お気に入り物件
0
保存した条件
0
最近見た物件
0

東京版

エリア変更
ホーム
ホーム
お役立ちマガジン
家と暮らしのコラム
土地や家の境界線の調べ方は?メリット・デメリットや注意点も解説

土地や家の境界線の調べ方は?メリット・デメリットや注意点も解説

2025年2月20日(木)

家さがしの知識

この記事では、土地や家の境界線を調べる方法について解説します。


【この記事でわかること】

  • 中古住宅の内覧で売主に聞くことリスト6選
  • 中古住宅の内覧で営業担当者に聞くことリスト3選
  • 中古住宅の内覧を成功させるためのマナー

そもそも境界線とは?

境界線とは、主に隣接する土地同士の所有権を区別する線を指します。

『隣地境界線』と呼ばれ、自身の所有する土地と隣の土地の境目を明確にしています。

境界線にはその他にも種類があり、中でも隣地境界線と類似しているのが『敷地境界線』です。敷地境界線は隣地と接していない面も含んでおり、敷地の外周部分に該当します。

コンクリート塀やフェンスなどによって、土地と土地の境目が物理的に示されている場合もありますが、必ずしも正しい境界線だとは限りません。

売買後のトラブルを防止するためにも、事前に調べておくことが大切です。

土地や家の境界線の調べ方・確認方法

ここでは、土地や家の境界線を調べたり確認したりする方法を解説します。

  • 法務局で土地情報を確認する
  • 市役所で道路と土地の境界を確認する
  • 測量士に依頼する
  • 土地家屋調査士に依頼する

上記4点を順番に見ていきましょう。

法務局で土地情報を確認する

法務局では、土地の登記簿や地図情報を閲覧できます。

登記簿には、所在や地番、地目や地積などの土地に関する情報が詳細に記されており、これを基にして境界を判断できるでしょう。

また、法務局には地図を備え付けることが義務付けられています。非常に精度が高く、法務局の地図を閲覧すれば明確な境界線を把握できるといえます。

ただし、現在正確な地図が備え付けられている地域は一部のみで、その代わりとして用意されているのが『公図』と呼ばれる『地図に準ずる図面』です。公図に記された境界線は必ずしも正しいとは言い切れず、精度が高い地図に整備されるまでは他の手段を取ることがおすすめです。

なお、法務局に備え付けられている地図は、現在オンラインでの閲覧請求も可能となっています。

※参考1:

登記所備付地図作成作業の実施について丨法務局


※参考2:

地図データのG空間情報センターを介した一般公開について丨法務省

市役所で道路と土地の境界を確認する

道路や水路など、自治体が管理している公共用地との境界線は市役所に請求して確認できます。

土地を売買する際には、隣地との境界線に加えて接道との境目もはっきりさせる必要があります。

道路と土地の境界線は『道路境界線』と呼ばれ、境界を確認する際には市町村などの自治体による立会いが必要です。

自治体によって担当部署や申請方法が異なるため、居住地がある市町村に尋ねてみましょう。

※参考:

道路・水路との境界確認丨岐阜市

測量士に依頼する

家の境界線を調べる方法の1つとして、測量士への依頼が挙げられます。

測量士とは、土木工事や建築工事の際に土地の位置や形を正確に測量する仕事のことです。地図を作成するための測量も実施しており、土地の売買に伴い住宅の建て替えなどを予定している場合には、測量士への依頼が向いているでしょう。

測量士に依頼する場合、種類によって以下のとおり費用が異なります。

測量の種類 特徴 費用相場
現況測量 ブロック塀などの見た目から土地の形状や面積を測る 10〜20万円程度
確定測量 隣地の所有者が立ち会い、より正確な面積や形状を測る 35〜90万円程度

不動産売買の際には、確定測量を選択することが一般的です。

高額な費用がかかるため、買主と売主のどちらが負担するか話し合いましょう。

※参考:

測量士丨厚生労働省

土地家屋調査士に依頼する

測量士は主に公共事業などに関する業務を行いますが、個人が所有する土地や住宅に関する業務を主に行うのが、土地家屋調査士です。

土地家屋調査士は、不動産登記に関する専門家です。境界線の確認に限らず、境界の申請に関する手続きや、万が一、紛争が起きた際の手続きにおいてサポートする役割もあります。

境界線を正確に調査してくれるため、境界が曖昧な場合には土地家屋調査士へ依頼することがおすすめです。

土地家屋調査士に依頼する場合は、現況測量で10〜20万円程度、確定測量で40〜50万円程度の費用がかかります。

※参考:

土地家屋調査士について丨日本土地家屋調査士連合会

土地や家の境界線を調べるメリット・デメリット

ここでは、土地や家の境界線を調べるメリットとデメリットを解説します。

不動産売買の際に境界線を明確にしておくことは重要ですが、場合によってはデメリットを感じることが考えられます。

メリット・デメリットの両方を把握し、調べるかどうかを検討しましょう。

メリット

土地や家の境界線を調べるメリットとして、主に以下の3点が挙げられます。

  • 隣地の所有者とのトラブルを防止する
  • 土地・家の資産価値を維持できる
  • 土地利用の計画を容易にする

境界線を調査する最も大きなメリットは、隣地の所有者と境界線に関してトラブルになることを防げる点です。

将来的なトラブルのリスクを抑えられるため、不動産としての資産価値を維持することにも繋がります。

また、土地の境界を明確にすることによって、土地利用の計画が立てやすくなることもメリットといえます。

デメリット

不動産の境界線を調べることにはメリットがある一方で、以下3点のデメリットもあります。

  • 費用が発生する
  • 時間がかかる
  • 隣地の所有者の合意が必要である

測量士や土地家屋調査士に調査を依頼する場合、現況測量であれば10〜20万円程度、確定測量なら30〜90万円ほどの費用が発生します。土地を売買する際には境界をより明確にする必要があり、確定測量が必要となるでしょう。

また、確定測量は隣地の所有者の立会いが必要であるため、依頼してから境界が確定するまでに3〜4ヶ月程度を要します。

隣地の所有者が立会いに合意しない場合、実行が遅れてしまうでしょう。

土地や家の境界線を調べるときの注意点

ここでは、土地や家の境界線を調べる際の注意点について解説します。

  • 筆界と所有権界を確認しておく
  • 境界標には目印を付けておく
  • 近隣住民の立会いのもとで境界線を確認してもらう

順番に見ていきましょう。

筆界と所有権界を確認しておく

『筆界』とは、土地の区画を示す線のことで、登記によってのみ変更できる公法上の境界を指します。一方で『所有権界』とは、土地に対する所有権の範囲を示す線で、所有権者同士の合意によって変更できる私法上の境界です。

筆界と所有権界が合致していることが多くありますが、それぞれ異なる場合もあります。

境界線を調査する際には、まずどちらの境界を確認するのか明確にすることが重要です。

※参考:

土地の境界には、「筆界」と「所有権界」とがあります。丨法務局

境界標には目印を付けておく

境界を示す標識や杭は、風化や移動によって見失ってしまうおそれがあります。

境界標が見つかった際には、周囲に石を置くなど目印を付けておきましょう。

また、定期的に確認して位置がずれていないかチェックすることも大切です。

近隣住民の立会いのもとで境界線を確認してもらう

隣地との境界線を確認するときは、隣地の所有者に立ち会ってもらいましょう。

先述のとおり、より正確に境界を測る確定測量では、隣接する土地の所有者の立会いが必要です。

双方で境界の位置を確認できれば、将来的なトラブル防止に繋がります。

測量には依頼から境界確定までに3ヶ月以上がかかると見込まれるため、土地の売買が決まったら早めに隣地の所有者と相談しましょう。

土地や家の境界線に関するよくある質問

ここでは、土地や家の境界線に関してよくある質問に回答します。

  • 土地の境界線をめぐって起こりうるトラブル事例は?
  • 土地の境界線を調べない・決めないとどうなる?
  • 土地の境界線はブロック塀で決まるって本当?

疑問の解消にお役立てください。

土地の境界線をめぐって起こりうるトラブル事例は?

土地の境界線をめぐるトラブルとして多く見られるのは、境界に関する主張が隣地の所有者と食い違うケースです。

新しい塀やフェンスを設置する際、境界線の位置に関して双方の意見が異なれば、工事をスムーズに進められません。

また、隣地の所有者が知らない間に、境界線を越えて建物や物置を設置してしまった結果、撤去を求められたケースもあります。

境界線が不明確なまま土地を利用すると、このようなトラブルが生じやすくなります。

土地の境界線を調べない・決めないとどうなる?

土地の所有者が境界線を明確にしないまま売却を進めようとすると、思うように買主を見つけられないおそれがあります。

将来的に隣地の所有者とトラブルが起こると予測され、購入を避けてしまうためです。

また、境界が不明瞭な土地を購入してしまった場合、境界線を越えたことに気が付かないまま建物や改修を行ってしまい、法律トラブルの原因となるケースがあります。

売主は売却前に境界線を明確にしておき、買主は購入前に境界の明瞭さやトラブルの有無を確認しておくことが大切です。

土地の境界線はブロック塀で決まるって本当?

ブロック塀やフェンスが境界線として認識されるケースもありますが、必ずしも正確な境界だとは限りません。

塀やフェンスは、実際の境界線と異なる箇所に設置されていることがあります。

境界線をチェックするときは、法務局の地図を閲覧したり、専門家に調査を依頼したりなど、正確な位置を確認することが重要です。

土地や家の境界線を事前に調べてトラブルを回避しよう

この記事では、土地や家の境界線を調べる方法を解説しました。

不動産売買を検討する場合には、土地や家の境界を明確にしておくことが大切です。

不明確なままでは、将来的な隣人トラブルや不動産の資産価値の低下に繋がります。

不明確なままでは、将来的な隣人トラブルや不動産の資産価値の低下に繋がります。

測量士や土地家屋調査士に依頼する場合、大きなコストや時間がかかります。売主と買主の間で負担の割合を予め決定しておくほか、スムーズに測量を進められるように、早めに隣地の所有者と話し合っておきましょう。

記事監修

山口 靖博

宅地建物取引士/2級ファイナンシャル・プランニング技能士
最新のトレンドや法改正を踏まえ、円滑な住宅売買に向けた仕組み作りと前線でのサポートを実践する。「ちんたいグランプリ(旧・不動産甲子園)」 2020年度・2022年度特別賞。

  • 2025年1月時点の内容です。