この記事では、自治会に入らないと戸建て住宅でゴミ出しできないのかについて解説します。
新居に引っ越しをしたら、新しい居住地で自治会や町内会に入るケースが一般的です。ただし、近年ではライフスタイルの変化によって自治会に加入しない人も増えており、未加入の場合にゴミ捨て場などの施設を利用できるか不安に感じる人も少なくありません。
この記事では、自治会や町内会に加入しないメリット・デメリットや、未加入でもゴミ回収を利用する方法もお伝えします。
【この記事でわかること】
総務省の資料では、以下のように定義付けられています。
【自治会・町内会などとは】
参考:
また、公益財団法人 日本都市センターによると、役割として主に以下の内容が挙げられます。
活動内容 | 調査当時の活動割合 |
---|---|
地域の祭事・イベント | 69.0% |
環境(清掃・美化、ゴミ・資源、環境保全など) | 53.4% |
行政からの連絡事項の伝達 | 46.1% |
住民相互の連絡 | 44.2% |
集会施設の維持・運営 | 23.7% |
防災・危機管理(地域防災マップの作成、要援護者の避難支援、安否確認など) | 23.1% |
参考:
地域コミュニティの現況と人材発掘・育成の取組み丨公益財団法人 日本都市センター(p.47)
上記のような活動を通じて、地域住民の豊かな生活の維持や実現に取り組んでいます。
自治会や町内会について、以下2点から詳しく見ていきましょう。
あくまで任意であるため、加入しない選択も可能です。
実際、総務省のデータによると、2021年の自治会への加入率は71.8%でした。つまり、1/4以上の人が自治会や町内会に加入していないと分かります。参考:
自治会等に関する市区町村の取組に関するアンケートとりまとめ結果丨総務省(p.3)
マンションの管理組合は、マンションの所有者全員で構成されている団体です。共用部分の修繕やルールの管理などを担当しており、分譲マンションを購入して区分所有者になった人は加入義務があります。
一方、自治体や町内会は、地域全体の環境整備や防災活動を主な役割としています。
管轄する箇所や加入義務の有無が大きな違いです。ただし、現状多くの自治会が未加入者のゴミ集積所の利用を許可していません。
国立研究開発法人 国立環境研究所によると、7割程度の自治会が未加入者によるゴミ集積所の利用を認めていませんでした。地域によっては、自治会に入らないとゴミ出しできないケースが考えられます。
自治会に加入していない人がゴミ捨て場を使いにくい理由として、以下2点を見ていきましょう。
参考:
増える自治会未加入者、ごみ集積所の管理はどうする?丨国立研究開発法人 国立環境研究所
自治会が所有している土地や施設を集積所として使用しているケースもあり、その管理費用も自治会の加入者が負担しています。
そのため、費用を支払っていない未加入者は、利用できない場合もあるでしょう。
自治会がゴミ集積所を管理している場合、自治会加入者はその管理費用を負担するだけでなく、当番で集積所の清掃を実施していることがあります。加入者からすると、費用負担や清掃を行っていない人が集積所を利用することに対して、不公平感を抱いてしまうでしょう。
このような不公平感は地域住民の間でトラブルが起きる原因になり得るため、未加入者の利用を断られる場合があります。自治会に入らないデメリットとして、ゴミ捨てを断られるリスクの他に以下3点が挙げられます。
自治会はゴミ集積所の管理や清掃の他に、地域のイベントを催すなど住民同士が交流する機会を提供しています。
未加入の場合、近隣住民と触れ合う場が減ってしまい、互いに情報共有をしたり助け合ったりすることが難しくなるでしょう。また、将来的に子どもが進学した際、親の孤立が子ども同士の親交に影響するおそれも考えられます。
万が一、災害が発生した際には、自治会が主体となって避難所の運営や物資の配布などの支援活動を実施することがあります。
自治会に加入していないとこれらの情報を入手しにくいため、必要なサポートを受けられないおそれがあります。また、支援を受けようとしても、自治会の加入者を優先されて受けられないことがあるでしょう。
自治会は、夏祭りや運動会など地域のイベントを主催しています。
イベントにかかる費用は自治会と加入者が負担しているため、未加入の場合はイベントに参加できないことがあるでしょう。地域住民との交流の場を逃すだけでなく、家族も孤独感を感じる場合があります。
一方、自治会に入らないメリットとして以下3点があります。
自治会費は地域によって異なり、月に200〜300円程度の自治会もあれば、月に1,000円以上の支払いが発生する自治会もあります。
自治会に加入してもイベントなどにあまり参加しない人にとっては、会費の負担が大きいと感じられるでしょう。
自治会の活動に参加する際には、地域の人々との交流が伴います。イベントに参加する際だけでなく、役員に選ばれた場合は役員同士で話し合いなどを実施することもあるでしょう。
付き合いが苦手な人やプライベートを重視する人にとっては、自治会での人間関係がストレスになるケースがあり、未加入の場合はこれらのストレスを避けやすくなります。自治会の加入者は、順番で役員や当番などの役割が回ってくることがあります。
会議に出席したりイベントを運営したりするなど、時間的な負担が大きくなるでしょう。未加入の場合はこれらの負担が発生しないため、共働きの家庭や子育てなどで忙しい家庭は、時間的負担を理由に自治会に加入しないことがあります。
ここでは、戸建て住宅を購入したあと、自治会に未加入でもゴミ回収を利用する方法を見ていきましょう。
居住している市や区の担当部署に、ゴミ捨ての方法について尋ねましょう。
自治体は地域のごみ収集に関するルールを把握しており、自治会に未加入の場合でもゴミを処理できる方法を教えてくれます。
ゴミ捨ての方法に対する回答は自治体によって異なるため、自分で判断せずに相談してみることがおすすめです。各家庭の玄関先などから直接ゴミを収集してくれるため、自治会が管理しているゴミ集積所を使用する必要がありません。
ただし、自治体によっては高齢者や障害がある人の単身世帯に限定している場合があります。利用を検討する前に、自治体のホームページなどで確認しておきましょう。
自治会と交渉したり、自治体に相談したりしても解決しない場合、最終手段として法的対応を検討するのも選択肢の1つです。
実際、ゴミ捨ての利用可否を巡る裁判は起きており、未加入者は集積所を利用できないとする自治会の対応を違法だと判断したケースもありました。ただし、法的手段は弁護士への依頼費用や時間がかかるため、状況に応じて弁護士への相談を慎重に考えましょう。
参考:
ここでは、自治会の未加入に関してよくある質問に回答します。
自治会への加入は法律で義務付けられていません。そのため、未加入の場合でも非常識だとは一概にいえません。
ただし、中には自治会への加入が慣習化されている地域もあり、そのような地域では非常識と捉えられることがあります。問題解決のための助言や仲介を行い、解決に向けて協力してくれることがあります。
それでも解決しない場合や程度がひどい場合には、弁護士など専門家への相談を検討しましょう。
この記事では、自治会に入らない場合のゴミ捨てについて解説しました。
自治会や町内会は、加入が法律で義務付けられている訳ではありません。未加入の場合でもゴミ集積所は利用できますが、自治会によっては利用を断られたり他の住民に不公平感を与えたりするなど、トラブルの原因となることがあります。
自治会への加入は、メリットとデメリットを比較してから判断することが重要です。加入しない場合には、ゴミ捨てについて役所に相談したり戸別収集を依頼したりする方法を検討してください。
記事監修
宅地建物取引士/整理収納アドバイザー1級/フードスペシャリスト/一級衣料管理士
ディスプレイ器具リースの前職を経て、整理収納アドバイザーとして独立。多くの住まいの整理・お片付けをコンサルティングした後オープンハウスに入社。契約後のお客様の引き渡しまでのサポート業務に従事し、2021年度社内賞(顧客満足賞)受賞。お客様の生活スタイルをお伺いした上での的確な提案を得意とする、衣食住のスペシャリスト。
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