注意したいポイント |
1.物件探し | ●不動産会社やウェブサイトを活用して条件に合う土地を探す |
2.現地・周辺環境の確認 | ●候補地が決まったら、実際に現地を訪れて周辺環境を含めて確認する |
3.重要事項説明 | ●宅地建物取引士から、土地の法的制限、権利関係、インフラ状況などについて説明を受ける |
4.売買契約の締結 | ●土地の価格や決済日、引き渡し日といった売買条件を確定して契約書を作成する |
5.手付金の支払い | ●売買契約に際して、買主から売主に支払います |
6.残金の支払いと所有権移転 | ●契約で定めた決済日に残金を支払い、所有権移転の手続きを行う |
7.引き渡し | ●売主から買主へ土地が引き渡され、正式に土地の所有者となる |
土地の引き渡し完了後、土地の管理責任は買主に発生するようになるため、マイホーム建設を進めることができるでしょう。
土地には用途地域による規制や、接道義務などが定められており、必ずしも思い通りのマイホームを実現できるとは限りません。
また、安心して長く暮らし続けるには、地盤の強さや災害時の安全性、周辺環境なども重要な要素です。
土地購入で後悔しないためには、現地をしっかり見学したうえで、不動産会社などプロに相談することをおすすめします。
記事監修
宅地建物取引士/公認不動産コンサルティングマスター
首都圏10センター以上でのセンター長の他、マーケティング長・総務部長としての経歴も有する。複雑な不動産の資産価値に関し、幅広い知識と経験をもとにアドバイスを提供。
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