土地の権利には、所有権と借地権があるのをご存知でしょうか。お気に入りのエリアで物件をさがしていて、相場よりもかなり安い物件を見つけたら、そこには「借地権」という記載が...。「所有権」に比べて、リーズナブルに見える「借地権」の物件ですが、どのような違いがあるのか見ていきましょう。
記事監修
宅地建物取引士
戸建仲介部門一筋で結果を出し続け、2019年より首都圏各地域のエリア統括を歴任。
[メディア出演]サンデー・ジャポン(2014年)首都圏情報ネタドリ!(2020年)、ワールドビジネスサテライト(2020年)
所有権とは、土地を所有する権利のことです。
地主から土地を購入すれば、買った人の所有となり、その土地を自由に処分できます。
そのほかにも、その土地に住宅を建てて自分が住んだり、他の人に貸すことで賃料を得たりと、自由に利用することが可能です。
所有権を持たない人によって許可なく占拠された場合には、返還請求や妨害排除といった請求を行えます。
借地権とは地主から土地を借り、その上に建物を建てられる権利のことです。
一定期間、土地を借りて利用できますが地代が発生します。
土地所有者から土地を借りているため、土地に勝手に建物を建てたり、他の人に貸したりと、自由に使用することはできません。
また、戸建て住宅の増改築を行う際も、土地所有者の許可を取らなければならない場合もあります。
借地権には借地の契約期間満了時に確定的に借地関係が終了する「定期借地権」と、更新がある契約「普通借地権」が存在します。
「定期借地権」では契約の更新がなく、契約期間が満了したら土地は地主に返さなければいけません。
引き続き土地を利用したい場合には、土地の所有者と再契約しなければいけないため、注意するようにしましょう。
借地権物件は、地代やその他の条件が物件ごとに違うため、プロに相談しながら契約を進めましょう。借地権にもいくつか種類があり、次のような費用がかかる場合があります
記事監修
宅地建物取引士
戸建仲介部門一筋で結果を出し続け、2019年より首都圏各地域のエリア統括を歴任。
[メディア出演]サンデー・ジャポン(2014年)首都圏情報ネタドリ!(2020年)、ワールドビジネスサテライト(2020年)
土地の所有主となるため、月々の地代や、土地の契約の更新料を払う必要がありません。
自由に建物を建てられるだけでなく、土地の売買や貸し出し、処分なども自由に行うことができます。
土地を持っていることで資産価値につながるため、銀行などで住宅ローンを組む際に審査に通る可能性が高くなったり、利子が低くなったりといった利点があります。
所有権の場合、土地と建物のそれぞれに購入費を支払う必要がありますが、借地権の場合は土地の購入費が不要となります。
所有権では高価な不動産であっても、借地権であれば初期費用を抑えることができるため、購入可能になるケースもあるでしょう。
また、土地を所有していないため、土地や建物の固定資産税や都市計画税は地主が納めることになり、毎年支払う必要のある税金の支払い義務が発生しません。
記事監修
宅地建物取引士
戸建仲介部門一筋で結果を出し続け、2019年より首都圏各地域のエリア統括を歴任。
[メディア出演]サンデー・ジャポン(2014年)首都圏情報ネタドリ!(2020年)、ワールドビジネスサテライト(2020年)
所有権の物件の約2/3の金額で手に入るため、借地権物件なら、憧れのエリアに暮らすという夢が叶いやすくなります。
初期費用をできるだけ抑えたい方は、借地権の賃貸を検討するとよいでしょう。
所有権の物件の場合、イニシャルコスト(初期費用)のうち土地の登録免許税がかかってきます。
借地権の場合は、イニシャルコスト、ランニングコストともに、安く抑えることができます
それぞれかかる金額が異なるため、自分のライフスタイルや資産に合った方を選びましょう。
35年を過ぎると、所有権と借地の支払い差額は、約1,615万円。
借地件と賃貸では約435万円になります。
借地権では初期費用が抑えられる代わりに、長く住み続けることで金銭的負担が大きくなっていきます。
記事監修
宅地建物取引士
戸建仲介部門一筋で結果を出し続け、2019年より首都圏各地域のエリア統括を歴任。
[メディア出演]サンデー・ジャポン(2014年)首都圏情報ネタドリ!(2020年)、ワールドビジネスサテライト(2020年)
借地権も、売買や相続ができるので資産価値があります。
賃貸の場合は一生自分のものにはならないので資産価値はありません。
将来的に売買や相続を考えている方は、賃貸ではなく、自分の家を持つようにしましょう。
地主との交渉次第で更新し、継続して住むことも可能です。
また、借地契約更新や建て替え時には権利金を支払う必要があるので、住み替える場合は更新前がおすすめのタイミングです。
記事監修
宅地建物取引士
戸建仲介部門一筋で結果を出し続け、2019年より首都圏各地域のエリア統括を歴任。
[メディア出演]サンデー・ジャポン(2014年)首都圏情報ネタドリ!(2020年)、ワールドビジネスサテライト(2020年)
借地権は、初期費用や月々の支払いを抑えられるうえに、資産価値もあります。コストを抑えて、賢く都心に住むための選択肢の1つと言えるでしょう。
「若いうちは都心で働いて将来は故郷へUターン」「働き盛りの間は職場に近いところに住み、リタイヤ後は土地の広い郊外へ住み替える」という方に、おすすめしたい物件です。
中古住宅にかかる諸費用と税金の相場や内訳を解説します。諸費用を抑えるコツや実際の諸費用をシミュレーションでご紹介。
中古住宅の購入時には消費税がかかるものとかからないものがあるため、どちらに該当するかを詳しく知っておくことが重要です。
自分の予算で購入できる住宅のタイプを知りたい人は、ぜひ最後までお読みください。
坪単価の概要や重要となる価格指標について解説します。坪単価を踏まえた都道府県別の土地価格相場もご紹介。
家さがし初心者さん必見!
みんなが知りたい疑問や、家さがしに役立つ基礎知識をわかりやすく解説します。
最新情報をお届けします