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家と暮らしのコラム
借地権がある建物はどんな問題がある?旧法・新法の違い

借地権がある建物はどんな問題がある?旧法・新法の違い

2022年2月04日(金)

家さがしの知識

目次

住まいや土地を探しているときには、ときおり「借地権」という言葉を目にすることがあります。借地権には一般的な「所有権」と異なる特徴があるため、購入する際にはメリットとデメリットの両面を正しく理解しておく必要があります。今回は借地権の仕組みや種類、借地権付き建物の特徴について詳しく見ていきましょう。

借地権とは?権利の種類・所有権との違い

借地権とは、土地を借りて建物を建てられる権利のことです。ここではまず、所有権との違いや借地権の種類について解説します。

借地権と所有権の違い

所有権は、土地と建物を購入して、どちらも自分のものとして所有できる権利です。一方、借地権には、土地は地主などから借りて、建物を自分のものとして所有するといった意味があります。

借地権の特徴は、「地代」という形で土地の賃料が発生する代わりに、土地の購入費用がかかりません。また、借地権は契約期間を設けることが可能です。

借地権において、土地の契約期間はとても重要な意味を持ちます。なぜなら、期間満了によって土地を借りられなくなれば、建物を存続させることもできなくなってしまうためです。

そのため、借地権を理解するうえでは、契約期間の仕組みに目を向けておくことが大切です。なお、借地権には「旧法借地権」と「新法借地権」の2種類があり、権利が発生したタイミングで適用される仕組みが異なる点にも注意が必要です。

旧法借地権

旧法借地権とは、現在の「借地借家法」ができた平成4年よりも前に契約された土地に適用される権利のことです。借地借家法が制定される前は、旧法である「借地法」が土地の権利関係のベースとなっていたため、現行とは仕組みが大きく異なります。

たとえば、旧法においては、建てられた建物の構造によって、土地の契約期間の下限が定められています。契約期間を定める場合は、最低でも鉄筋コンクリート造で30年以上、木造で20年以上と決められているのです。

しかし、期間が満了しても、借主が望めば契約を更新することが可能です。たとえ貸主の合意が得られなかったとしても、法律の規定により契約が更新されることとなります。

つまり、借地契約を更新することにより、「半永久的に土地を借り続けられる」ということです。旧法借地権の大きな特徴はこの「借主に有利」であるという点にあるといえるでしょう。

借地借家法が制定されてからも旧法借地権が残っているのは、こうした仕組みによるためです。旧法の時代に発生した借地権は、その後に何度更新を重ねても、そのまま旧法が適用されるのです。

なお、契約の存続期間を決めていない場合は、建物が老朽化して住むことができなくなった段階で権利が消滅します。

新法借地権

新法借地権は、借地借家法に基づいて発生する権利のことであり、平成4年8月1日以降の契約で適用されます。新法では契約形態によって「普通借地権」と「定期借地権」の2種類があり、それぞれ細かな仕組みは異なります。

◆普通借地権

普通借地権は契約更新を前提とした借地権のことであり、契約の存続期間を定める場合は30年以上、定めていない場合は30年です。旧法のように建物の構造による存続期間の違いはなく、更新の回数によってだんだんと短くなっていくのが特徴です。

ただ、更新の仕組みは旧法と似ており、借主が希望をすれば貸主の合意にかかわらず契約を更新することができます。借主から更新申請があった場合、貸主は「正当な事由」がなければ断ることができません。

正当な事由としては、「地代の不払い」や「無許可での建物の増改築」などがあげられます。建物の増改築は土地に負担をかけて価値を下げる恐れがある行為とみなされてしまうため、借地権においては所有者の同意が必要である点に注意しましょう。

◆定期借地権

定期借地権は普通借地権と異なり、「契約更新を前提としない」権利であり、契約期間の満了とともに貸主へ土地を返却する必要があります。定期借地権には、建物を取り壊して更地で返却しなければならない「一般定期借地権」のほかに、建物を貸主に買い取ってもらえる「建物譲渡特約付借地権」などがあります。

いずれにしても、貸主の合意がなければ原則として土地の契約更新ができないため、旧法借地権や普通借地権と比べて貸主の立場を守る意味合いが強い権利だといえるでしょう。

借地権付き建物は売買可能?気をつけておきたいポイント

借地権は土地の取引のみに用いられるわけではありません。すでに建物が建てられている状態で、「借地権付き建物」として売られていることもあるのです。ここでは、借地権付き建物のメリットや気をつけるべきポイントについて見ていきましょう。

借地権付き建物の特徴

借地権付き建物は、土地の借地権と建物をセットで手に入れることとなります。地主に地代を支払う必要はあるものの、土地の購入コストがないため、予算を抑えて住宅を手に入れられる点が大きなメリットです。

特に、都心などの地価が高いエリアにおいては、借地権付きの一戸建てにも目を向けることで、予算を抑えて好立地に住める可能性も高くなります。また、借地の場合は固定資産税や都市計画税の負担もありません。

土地の税金は、所有者である地主が納めることとなるため、持ち家の割に税負担が軽くなる点もメリットです。

住宅ローンを受けづらい場合がある

借地権付き建物には金銭的なメリットがある一方で、住宅ローンの融資を受けにくくなってしまうデメリットがあります。土地が借り物であることから、住宅としての担保価値が下がってしまい、審査のハードルが高くなるのです。

特に、契約更新がない定期借地権の場合は、建物を壊して返却することが前提となっているため、従来は原則として住宅ローンを利用できませんでした。しかし、近年では土地利用の事情が変化していることなどから、定期借地権付きの住宅ローンも取り扱われるようになっています。

そのため、借地権付き建物を購入する際には、住宅ローンの利用条件にもきちんと目を通しておきましょう。

建物の売却やリフォームは地主の許可が必要

前述のように、借地権においては自由にリフォームができず、地主の許可が必要な場合が多いです。また、建物の売却も原則として許可を得る必要があるため、あらかじめ注意点を理解したうえで、計画的に購入を検討することが大切です。

借地権付き建物の購入が向いている人

借地権付き建物には注意点もあるものの、住まいに求める条件によっては、理想的な選択肢にもなります。ここでは、借地権付き建物の購入に適しているケースをご紹介します。

好立地でマイホームを手に入れたい人

借地権付き建物は、所有権で購入する場合と比べて、価格が割安となります。そのため、予算を抑えつつ、好立地でマイホームを手に入れたい場合には有効な選択肢です。

特に、地価の高い都心部では借地権付き建物も多く、利便性の高さに恵まれている割に価格の安い一戸建てもあります。

ランニングコストをできるだけ抑えたい人

一戸建てを購入するときには、メンテナンス費用や税金などのランニングコストがかかります。借地権付き建物であれば、土地に関する固定資産税などの税金はかからないため、維持P費を抑えたい場合には適した選択肢だといえます。

ただ、地代は支払う必要があるので、トータルコストを計算しながら判断することが大切です。

これが結論!

ポイント1

借地権は権利が発生した時期によって、「旧法」と「新法」の2種類がある

ポイント2

権利の種類によって契約存続期間に違いがあるため、仕組みを理解しておくことが重要

ポイント3

借地権付き建物は、予算を抑えて好立地に住みたい人やランニングコストを抑えたい人に適している

  • 2022年2月時点の内容です。
  

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