「建築中にハウスメーカーが倒産したら?」、「入居後間もなく雨漏りしたら?」。そんな不安はありませんか。これからマイホーム探しを始める方のために、大切なマイホームとご家族を守る、安心の制度をご紹介します。
ハウスメーカーや施工業者(施工主)の倒産などによって工事が中断してしまった場合、前払い金が返金されない、工事再開までに長い期間がかかる、新しい施工主を探さなくてはいけない、追加費用がかかるなど、施主(建物の建築を依頼した人)に大きな負担がかかります。
この負担を最小限に抑え、工事の完成を支援する制度が、「住宅完成保証制度」です。住宅完成保証制度は、複数の民間企業が提供しており、保証範囲や限度額は、保証会社によって異なります。
建物が完成してお引き渡しが完了するまでは、建築中の建物の所有権は施工主にありますが、住宅完成保証制度に加入していれば、施工主が倒産した場合、保証会社に所有権が移転される仕組みになっています。また、施主の希望があれば、保証会社が工事を引き継ぐ施工主を斡旋してくれます。これにより、早期の工事再開が可能になります。
また、引き継ぎ工事代金や過払い金などが発生した場合も、一定額を限度に保証されます。例えば、施工主が倒産、工事引き継ぎ費用が100万円発生し、前払い金1,000万円を払ったうちの800万円分しか工事が進んでいない場合、100万円+(1,000万円-800万円=)200万円=300万円が保証会社によって保証されます。
住宅完成保証制度を利用するためには、施工主が事業者として住宅完成保証制度に登録していることが必須です。住宅完成保証制度には、代表者との面談、過去の処分歴、営業実績、経営状況などの審査をクリアした施工主のみが登録できます。施主は、施工主を通して保証制度の申し込みを行い、保証料を支払うことで、住宅完成保証制度の適用を受けられます。
すべての新築住宅を供給する事業者は、柱、梁、耐力壁、基礎、地盤、土台など、構造躯体造耐力上主要な部分、および外壁や屋根などの、雨水の浸入を防止する部分の瑕疵に対して、10年間の瑕疵担保責任を負うことが法律で定められています。
万が一事業者が倒産した場合でも、この10年保証が確実に行えるように、事業者に「保険への加入」、または「保証金の供託」にて、あらかじめ資力を確保することを義務付けたのが、「住宅瑕疵担保履行法」です。
保険、供託、いずれの場合も、お引き渡し日から10年以内に該当の瑕疵が発見された場合は、事業者が無料で補修をします。万が一事業者が倒産していた場合、保険会社や供託所から、お客様に直接補修費用が支払われます。
保険会社では、加入する建物に対して設計施工基準を定めており、工事中に専門の建築士による現場検査が行われます。この基準をクリアした建物だけが保証の対象になります。審査に通ると、「保険付保証明書」がお客様のもとに届きます。
構造計算とは、様々な力が構造物にかかった際に、構造物がどのように変形し、どのような抵抗力が発生するかを計算し、構造物がそれらの変形や抵抗力に耐えられるかを計算することです。構造物の安全性や有用性を確認することを目的としています。
構造計算が義務付けられているのは、木造の場合、高さ13mまたは軒高9mを超える構造物とされており、木造2階建ての新築一戸建ての場合は必ずしも構造計算は必要とされていません。しかし最近では、木造2階建ての場合でも、ハウスメーカーや建築会社が自主的に構造計算を行うのが主流になっているようです。
また、ハウスメーカーや建築会社によっては、地盤保証制度を導入している場合があります。地盤調査や液状化についての情報提供は法律で義務付けられていますが、さらに第三者機関が地盤調査の結果を評価し、適切な基礎仕様を提案すると共に、不同沈下に対する責任を保証します。
不同沈下とは、地盤が不均一に沈下して、建物が傾斜することです。不同沈下が発生すると、ドアが閉まらない、外壁に亀裂が入るなど建物の不具合だけでなく、めまいや頭痛などの健康障害も生じる可能性があります。
地盤保証の付いた一戸建てであれば、不同沈下が発生しても、その修繕に必要なすべての費用が保証会社より保証されます。保証会社にもよりますが、最高5,000万円まで保証される場合が多いようです。
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