お気に入り物件
0
保存した条件
0
最近見た物件
0
ホーム
ホーム
お役立ちマガジン
家と暮らしのコラム
中古住宅購入時の消費税は非課税?税金がかかる諸費用の項目も解説

中古住宅購入時の消費税は非課税?税金がかかる諸費用の項目も解説

2024年12月05日(木)

家さがしの知識

中古住宅の購入時には消費税がかかるものとかからないものがあるため、どちらに該当するかを詳しく知っておくことが重要です。

中古住宅を個人間で売買する場合、建物にかかる消費税は非課税です。ただし、売主または買主のどちらかが不動産会社である場合は消費税がかかる点に注意が必要です。

この記事では、中古住宅購入において消費税がかかる諸費用の項目も解説します。中古住宅にかかる費用について知りたい人は、ぜひ最後までお読みください。

【この記事でわかること】

  • 中古住宅の購入時には消費税がかからないケースがある
  • 中古住宅の購入時に消費税がかかる費用項目
  • 中古住宅で消費税がかかるかどうか見極める方法

中古住宅の購入時には消費税がかからないケースがある

中古住宅の購入時には消費税がかかるものとかからないものがあるため、どちらに該当するかを詳しく知っておくことが重要です。

  • 土地は消費税が非課税
  • 建物に消費税がかかるケース
  • 建物に消費税がかからないケース

ここでは、上記3つを解説していきます。

土地は消費税が非課税

土地を売買する場合は基本的に消費税がかかりません。なぜなら、土地の譲渡は消費ではなく資産の移転だとみなされるからです。

消費税は、国内で事業者が事業として対価を得て行う取引を課税の対象としています。ただし、その中にも消費に負担を求める税としての性格になじまないものや、社会政策的な配慮から、非課税となる取引がいくつかあります。

住宅購入を目的とした土地の譲渡は非課税取引に該当するため、消費税はかかりません。

※参考:No.6201 非課税となる取引|国税庁

建物に消費税がかかるケース

中古住宅の売買が個人間ではない場合、建物に対して消費税がかかります。具体的なケースは以下のとおりです。

  • 売主が個人で買主が不動産会社の場合
  • 売主が不動産会社で買主が個人の場合
  • 売主と買主の両方が不動産会社の場合

建物に消費税がかからないケース

中古住宅の売買が個人間の場合、建物に対して消費税はかかりません。

なぜなら、個人間の建物の売買は、「事業者が事業として対価を得て行う取引」でないからです。

不動産会社が仲介して不動産を売買する場合であっても、その売主・買主が両方とも個人であれば消費税はかかりません。

中古住宅の購入時に消費税がかかる費用項目

ここでは、中古住宅の購入時に消費税がかかる費用項目を解説します。中古住宅の購入時にかかる費用を、消費税がかかるかどうかで分類すると以下のようになります。

対象

項目

消費税が課税されるか

物件

仲介手数料

課税対象

売買契約書の印紙税

非課税

登録免許税

非課税

司法書士への報酬

課税対象

住宅のリフォーム

リフォーム費用

課税対象

住宅ローン

事務手数料

課税対象

保証料

非課税

金消契約書の印紙税

非課税

登録免許税

非課税

火災保険料

非課税

地震保険料

非課税

団信の保険料

非課税

引越し

引越し費用

課税対象

上記の中から、消費税がかかる項目を3つ抜き出して解説します。

  • 仲介手数料
  • 司法書士への報酬
  • ローン事務手数料

順番に見ていきましょう。

仲介手数料

仲介手数料は、中古住宅や土地を購入した際に仲介してもらった不動産会社に支払う費用です。
法律で定められた上限額以下の金額で、不動産会社がそれぞれ決定します。

法律で定められた上限額は以下のとおりです。

物件価格(税抜)

仲介手数料の上限額

200万円以下の部分

物件価格の5%+消費税

200万円超400万円以下の部分

物件価格の4%+消費税

400万円超の部分

物件価格の3%+消費税

上記のとおり、仲介手数料には消費税がかかります。また、仲介手数料をすぐに求められる速算式は以下のとおりです。

物件価格(税抜)

仲介手数料の上限額

200万円以下

物件価格の5%+消費税

200万円超400万円以下

物件価格の4%+2万円+消費税

400万円超

物件価格の3%+6万円+消費税

たとえば、物件価格が税抜3,000万円の建物を購入した場合、速算式を用いて消費税を抜いた仲介手数料は以下のように計算できます。

3,000万円×3%+6万円=96万円(税抜)

消費税10%を考慮すると、仲介手数料の上限額は105万6,000円(税込)だとわかります。

※参考:建設産業・不動産業:<消費者の皆様向け>不動産取引に関するお知らせ|国土交通省

司法書士への報酬

不動産を取得した場合などに行う「登記」を司法書士へ依頼する場合は、報酬を支払わなければなりません。

物件を売買した際には、土地と建物のそれぞれに対して登記を行う必要があります。また、住宅ローンを利用した場合は抵当権を設定する登記も必要です。

各種登記は、司法書士へ依頼せず自分で行うことも可能です。ただし、自分で行うためには法律に関する十分な知識が必要であるため、司法書士へ依頼したほうが無難です。

金額の目安は数万円であり、支払う際に10%の消費税がかかります。

ローン事務手数料

中古住宅を購入するために住宅ローンを組む場合は、事務手数料を支払う必要があります。事務手数料にも10%の消費税がかかります。

住宅ローンの事務手数料は、主に以下の2種類があります。

種類

概要

相場(税込)

定率型

借入金額に応じた割合だけ手数料がかかる

借入金額×2.2%

定額型

借入金額によらず一定額の手数料がかかる

3~5万円

借入金額が小さいときは定率型が、借入金額が大きいときは定額型のほうが費用を抑えられます。

中古住宅で消費税がかかるかどうか見極める方法

中古住宅で消費税がかかるかどうかは、物件情報の中の取引様態を見れば見極められます。不動産取引の取引態様は以下の4つのいずれかが記載されています。

種類

概要

売主

物件情報を掲載する不動産会社が売主

貸主

賃貸住宅の場合に記載

代理

売主から多くの権限を任された不動産会社が掲載している場合に記載

媒介(仲介)

売主と買主の契約成立のために業務を行う不動産会社が掲載している場合に記載

「売主」の場合は、不動産会社が売却しようとしているため、消費税が発生します。

一方、「代理」または「媒介(仲介)」の場合は、売主が不動産会社の場合も個人の場合もあります。不動産会社の場合は消費税がかかりますが、個人の場合は消費税がかかりません。

「代理」または「媒介(仲介)」の場合は売主が不動産会社か個人か確定していないため、掲載している不動産会社に確認することをおすすめします。

中古住宅を安く購入する際に知っておきたいポイント

ここでは、中古住宅を安く購入する際に知っておきたいポイントを3つ紹介します。

  • 住宅ローン控除などの減税制度が適用される場合がある
  • 利用できる補助金制度がないか確認する
  • 「消費税が非課税=費用を抑えられる」ではない点に注意する

順番に見ていきましょう。

住宅ローン控除などの減税制度が適用される場合がある

住宅ローンを利用して中古住宅を購入する場合、住宅ローン控除などの減税制度が適用される場合があります。

住宅ローン控除とは、住宅や土地の取得に係る毎年の住宅ローン残高の0.7%が、所得税や住民税から控除される制度です。対象となる既存住宅や借入限度額は以下のとおりです。

住宅の環境性能等

借入限度額

控除年数

最大控除額

以下の4つの住宅

  • 長期優良住宅
  • 低炭素住宅
  • ZEH水準省エネ住宅
  • 省エネ基準適合住宅

3,000万円

10年間

210万円

その他の住宅

2,000万円

10年間

140万円

※2024年11月現在
※参考:住宅:住宅ローン減税|国土交通省

条件を満たせば、最大210万円まで控除されます。購入以降のことも考慮すると非常に大きな節約効果があるため、ぜひ利用したい制度です。

ただし、住宅ローン控除の適用を受ける1年目は、確定申告で手続きを行う必要があるため注意してください。

利用できる補助金制度がないか確認する

中古住宅を購入する際に特定の条件を満たせば利用できる補助金制度があります。主な制度は以下のとおりです。

  • 子育てエコホーム支援事業
  • 先進的窓リノベ2024事業
  • 給湯省エネ2024事業
  • 長期優良住宅化リフォーム推進事業
  • 各自治体からの補助金

ここでは、中古住宅の場合に利用できる制度の1つ、子育てエコホーム支援事業を解説します。

子育てエコホーム支援事業とは、物価高騰の影響を受けやすい子育て世帯や若者夫婦世帯が高い省エネ性能を有する新築住宅を取得したり、住宅の省エネ改修をしたりする際に支援が受けられる制度です。

エコホーム支援事業者と契約して、対象となるリフォーム工事をする場合に補助が受けられます。詳しい内容は以下のとおりです。

対象者

以下の2つを満たす人

  • エコホーム支援事業者と工事請負契約等を締結し、リフォーム工事をする
  • リフォームする住宅の所有者等である

対象となる工事等

以下の中から1つ以上が必須の工事等

  • 開口部の断熱改修
  • 外壁、屋根・天井又は床の断熱改修
  • エコ住宅設備の設置

上記の必須工事と同時に行う場合のみ補助対象となる工事等

  • 子育て対応改修
  • 防災性向上改修
  • バリアフリー改修
  • 空気清浄機能・換気機能付きエアコンの設置
  • リフォーム瑕疵保険等への加入

補助額

対象工事内容ごとの補助額の合計

補助上限額

1戸あたり20万円

※条件を満たす場合は補助上限が引き上げられる

※2024年11月現在
※参考:対象要件の詳細【リフォーム】|子育てエコホーム支援事業【公式】

『子育てエコホーム支援事業』という名称ですが、子育て世帯でなくても補助が受けられます。
ただし、子育て世帯や若者夫婦世帯に該当する場合等は補助上限が引き上げられます。

事業の詳細は公式サイトを確認してください。

※参考:子育てエコホーム支援事業【公式】

「消費税が非課税=費用を抑えられる」ではない点に注意する

消費税が非課税であると費用を抑えられるように見えますが、必ずしもそうではないケースがあるため注意が必要です。

個人間で住宅を売買すると消費税はかからないため、その分リフォームやリノベーションを検討する資金的な余裕が生まれます。

しかし、中古住宅の中には構造が複雑で、希望するリフォームができないケースや、理想のマイホームを実現するために予算オーバーするケースも少なくありません。

結果として、不動産会社が取り扱っている中古住宅を購入したほうが良かったと後悔してしまう場合があります。

どのような中古住宅であれば、費用を抑えながら理想のマイホームを実現できるのかは、維持費も含めたトータルコストで判断することが重要です。

中古住宅に関するよくある質問

最後に、中古住宅に関するよくある質問を紹介します。

  • 中古住宅で住宅ローン控除を受けられない理由は?
  • 中古住宅の表示価格には消費税が含まれる?

疑問の解消にお役立てください。

中古住宅で住宅ローン控除を受けられない理由は?

中古住宅で住宅ローン控除を受けられない理由として、適用されるための条件を満たしていない可能性が挙げられます。適用条件を満たしていない事例は、主に以下のとおりです。

  • 取得の日から6ヶ月以内に住んでいない
  • 住宅ローン控除の期限までに入居していない
  • 新耐震基準に適合していない
  • 床面積が50㎡以下未満である
  • 返済期間が10年未満である
  • 合計所得金額が2,000万円以上ある

※参考:No.1214 中古住宅を取得した場合(住宅借入金等特別控除)|国税庁

住宅ローン控除の適用を受けられるかどうかは事前に確認しましょう。

中古住宅の表示価格には消費税が含まれる?

基本的に不動産情報サイトなどの表示価格には、消費税が含まれています。消費税には「総額表示義務」があることが背景です。

総額表示義務とは、事業者が消費者に対して事前に価格を表示する場合に、消費税額を含めた税込価格を表示することを義務付けるものです。不動産についても総額表示義務があるため、価格は必ず消費税を含んだ価格が記載されていることを覚えておきましょう。

※参考:No.6902 「総額表示」の義務付け|国税庁

中古住宅購入時は消費税の有無も考慮しよう

中古住宅を購入する場合、土地に対しては一律で消費税がかからない一方、建物に対しては消費税がかかるケースと、そうではないケースがあります。

個人間売買の場合は消費税がかからないため、住宅購入にかかる費用を抑えられる可能性があります。ただし、リフォーム費用も考慮すると、消費税がかかるケースと比較して費用が抑えられるとは限らない点に注意してください。

住宅購入やリフォーム・リノベーションにかかるトータルコストを計算した上で、理想のマイホームを実現しましょう。

※この記事の情報は2024年12月時点のものです。

記事監修

小軽米 篤史

宅地建物取引士/日商簿記2級/ビジネス会計検定2級
中野営業センターのオープニングスタッフとして3年間、営業職として活躍。その後、経営企画部門、経理部門にて株式上場、企業M&A、決算業務、業績開示等に従事。

  • 2024年12月時点の内容です。

おすすめのコンテンツ

ページの上部へ