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家と暮らしのコラム
幼児教育・保育無償化スタート!子育てしやすい街はどう選ぶ?

幼児教育・保育無償化スタート!子育てしやすい街はどう選ぶ?

2019年12月07日(土)

家さがしの知識

2019年10月から、「幼児教育・保育無償化」がスタート。就学前の教育・保育の利用料が無料になるというメリットがある一方で、待機児童問題や保育の質に影響するという不安の声も。安心して子育てするにはどんなことに気をつけておけば良いのでしょうか。幼児教育・保育無償化の仕組みとともに、子育て世帯の家さがしのヒントをご紹介します。

目次

幼児教育・保育無償化の対象は?

無償化の対象となるのは、「幼稚園、保育所、認定こども園などを利用する3歳から5歳児クラス」と「住民税非課税世帯の0歳から2歳児クラス」までの子どもたちです。未就学児を持つ子育て世帯にとっては、経済的負担が減って家計が助かりますね。

無償化の適用範囲は、お子さんの年齢や世帯所得(住民税非課税世帯かどうか)、利用する施設・サービスによって決まります。

0〜2歳児で無償化の対象となるのは、住民税非課税世帯のみ。一方、3〜5歳児では、上限金額はあるものの幼稚園や認証保育所、ベビーシッターなどの幅広い施設やサービスが対象です。

ただし、食材料費、行事費、通園送迎費などは、これまで通り保護者の負担になるので要チェックですね。
詳しく知りたい方は、内閣府のWebサイトをチェックしてみましょう。

幼児教育・保育無償化の期待と不安

今回の取り組みは、なにかとお金のかかる子育て世帯にとって、ありがたい制度です。高額だからと諦めていた保育施設やサービスなども選択肢に入れることができ、産休・育休明けに仕事が復帰しやすくなるケースも増えるでしょう。

期待できること

  • 子育ての金銭面の負担を軽減できる
  • 利用する施設の選択肢が増える
  • 保育料を気にせず仕事復帰できる

一方で、保育料が無料になることで働きたい人が増え、人気のある保育施設で待機児童が増加したり、保育サービス全体の質が落ちたりするという不安もあるようです。

不安に感じること

  • 働く親が増えて待機児童も増える?
  • 保育士不足により保育の質が落ちる?

安心して子育てできる街は?

子育て世帯の家さがしは、これまでも幼児教育・保育が充実していることは大切なポイントでした。「幼児教育・保育の無償化」がスタートした今後は、さらに住みたいエリアの教育・保育の環境や子育てサポート制度などをチェックして、納得できる家を見つけたいものです。

それでは、どのような視点で住みたい街をチェックすれば良いのでしょうか。参考になる、3つのポイントをご紹介します。

1)待機児童数の減少数

保育施設に入れなかった待機児童数の減少率は、お住まいの市区町村が待機児童問題に力を入れているかどうかの1つの目安に。

例えば、東京23区では、2019年4月1日時点で、昨年度からの待機児童が最も減少数したのは「江戸川区(−270人)」、次いで「目黒区(−251人)」、「大田区(−134人)」。

ちなみに、待機児童数が0人だったのは「港区」と「杉並区」。昨年度も待機児童数が0人だった杉並区では、認可保育所を核とした施設整備を進めるとともに、保育の質の確保や障害児保育等の多様な保育サービスの充実に取り組んでいます。

ただし、待機児童数には、認可保育所以外の施設に入って認可保育園の空きを待っている子どもや第一希望以外に決まって入園を辞退した子ども、求職中・育児休業中の家庭などは除外されていることがあるそうです。

また、待機児童数だけでは、「保護者の満足度を正確に測れていないのでは」という課題もあります。

2)保育の質や環境

1)で語ったように、待機児童数のカウントは、認証保育所、認定こども園、小規模保育事業など、認可保育所以外の幅広い施設が対象になっています。

認可保育所とは、児童福祉法に基づいて設置された児童福祉施設です。施設の広さ・保育士などの職員数・給食設備・防災管理・衛生管理など、国が定めた設置基準をクリアして、都道府県知事に認可されています。

そのために認可保育所は保育士の配置や施設環境などにゆとりがある傾向にあり、認可保育所に入るのが安心と考える親御さんが多いようです。

そこで気になるのが、認可保育園への入園率です。公表していない市区町村も多いのですが、「保育を考える親の会」という民間機関が有料で発行している冊子の「新規入園決定率」を見るとチェックできます。家さがしをしている人は参考にしてみてはいかがでしょうか。

保育を考える親の会 Webサイト:http://hoikuoyanokai.com

3)子育て支援の充実

幼児教育・保育はもちろん、妊娠・出産から子どもが成人するまで、子育ては続いていくものです。小学校に入学したあとも、放課後に保護者がいない場合には、「学童保育」を利用できます。民間の施設もありますが、公立の学童保育(月額5,000円〜7,000円※)や無料の「放課後子ども教室」もあります。共働きのご家庭は、住みたいエリアの「学童保育」も調べてみましょう。
最後に、23区内で子育て支援が充実している特徴的な区をご紹介します。

  • ※ 地域や施設によって異なるので入会前に確認が必要

子育て支援が充実している区

江戸川区:保育から家事まで地域で応援

<0歳児家庭サポート事業 よちよち応援団>
0歳児の家庭へ、家事支援サービスを無料で提供。食事の支度や片付け、洗濯、掃除などに1回2時間以上、合計14時間まで利用できます。

<子育て安心パスポート~保育園は地域の子育て応援団~>
江戸川区立保育園が行う「プール開放」「親子deチャレンジ」「園庭開放」「育児相談」などのイベントに、区内在住で1~5歳の子どもがいる家庭は参加可能。スタンプが貯まると、すてきな賞品がもらえます。


江東区:出産前後のママに手厚いサポート

<プレママお料理教室>
「食事バランスガイド」を使って、現在の食事のバランスをチェックするなど、妊娠中・出産後の食事のポイントをわかりやすく学べる教室を定期的に開催しています。

<産後ケア>
「宿泊型産後ケア(3泊4日まで:1万2,000円〜2万4,000円)」「日帰り型産後ケア(1回3,000円)」「乳房ケア(訪問・外来型:1,000円)」の3タイプのサービスを利用可能。赤ちゃんと一緒に区内の助産所などの施設で、心身のケアや育児アドバイスを受けながら休養できます。


渋谷区:出産1人につき10万円の助成金

<ハッピーマザー出産助成金>
安心して出産ができるよう、出産した人に、子ども1人につき10万円が支給されます。

<リフレッシュ一時預かり保育「SKIP(スキップ)」>
理由を問わず生後3ヵ月から就学前までの子どもに対し、キッズルームでの預かり保育を提供。予約制で、1時間1,200円で利用できます。


目黒区:子どもの豊かな体験が充実

<放課後フリークラブ>
放課後の校庭を遊び場として提供する「ランドセルひろば」、放課後や学校休業日に多彩なイベントを開催する「子ども教室」を実施。子どもたちにさまざまな体験の機会を提供することで、自主性、創造性、社会性などを養うことを目的として取り組んでいます。

<親子ふれあい入浴デー>
毎月1回「親子ふれあい入浴デ一」を実施。区内在住の保護者と小学生以下の子ども2人1組で、区内の各公衆浴場に無料で入浴できます。


北区:医療費や住居費に手厚いサポート

<高校生等の入院医療費助成>
東京都では中学3年生まで無料で診察を受けられる医療費助成制度がありますが、北区では高校3年生まで助成されます。

<親元近居助成>
北区内に親世帯と近居するために住宅を取得するファミリー世帯(18歳未満の子どもを扶養している親子)に対し、予算の範囲内で一住宅あたり1回限り20万円を上限として助成されます。


文京区:ユニークな教育で子育てサポート

<文京版スターティング・ストロング・プロジェクト>
教育センターの心理士や保育士、作業療法士等で構成する専門家チームが保育園・幼稚園・児童館などを訪問するアウトリーチ型の子育て支援事業を行っています。


ご紹介した支援サービス以外にも、各市区町村のホームページを見ればどんなサポートやサービスがあるかをチェックできます。ぜひ家さがしの参考にしてください。

これが結論!

ポイント1

子育て世帯の家さがしでは、沿線や最寄り駅への距離、間取りだけでなく、子育てしやすい市区町村かどうかなど、トータルで判断することが大切!

ポイント2

幼児教育・保育無償化に伴って、施設の利用状況や保育の質が変化する場合も。家さがしでは、そのエリアの待機児童や新規入園決定率などをチェックしておきましょう。

  • ※ 2019年12月時点の内容です。

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