この記事では、戸建て住宅に宅配ボックスは必要かどうかについて解説します。
近年、ネットショッピングの利用者が増えたことで宅配サービスの需要が高まり、戸建て住宅に宅配ボックスを設置する家庭が増えています。
不在時でも荷物を受け取れる利便性や、対面不要で受け取れる安心感など、多くのメリットがあります。一方で、設置費用やスペースの確保、荷物のサイズ制限などの課題もあるのが現状です。
この記事では、宅配ボックスを設置するメリット・デメリットを詳しく紹介します。宅配ボックスの設置を検討している人は、ぜひ参考にしてください。
【この記事でわかること】
ここからは、それぞれの特徴などを解説します。
設置工事が不要で価格も安いため、すぐに導入したい方に適しています。また、使用しないときはコンパクトに折りたためるため、玄関前のスペースを占有することもありません。
ただし、宅配ボックスごと動かせるため防犯性が低かったり、素材の耐久性が劣っていたりする点には注意が必要です。
金属製で頑丈であり地面に固定するため、防犯性や耐久性にも優れています。既存の住宅であっても、設置工事も比較的簡単に行えるのが特徴です。
ただし、簡易型とは異なり、設置するにはスペースの確保が必要です。
門柱には表札や照明なども設置できるため、玄関先がすっきりした印象になります。デザイン性と機能性を兼ね備えているのが、機能門柱型の大きな特徴です。
ただし、専門業者に依頼して工事を行う必要があるため、新築やリフォームのタイミングで設置されることが多いです。
宅配業者が外側の道路から配達物を入れ、受け取る人は内側から取り出すため、セキュリティ性が高いといえます。また、機能門柱型の宅配ボックスと同様に、外観を損なわずにスペースを有効活用できるのが魅力です。
ただし、設置には大掛かりな工事が必要で費用も高くなりやすいため、新築時やリフォーム時に導入されることが大半です。
室内から直接荷物を受け取れるため、天候に左右されず便利です。郵便ポストとセットで導入することも多くあります。
家の壁に穴を開けるため、大規模な工事になりがちです。また、抵抗感がある人も少なくありません。
ここでは、戸建て住宅に宅配ボックスを設置するメリットを3つ紹介します。
宅配ボックスを設置する最大のメリットは、家を留守にしていても荷物を受け取れることです。
宅配ボックスがない場合、時間指定や時間内に受け取れるように自宅にいる必要があります。
特に共働きの家庭では、日中に配達された荷物を受け取れず、不在票をもとに再配達を依頼しなければなりません。
宅配ボックスがあれば配達時間を気にせずに荷物を受け取れるため、再配達の手間を省くことが可能です。宅配ボックスを利用すれば、配達員との対面が不要になります。
入浴中や料理中などのすぐに玄関に出られない状況でも荷物を受け取ることが可能です。また、体調が優れないときや身なりを整えていないときでも荷物を受け取れるため、ストレスを軽減できます。
他にも、集中力が求められる作業中にインターホンが鳴り、集中が切れてしまうことがないのも大きな魅力です。
近年よく利用される玄関先に荷物を置くことで配達完了とする「置き配」では、すぐに荷物を受け取らないと盗難されてしまうリスクがあります。
鍵付きの宅配ボックスでは、荷物を配達してくれた宅配業者の人がロックを掛けてくれます。無防備ではないため、盗難リスクを大きく減らせます。
ここでは、戸建て住宅に宅配ボックスを設置するデメリットを4つ紹介します。
簡易的なタイプであれば数千円から設置できますが、高機能なものでは10万円以上する場合もあります。さらに、設置工事が必要なタイプでは、別途工事費用が発生することもあります。
また、機械製品であるため、故障時の修理費用や定期的なメンテナンス費用もかかるほか、電源が必要なタイプでは電気代も発生します。
移動できる簡易型であれば、玄関ドアの開閉時に気にする必要は少ないでしょう。
しかし、固定型や大型の宅配ボックスを設置する場合、玄関ドアの開閉に支障がないように適切な場所を選ぶことが重要です。
玄関前のスペースが限られている住宅では、設置場所の確保が難しい場合もあります。
一般的な段ボールである100サイズが入る大きさ(縦・横・高さの合計が100cm)になっている宅配ボックスが多く取り扱われています。
しかし、大型の荷物や複数の荷物が同時に届いた場合、すべてを収納できないことが考えられます。
また、冷蔵・冷凍が必要な生ものや貴重品、代金引換や着払いの荷物は宅配ボックスに入れられない場合が多いため注意が必要です。
特に配達員が日によって異なる場合、毎回宅配ボックスの利用を促すことになるでしょう。
暗証番号タイプの場合、宅配業者の人が不在票に記入する暗証番号と実際の番号が異なると荷物を受け取れません。
このように、宅配業者が適切に利用してくれないことも考えられます。
種類ごとの宅配ボックスの設置にかかる費用相場を表で比較すると以下のとおりです。
種類 | 概要 | 本体価格の相場 |
---|---|---|
簡易型 | 設置工事が不要で、ワイヤーを使って固定するタイプ | 3,000~8,000円 |
設置型 | 地面や壁に固定するタイプ | 5~10万円 |
機能門柱型 | ポスト、宅配ボックス、表札、インターホンなどを一体化した門柱タイプ | 9~15万円 |
壁埋め込み型 | 住宅の外壁やフェンスに埋め込むタイプ | 6~13万円 |
貫通型 | 外壁に設置し、外側から荷物を受け取り、内側から取り出せるタイプ | 10~18万円 |
一方で、地面や壁に固定する必要があるタイプは5万円以上の宅配ボックスも少なくなく、壁に貫通するタイプは工事費込みで20万円かかる場合もあります。
戸建て住宅に設置する宅配ボックスの選び方として、以下の3つのポイントを押さえておきましょう。
素材 | 特徴 |
---|---|
金属製(スチールやステンレス) | ・強度が高く、耐久性や防犯性に優れている ・雨風にも強く、長期間使用できる ・重量があるため設置場所の強度確認が必要 |
プラスチック製 | ・設置は簡単で、使用しないときは折りたたんで収納できる ・価格が安い ・防犯性や耐久性は他の素材に比べて低い |
たとえば、長期間の使用や防犯性を重視する場合は金属製、手軽さや収納性を求める場合は布製を検討するとよいでしょう。
一般的に、縦・横・高さの合計が100cmの「100サイズ」の荷物が多く利用されています。特に設置場所の制限がある場合を除き、最低でも100サイズの大きさの宅配ボックスを選ぶことをおすすめします。
また、普段から100サイズ以上の大きさの荷物を受け取る人や大きなサイズの荷物も対面で受け取りたくない人は、120サイズや140サイズのものを選ぶのもよいでしょう。
普段受け取る荷物のサイズを考慮し、適切な容量のものを選びましょう。
種類 | おすすめできる場面 |
---|---|
簡易型 | ・限られたスペースに設置したい ・一時的に宅配ボックスを利用したい |
設置型 | ・玄関前のスペースに余裕がある ・手軽に防犯性の高いものを導入したい |
機能門柱型 | ・敷地の入口付近に設置したい ・玄関前のスペースを有効活用したい |
壁埋め込み型 | ・敷地の入口付近に設置したい ・外観との一体感や防犯性も重視したい |
貫通型 | ・玄関を開けずに荷物を取り出したい ・盗まれるリスクを最低限まで抑えたい |
たとえば、玄関前に十分なスペースがある場合は設置型、スペースを有効活用したい場合は簡易型や機能門柱型を検討するとよいでしょう。
また、外観との一体感を重視しながら宅配ボックスの利便性を求める人は壁埋め込み型、雨天時や寒い日でも快適に荷物を受け取りたい人は貫通型がおすすめです。
戸建て住宅の宅配ボックスを設置したはよいものの、以下のようなトラブルが起こってしまうケースは少なくありません。
ここからは、トラブルの詳細と対策を見ていきましょう。
原因として、配達員が誤って別のボックスに荷物を入れてしまったり、盗難に遭ったりした可能性などが考えられます。
家族に確認しても荷物が見当たらない場合は、配達員や配送業者に連絡して状況を確認します。盗難の可能性がある場合は、警察に相談してください。
防犯対策として、宅配ボックスの施錠を確実に行い、防犯カメラの設置を検討することも有効です。
配達通知書が郵便ポストに入っていないなどの理由で荷物の到着に気づかないと、放置してしまうこともあります。
対策として、帰宅したタイミングで定期的に宅配ボックスを確認する習慣をつけることが効果的です。また、スマートフォンと連携して通知を受け取れる宅配ボックスを利用することで、荷物の到着をリアルタイムで知ることもできます。
そのときは、1つずつ番号を試すのも解決策の1つですが、種類によっては入力を一定回数以上間違えるとロックが掛かってしまうものもあります。
万が一開けられない場合は、メーカーや設置業者に連絡して、リセット方法やマスターキーの使用について相談してください。
対策として、通知などで荷物が届いたことを知ったら、郵便受けに放置することなく早めに回収しましょう。
対策として、子どもには簡単に開けられない構造の宅配ボックスを選ぶことをおすすめします。また、子どもに宅配ボックスで遊ばないように注意しておくことも重要です。
戸建て住宅に宅配ボックスを設置することで、不在時や非接触での受け取りもできるようになります。一方で、初期費用やメンテナンスコストがかかるほか、設置スペースの確保が必要であったり荷物のサイズに制限があったりするデメリットもあります。
設置場所やよく受け取る荷物のサイズを考慮して、適切な種類や大きさの宅配ボックスを利用しましょう。また、宅配ボックスに荷物が入っていなかったり、暗証番号を忘れてしまったりするトラブルも少なくありません。トラブルを防ぐためには、配達状況を確認する習慣をつけたり、暗証番号の管理を徹底したりすることが重要です。
記事監修
宅地建物取引士/2級ファイナンシャル・プランニング技能士
東京・神奈川の複数センターでセンター長を歴任後、営業推進部長や埼玉・名古屋エリアの立ち上げにも寄与。2022年からは契約管理部門にて、オープンハウス全国の契約書作成や引き渡し業務を統括中。
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