待機児童とは、認可保育所に申し込みをしたにも関わらず、入所できない児童のこと。保育士や保育所不足の他、核家族化が進み、祖父母に育児を手伝ってもらえないこと、共働き世帯の増加、出産後も仕事を続ける女性の増加などが原因で、特に、受け入れの少ない3歳未満児や都心部において、問題が深刻化しています。
東京都福祉保健局が2015年7月に発表した「東京都内における2015年4月1日現在の保育サービス利用状況等」によると、2014年4月1日調査時と比べた東京23区の1年間の待機児童減少率は、大田区が298.05%で、第一位になりました。
東京23区全体での減少率が13.27%なことを見ても、大田区の待機児童減少率がいかに突出した数字かが分かるかと思います。
2001年3月に公立保育園への民間企業の参入が認められて以降、公立保育所の民営化の動きは加速しています。特に、地価が高い都心部において、事業者の所有しているスペースを利用して保育所を設置できるのは魅力的で、民営化の結果、3歳未満児の受け入れや延長保育、産休明け保育など、多様なサービスの拡充が進んでいます。
民営化の一例として、東京都では、鉄道各社や事業者と協力して、駅ナカ・駅チカなどの駅型保育所の設置を促進しています。JR東日本では、既に80ヶ所以上の駅型保育園を開設しており、2013年には、JR山手線沿線で初めて「大塚」駅に駅直結型の認可保育園を開設しました。
東京都では、その他、就職支援研修や就職相談会、保育士就職支援セミナーなどを無料で実施するなど、保育士の育成と就職支援に取り組んでいます。
保育サービスを提供している施設は、認可保育園以外にも、認証保育所、保育ママ、小規模保育など、多岐に渡ります。大田区では、一般の方には違いが分かりにくいこれらの保育サービスと各家庭を、それぞれのご家庭の年収や勤務状況に応じて適切に結びつけることを目的として、月に何度か出張相談会(無料)が実施されており(2015年7月現在)、小さなお子様がいるご家庭や妊娠中の方でも参加しやすいように、児童館や特別出張所、子ども家庭支援センターに、区立保育園勤務経験がある保育士が出張し、保育サービス・子育て支援に関する情報提供や子育て相談を行っています。
また、人材の確保と定着を目的として、法人が借り上げた宿舎に保育施設の職員を入居させる場合、その法人に対して、宿舎の賃料、共益費、管理費、礼金について、必要経費の8分の7(一戸あたり最大71,000円を上限)を区が負担する「保育従事職員宿舎借り上げ支援事業」も実施しています。
さらに大田区では、保育士、看護師、栄養士など、私立保育園で働きたい方と区内の私立保育園運営事業者(私立認可保育園、認証保育所、小規模保育所など)約50法人のマッチングを支援する「私立保育園就職フェア」の開催なども積極的に行っています。
地価の高い都心では、コンパクトな土地の方が買いやすく売りやすい傾向にあります。
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