この記事では、建築確認について解説します。
建築確認とは、建物を新築、増築、改築する際に、建築基準法などの法令に適合しているかを確認する手続きです。建築確認申請を行い、適法であると認められた場合に建築確認済証が交付され、工事を開始できます。
建築確認申請費用の目安は3万円程度ですが、建築士に書類作成を依頼する場合、30万円ほどが一般的です。
この記事では、建築確認の手続きの流れや期間・必要書類などをわかりやすく解説します。
【この記事でわかること】
建築確認申請を行い、適法であると認められた場合に建築確認済証が交付され、工事を開始できます。
また、建築確認が必要かどうかは建築物の規模や用途、地域によって異なり、違反すると建築工事の中止や是正措置が求められるケースがあるでしょう。
適切な建築確認を行うことで、安全な建物を完成させることが可能です。
建築確認が必要なケースは、建築基準法に基づいて定められています。
一般的には、都市計画区域や準都市計画区域内で建築物を新築・増築・改築する場合、建築確認申請が必要です。特に、住宅や商業施設、工場などの建築物で、一定規模以上の床面積を持つものは、事前に建築確認を取得しなければなりません。
また、増築や用途変更の場合も、建築基準法に適合する必要があります。たとえば、住宅を店舗に変更する場合や、建物の構造に影響を与えるリフォームを行う際も建築確認が必要になることがあります。自分の住んでいる場所がどの区域に当たるのか事前に確認するのが良いでしょう。
ここでは、建築確認の一般的な流れ・期間を解説します。
その後、管轄の行政機関または指定確認検査機関に建築確認申請を提出し、審査が開始されます。
一般的な戸建て住宅の場合、建築確認申請の審査期間は1〜3週間程度ですが、審査機関の混雑状況や建物の規模によっては1ヶ月以上かかることもあります。
建築確認済証に基づいて基礎工事、構造工事、仕上げ工事などの各工程が進められます。
建築基準法では、工事中に一定の段階で中間検査を受けることが義務付けられている場合があります。特に、木造2階建以上の住宅や耐火建築物では、柱や梁が組み上がった段階で検査を受けることが必要です。
中間検査の審査期間は1週間程度ですが、書類の不備や工事の進捗状況によっては長引くこともあります。
工事期間は建物の規模や工法によって異なりますが、一般的な戸建住宅で3〜6ヶ月、マンションや商業施設では 1年以上 かかることもあるでしょう。
建築物が完成すると、最後に完了検査を受ける必要があります。
完了検査は、建築確認申請の内容と実際の建築物が適合しているかを確認するための重要な手続きです。
完了検査の申請は、工事完了後4日以内に行う必要があり審査機関による検査が実施されます。検査は通常1〜2週間で完了し、適合していれば 検査済証 が交付されます。
この検査済証は、将来的にリフォームや売買を行う際に必要になるため、必ず受け取って保管しておくことが重要です。
建築確認申請を行う際には、法令に適合した建築計画であることを証明するために以下のような各種書類が必要です。
建築確認申請書は、建築確認申請を行う際に最も基本となる公式な書類です。
この書類には建築主や設計者、施工者の情報を記載し、建築する建物の概要や所在地、用途や構造などの詳細を明記します。提出の際には行政機関や審査機関のフォーマットに沿って作成し、不備がないように確認することが重要です。
建築計画概要書は、建築物の設計概要を簡潔にまとめた補助的な書類であり、建築確認申請の際に提出が求められます。
建築物の構造、敷地面積、建築面積などの情報が記載され、建築確認申請書の内容と整合性があるかどうかを確認するために使用されます。この書類は建築物の変更や増改築を行う際にも参照されることが多いため、正確な情報を記載し、適切に保管しておくことがおすすめです。
設計図書は、建築物の詳細な設計内容を示すもので、建築確認申請の中核をなす書類です。
具体的には、配置図や平面図、立面図などが含まれ、建物の寸法や安全性を確認するために使用されます。特に、耐震基準や採光・換気の基準、防火性能などは厳しくチェックされるポイントです。
設計図書は設計士や建築士によって作成されるため、建築主は内容を十分に確認し、建築計画に適合しているかを把握しておくことが重要です。
木造二階建て以下の一般住宅では不要な場合もありますが、鉄筋コンクリート造や鉄骨造の建築物では必須の書類となります。
建物の基礎や柱・梁・床の荷重計算、地震や風圧に対する安全性などが詳細に記載され、建築基準法の耐震基準を満たしていることを証明します。
書類名 | 必要書類 |
---|---|
防火設計に関する書類 | 防火地域・準防火地域での建築 |
文化財保護に関する届け出 | 敷地内に文化財がある場合 |
都市計画法に基づく許可証 | 都市計画区域内での建築 |
開発許可申請書 | 開発行為を伴う場合 |
インフラ関連の申請書類 | 水道・電気・ガスなどの整備が必要な場合 |
上記の表を参考に、必要となる書類を確認しましょう。
ここからは、建築確認申請にかかる費用の目安について解説します。
以下は、東京都における確認申請・計画通知手数料です。
床面積の合計 | 確認申請・計画通知手数料 |
---|---|
30㎡以内 | 5,600円 |
100㎡を超え200㎡以内 | 9,400円 |
200㎡を超え500㎡以内 | 14,000円 |
500㎡を超え1,000㎡以内 | 19,000円 |
参考:
中間検査を行う場合は、上記と同じ金額がかかります。
建築確認申請の基本費用に加えて、条件によっては追加費用が発生することがあります。
防火地域や準防火地域での建築では、防火性能に関する審査が必要になり、追加で5万円〜10万円程度の費用がかかることがあります。また、鉄筋コンクリート造や鉄骨造の建築物では、構造計算書の作成が必要になり、これにかかる費用が20万円〜50万円程度になるケースもあります。ここでは、建築確認申請のよくある質問を紹介します。
鉄筋コンクリート造や大規模な建築物では、構造計算や防火性能の審査が必要となるため、1ヶ月以上かかることもあります。
また、申請の内容に不備があった場合、修正が求められ、再提出が必要になることがあります。
そのため、建築確認申請をスムーズに進めるためには、提出前に書類の内容を十分に確認し、設計事務所や施工業者と協力して申請の準備を整えることが重要です。
建築確認申請は、すべての地域で義務付けられているわけではなく、一部の区域では手続きが不要な場合があります。
具体的には、都市計画区域・準都市計画区域外の非線引き区域では、建築確認申請が不要となることがあります。自治体によって独自の建築条例を設けているケースもあるため、建築予定地の管轄する市町村役場や建築行政の担当窓口に確認することが重要です。
審査に落ちる主な原因としては、建築基準法の規定に適合していない設計内容、必要書類の不備、敷地条件の問題などが挙げられます。
審査機関から指摘された内容を基に、設計の修正や追加書類の提出を行うことで、再審査を受けることが可能です。
この記事では、建築確認について解説しました。
建築確認とは、建物を新築、増築、改築する際に、建築基準法などの法令に適合しているかを確認する手続きです。
建築確認申請費用の目安は3万円程度ですが、建築士に書類作成を依頼する場合、30万円ほどかかります。建築確認申請書などの必要書類を正しく準備することが重要です。
建築確認申請の仕組みを正しく理解して、スムーズな建築を実現させましょう。
記事監修
宅地建物取引士/2級ファイナンシャル・プランニング技能士
東京・神奈川の複数センターでセンター長を歴任後、営業推進部長や埼玉・名古屋エリアの立ち上げにも寄与。2022年からは契約管理部門にて、オープンハウス全国の契約書作成や引き渡し業務を統括中。
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