住宅の購入や売却を検討している方にとって、住宅価格の推移は気になりますよね。特に近年では、コロナ禍の影響やさまざまな海外情勢の変化により、住宅価格が大幅に高騰している傾向がみられます。そこで本記事では、住宅価格の推移・今後の動向や住宅価格高騰の理由、費用を抑えて住宅を購入する方法などについて解説していきます。
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記事監修
宅地建物取引士/2級ファイナンシャル・プランニング技能士
最新のトレンドや法改正を踏まえ、円滑な住宅売買に向けた仕組み作りと前線でのサポートを実践する。「ちんたいグランプリ(旧・不動産甲子園)」 2020年度・2022年度特別賞。
全国の住宅価格は、2012年頃から2023年現在まで、全体的に高騰し続けています。
中でも、2020年頃からは高騰の幅が大きくなり、特にマンション価格の高騰が非常に大きいことがわかります。
(※不動産価格指数は2010年の平均値=100として表されています。)
では、住宅価格の推移について、戸建て住宅とマンションに分けて詳しくみていきましょう。
上記のグラフの青色の線が、戸建て住宅の不動産価格指数を表しています。
2012年頃から微々たる上昇はあるものの、2020年と比較するとほとんど変化はありません。
しかし、2020年を境に大幅に上昇し、100程度だった指数が2023年には約120と、約20%の高騰がみられます。
また、主要な都道府県別で見ると、それぞれの2023年1月の不動産価格指数は以下のとおりです。
東京都 | 132.6 |
---|---|
愛知県 | 109.6 |
大阪府 | 125.7 |
全体的に高騰していますが、その中でも東京都と大阪府は平均値よりも大幅に上回っていることが分かります。
上記のグラフの緑色の線が、マンションの不動産価格指数を表しています。
戸建てと異なり、2012年頃から大幅に高騰していることが分かります。
2020年以降はさらに高騰幅が大きくなり、2023年時点での価格指数は2012年の約2倍となっています。
こちらも主要な都道府県別に、それぞれの2023年1月の不動産価格指数を見ると以下のとおりです。
東京都 | 187.5 |
---|---|
愛知県 | 193.1 |
大阪府 | 187.6 |
どの都道府県も戸建て住宅よりも大幅に高騰しており、特に愛知県では平均の2倍近くにまで不動産価格指数は上昇しています。
上記では、新築・中古を含めた住宅全体での数値をご紹介しましたが、「中古住宅」だけで見ても価格が上昇しているのです。
首都圏の戸建てとマンションの価格推移を例に解説していきます。
中古戸建ての価格は、2004年から2020年まで下げ止まり傾向でしたが、2020年から2022年にかけて30年以上ぶりに高騰しました。
とはいえ30年前のバブル期と比較すると、おおよそ2分の1程度にとどまっていることがわかります。
中古マンションの価格は中古戸建てとは異なり、2002年を境に上昇し続けています。
さらに2022年にはバブル期以上の価格水準を記録しており、戸建てとの大きな違いがみられます。
中古住宅は、戸建てもマンションも一度はかなり低い価格に留まっていましたが、現在は上昇傾向が見られます。特に中古マンションは、2022年にはバブル期よりも高騰していることが分かるでしょう。
住宅価格が高騰している理由として、以下の5つが挙げられます。
それぞれ詳しく解説していきます。
住宅・不動産の価格が高騰している理由として、世界的な木材需要の高まりからくる木材価格の高騰(ウッドショック)が挙げられます。
上記のグラフを見ると、木材の物価指数は2020年後半〜2022年にかけて1.5〜2倍ほど上昇していることがわかります。
木材価格の高騰は、前述した住宅需要の高まりや新型コロナウイルスの移動制限により引き起こされています。
具体的な理由は、以下の通りです。
木材だけではなく、鉄鉱石や鉄鋼などの原材料価格の高騰も、住宅価格の高騰に影響しています。
日本では、鉄鉱石などの資源のほとんどを輸入に頼っており、コロナ禍による移動制限や供給の不足で鉱物資源の輸入コストが大幅に上昇しました。
特に、マンションは鉄筋コンクリート造や鉄筋鉄骨コンクリート造がほとんどのため、この影響を大きく受けているといえるでしょう。
また、2022年以降、世界中で経済活動が復活したことによりさらに需要は増え、今後も価格の高騰が予測されています。
木材や鉄鉱石・鉄鋼などの原材料価格の高騰に加え、これら輸入製品の海上輸送コストが上昇していることも、住宅価格高騰の原因となっています。
海上輸送のコストが上昇している原因は、主に以下の2つです。
中でも原油価格の高騰は輸送コストだけでなく、プラスチックを用いた住宅設備や製品の価格にも影響を及ぼしており、住宅を構成するあらゆるものの値上げが発生しています。
日本銀行が進める「低金利政策」も住宅価格を高騰させている要因です。
金利が低いと、消費者は住宅ローンを組みやすくなり、家の購入に積極的になります。
その結果、住宅の需要が増え、価格も高騰していくのです。
上記のように、フラット35が公表する住宅ローンの金利推移からも、固定金利・変動金利ともに低金利の状態が維持されていることがわかります。
新型コロナウイルスに伴うロックダウンや在宅勤務の増加も、住宅市場に大きな影響を与えています。
家にいる時間が増えたことで、多くの人々が快適に暮らせる家を探し、都市から郊外の戸建てへの移住を希望する傾向が見られました。
これにより、住宅建築の需要が増加し、住宅供給が追いつかなくなりました。
また、建材や労働力のコストが上昇したことで建設コストが増加し、新築住宅の価格を押し上げました。
その結果、中古住宅市場でも需要が高まり、住宅価格が全体的に上昇しました。
住宅の価格高騰には、原材料の価格高騰が深く関係しているようです。新型コロナウイルスによる住宅需要の増加や、輸送のコスト上昇も相まって、近年で一気に高騰したと考えられます。
住宅価格が高騰している現状とその理由について解説してきました。
では、徐々にコロナ禍から世界中で経済活動が回復している中、今後の価格推移はどうなるのでしょうか。
<全国の不動産価格指数の推移>
R4.10 | R4.9 | R4.8 | R3.10 | |
---|---|---|---|---|
住宅総合 季節調整値 | 133.8 | 132.7 | 132.3 | 123.2 |
同 原系列 | 132.1 | 132.8 | 132.3 | 121.6 |
マンション(区分所有) 季節調整値 | 186.4 | 184.9 | 183.4 | 167.7 |
同 原系列 | 185.2 | 184.3 | 182.7 | 166.8 |
国土交通省の不動産価格指数をみると、2023年でもまだまだ上昇傾向であることが読み取れます。
この要因として、木材や鉄鉱石・鉄鋼などの原材料価格高騰、住宅ローンの低金利、コロナ禍の影響が続いていることが考えられます。
ただし、原材料(木材や鉄鉱石など)の高騰は少しずつ落ち着いている様子も見られ、長い目で見ると住宅価格が下降していく見込みもあるでしょう。
また、住宅ローンの金利について、フラット35の固定金利は近年微々たる上昇が見られます。
今後の金利の推移次第では、金利の上昇により住宅価格の高騰が落ち着くことも考えられるでしょう。
住宅価格の高騰は、今後も一定期間は続くか、高止まりになると考えられます。
上述の通り、住宅ローン金利の上昇やコロナ禍の緩和など、住宅価格が低下する流れは少しずつ見られています。
しかし、原材料・輸送コストの高騰に関しては、まだまだ需要過多の状況にあり、一定の供給が確保されてからしか住宅価格は落ち着かないでしょう。
住宅価格は、日本だけでなく世界の情勢や経済状況によって変化しています。
正確な価格推移を把握するには、世界の状況に常にアンテナを張っておくことが重要だといえるでしょう。
コロナ禍も緩和し、経済状況は良くなっていますが、原材料や輸送コストの高騰は未だ継続しています。供給が安定しない限り、住宅価格の高騰も続くことが見込まれるでしょう。
住宅価格は高騰を続けていますが、人生設計や住宅ローンのことを考えると、「下がるまで待てない」「なんとか費用を抑えて家を建てたい」という方も多いでしょう。
そこで、「予算内で家を建てる4つのコツ」について、詳しく解説していきます。
それぞれみていきましょう。
1つ目のコツは、土地代が抑えられるエリアを選ぶことです。
家を建てる費用は、大きく分けて「土地代」と「建物代」に分けられます。
上述の通り、原材料の価格高騰により建物代を抑えることは難しくなっていますが、土地代が安いエリアを選べば、住宅取得にかかる費用を抑えられます。
一般的に、駅近や利便性の高く人気なエリアほど土地代も高い傾向にあるため、自身のライフスタイルと照らし合わせながら、妥協できる部分を見つけて土地探しをしてみましょう。
ハウスメーカーには、「デザイン性にこだわる」「コストを抑える」「耐久性にこだわる」など、それぞれ得意分野があることが多いです。
その中でも、
ローコスト住宅を売りにしているハウスメーカーや建設会社では、間取りや設備をパターン化したり、できる限り安価な素材を使用したりと、コストを抑える工夫がされています。
そのため、ローコスト住宅を売りにしているハウスメーカーを選ぶのも建設費用を抑えるための一つの選択肢でしょう。
床面積を狭くすれば、必然的に必要な資材の量や費用、基礎工事・屋根工事の費用が抑えられます。
内装や外装に必要な材料も削減でき、予算内に収めやすくなります。
予算内に抑えるのであれば、注文住宅を建設するのではなく、建売住宅を購入するのもおすすめです。
注文住宅では、1から購入者の希望を聞いてからオーダーメイドで作り上げていくため、どうしても費用がかさむ傾向にありますが、建売住宅ではその心配はありません。
建売住宅は、すでにハウスメーカーによって住宅が完成しているため、購入代金がすでに明確に示されています。
そのため、ハウスメーカーに相談して予算を伝えれば、その予算内でニーズにあった物件を探してくれるでしょう。
オープンハウスの公式サイトでは、日本全国の一戸建て物件を取り扱っています。
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安価な土地や、ローコスト住宅を選ぶことで、住宅価格が高騰している現在でも、費用を抑えて住宅を購入することが可能です。予算と相談しつつ、無理のない住宅購入を検討しましょう。
実際に、オープンハウスで東京都の住宅をご購入いただいたお客様の体験記を紹介します。
<ご購入者様プロフィール>
ご主人様・奥様
<きっかけと決め手>
結婚から5年が経ち、2人の荷物も増えてちょっと手狭になってきたことと、年齢的にも「住宅ローンを組むならそろそろ」というタイミングだったのがきっかけです。
以前から職場にも近く、街並みも好きなこのエリアで暮らしてきたので、マイホームもこの周辺でと思い、約1年前からインターネットで物件のリサーチをはじめました。
オープンハウスを訪ねたのは昨年の12月頃で、CMでなじみのあったオープンハウスに登録していたので直接、相談してみようと思い立ちました。
1カ月間で10軒ほど物件を見学しましたが、同じ価格帯の家の中でも、部屋が広くて気に入り、この家に決めました。
<これから家を購入する方へのメッセージ>
オープンハウスでは、平日の夜にもいろいろと対応してもらえて、とても助かりました。
オープンハウスに登録した当初、物件の見学に同行してくれた営業担当者がとても若くて、頼りになるのか不安でしたが、質問をするとすぐに的確な答えが返ってくるので安心しましたね。
契約の段階では、契約書を読んでわからないことは、司法書士の方が答えてくれました。
これから家を購入する方も、疑問や不安があれば、迷わず質問したほうがいいと思います。
オープンハウス公式サイトでは、家のこだわりポイントなどをさらに詳しく掲載しています。
より具体的な体験談を読みたい方は、「
」をご覧ください。
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住宅価格は、全体的に10年以上にわたり高騰を続けており、コロナ禍が始まった2020年ごろからは高騰幅が大きくなっています。理由としては、コロナ禍での移動制限による建築資材の輸入コストの高騰、テレワークの導入による住宅需要の増加、ウクライナ情勢などによる原油不足、住宅ローンの低金利などが挙げられます。
コロナ禍の終息傾向や、住宅ローン金利の下げ止まりなど、住宅価格の高騰を引き止める要因は徐々に現れはじめています。しかし、まだまだ住宅や建築資材の供給が十分に確保できるには時間がかかると考えられます。今後も住宅価格は一定期間高水準が保たれる可能性が高いでしょう。
住宅価格が高騰するなかでも、住宅購入費用を抑える方法はあります。土地価格が安いエリアを選んだり、ローコストで建てられる建設会社・ハウスメーカーを選ぶことなどが挙げられます。また、予算が明確に決まっているのであれば、予算を先に伝え、その範囲で建売住宅を探すとスムーズに進めることができるでしょう。
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戸建て住宅は2020年に入ってから高騰していますが、マンションは2012年から高騰が続き、2023年には2012年の約2倍と大幅な価格指数上昇を見せています。全体的に上昇していますが、戸建てに比べると、マンションの価格上昇はずっと続いていることが分かりますね。