市街化調整区域の物件は市街化区域の物件に比べ安くなりますが、そこには理由があります。まずは市街化区域と市街化調整区域の違いを知り、そのうえで資産性や利便性といった観点を含めて総合的に判断することが大切です。今回は両者の違いと家探しにおけるポイントをご紹介します。
すでに市街地を形成している区域、もしくは今後10年以内に優先的に市街化を図る区域のことです。住宅はもちろんのこと、商業施設や病院、駅といったさまざまな建築物の建つ利便性に優れたエリアとなります。街として水道やガス、電気などの生活インフラも整っているため生活に支障を来すこともありません。街となることに重きを置いたエリアであると言えるでしょう。近年では再開発が行われ、住み心地や資産性が向上しているエリアも多くあります。
市街化を抑制する区域を指します。街を形成してそこに人が住むことを想定しないエリアなので人が生活をするための開発行為、街づくりがほとんど行われません。市街地の拡大を防ぎ、山林を保護したり農地として利用したりするようなエリアとなります。「市街地から離れた農地や山林の広がる郊外」というのが市街化調整区域のイメージとなります。
市街化調整区域は先述の通り自然環境や資源を守るために制定されており、人が暮らすことを考えておりません。そのため住宅を建てたり増築したりする際には許可が必要となります。人が暮らすことを前提としないので、水道やガス、電気などのインフラが十分に整備されていなかったり交通網が発達していなかったりもします。商業施設や交通網が遠のくため、日々の暮らしに支障を来す可能性もあります。
市街化調整区域の土地は利便性に乏しく資産としても考えづらくなるので住宅ローンを組む際も市街化区域とくらべて申請が通りづらくなります。頭金が十分に必要になる場合もでてきたり、これらが原因で売却が難しくなったりする可能性があります。
以上のようなことから、市街化調整区域の物件は市街化区域の物件と比べて安くなる傾向があります。しかし建て替えや増築にも行政の許可が必要なことや売却がしづらい側面もあるといったリスクを十分に理解することが大切です。
市街化調整区域は住居を建てることを想定していないため、そもそも住むことに「向いていない」とも言えます。マイホームや土地を探すときは市街化区域の中で探すことがベストです。
また利便性や資産価値といった観点を忘れないことも大切です。公的な交通機関が近くにあるということは老後の生活においても重要になってくるからです。また将来売却をして別の住宅を購入するという選択肢を考える際も、その住宅の資産価値は大きな意味を持ちます。そういった意味でも市街化区域で探すことが重要であるといえます。
どうしても欲しい土地や家が市街化調整区域にある場合は、こういった利便性や資産価値を含め総合的に考えて判断するようにしましょう。
市街化区域内であってもエリアの検討は慎重に行いましょう。たとえば市街化区域であっても市街化調整区域に近いエリアとなると利便性や資産性の面で注意が必要となります。
市街化調整区域に近いということは街としての発展性に乏しく、駅や商業施設まで遠くなる傾向にあります。商業施設や駅などへのアクセスが悪くなると資産としての価値も下がってしまいがちです。これは、土地の資産価値が利便性や街の発展性と結びついていることが多いためです。そういった観点からもマイホームのエリア選びは重要となります。
一方で「住居まわりの自然が豊かである」「都心部に比べて坪単価が安くなる」「資産価値が低い分、固定資産税が安くなる」などといったメリットもあるので住宅の購入において何を大切にするのかという点をあらかじめ考えておくことが大切になります。
資産価値や利便性の話で重要になる話題のひとつが「再開発エリア」です。既存の都市や街に対して大規模な商業施設を建設したりインフラを改善・強化したりすることでより住みやすく再び開発することがあります。この再開発の対象となるエリアを「再開発エリア」と呼びます。
市街化区域の中でも駅の近くなどの人の動きが活発なエリアは再開発の対象となることも多く、今後の資産価値の向上につながる可能性があります。東京でも山手線沿線での再開発が続々と行われており、周辺地域の利便性・資産価値の向上に寄与しています。
再開発が予定されているエリアや再開発されたエリアなど、市街化区域の中でもより高度に市街化されたエリアで土地やマイホームを購入することも、マイホーム探しにおいては大切なポイントになります。専門性の強い話題にもなりますので、近くの店舗スタッフなどに話を聞くのもおすすめです。
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市街化調整区域とは市街化を想定していない区域のこと
マイホーム選びでは資産価値や利便性も大切にしましょう!
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